オールド・イングリッシュ・シープドッグ

海外のドラマを見ていると、よくモコモコの長い毛の中に隠れてしまって、本当の顔がよくわからないワンちゃんっていますよね。たとえばオールド・イングリッシュ・シープドッグ。オールド・イングリッシュ・シープドッグはイギリスの牧場で牛や羊を追っていた牧羊犬です。しかし、牧場の羊たちを追わなければいけないのに、目が毛の中に隠れてしまっています。あれでは、ちゃんと前は見えていないのでは、と思ってしまいます。りしないのでしょうか。ちゃんと目の前は見えているのかどうなのか。飼っている人の話では、日常生活に不便はなく見えているけど、電柱にぶつかったこともある、ということです。この犬種は目が敏感なので、まぶしい光から目を守るために、前髪は切らないのだそうです。もともと犬はあまり目がよくありません。犬の視力は0.2～0.3しかない近視で、はっきりと見えるのは、2～3メートル先まで。家の壁や大きなものはわかりますが、細かいものは判別できないそうです。人間だったら眼鏡をかける必要がありますね。ただし、犬は人の何倍も鼻や耳がいいので、嗅覚と聴覚の情報でも行動できます。視力にそれほど頼らずに生活できるということです。

視野と視界

それに犬は視力では劣りるとはいえ、人間よりもはるかに視野は広く、とても優れた動体視力を持っているので、遠くで動くものをキャッチすることができるのです。だから、広い牧場で羊たちを追えるのですね。ただし、視力については犬種によってかなり違いがあって、たとえば視覚で獲物を捉えるサイトハウンドと呼ばれる猟犬種は近視ではなく、視力もいいそうです。オールド・イングリッシュ・シープドッグの場合、本来の目的とおり、広い放牧地で暮らしているのなら問題ありません。でも、都会で暮らすとしたら、どうでしょう。車や障害物など危険がいっぱいです。やはり目の前がよく見えるように、視界は確保してあげたほうがいいですね。実際に長い前髪をとめたりカットした時は、犬の動きも変わるそうですよ。目の前が開ければ物がよく見えて、自信を持って前に進めますものね。

毛の長い犬種は目に注意

ヨークシャテリアやトイプードル、マルチーズ、シーズーなど、被毛が長くのびるロングコートの犬種は、伸ばしっぱなしにしておくと、同じように目が隠れてしまいます。そのためトリミングの際は、目のまわりの毛もちゃんとお手入れしています。飼い主さんの好みで短くカットするスタイルや、長くのばしておでこで結んだり、とてもおしゃれです。もちろん、おしゃれのためだけではありません。目の周りの毛が伸びて目を刺激すると、涙が過剰に分泌されて涙やけになることもあるからです。涙やけは目の下が涙で濡れて、毛の色が変色し、毛が固まってしまう症状をいいます。毛が目の中に入り、網膜萎縮、結膜炎や角膜炎など炎症を起こしてしまうこともあります。長毛種のワンちゃんは特に目のお手入れをしっかりする必要があります。目が充血していたり、かゆがっていたり、目ヤニの量が多い時は、ぜひ獣医さんで診察を受けてくださいね。

まとめ

オールドイングリッシュシープドッグ、ビアデットコリー、プーリー、世界にはたくさんのモフモフ犬がいますね。あの長い毛の中にはどんなお顔が隠れているのだろう、と思いませんか。牧羊犬にはモフモフ犬が多く、あの豊富で丈夫な毛が水を弾いて、冷たい雨の日も羊を追ってお仕事ができるようにしているそうです。でも長い前髪を見ると、「ちゃんと前は見えてるの？」と犬にたずねてみたくなりますよね。