ハーフ犬の楽しさは、未知なる部分

近頃ペットショップの店先では、ポメプー、マルチワワ、プーチー、シュナックスといったハーフ犬、またはミックス犬と言われるワンちゃんたちがたくさん並んでいます。ホメプーは両親がポメラニアンとトイプードルのミックス、マルチワワはマルチーズとチワワ、プーチーはトイプードルとチワワ、といった具合です。無作為に生まれたわけではなく、作為的に純犬種同士をかけ合わせて作り出したので、デザイナードッグと言われます。純血種同士の両親から生まれる1世代目をＦ1といい、純血種に比べ病気が少なく丈夫であると言われています。ただし、両親のいいところを受け継げばよいのですが、両方の弱点を受け継ぐ可能性もあります。両親のどの部分が遺伝するのか、成長するまでわからない部分もありますが、それもまた楽しいですね。期待した姿に成長しなくても、それも個性と認められて、最後まできちんと世話をする覚悟で飼うこと、それは純血種だろうと、ハーフ犬だろうと同じことですね。

両親犬を確認しましょう

ハーフ犬は、見た目が近い親の方に性格も似る、という話もありますが、確かなことはわかりません。成長とともに被毛の特徴や毛色が変化することがあるそうです。ハーフ犬についてはデータが少ないので、まだ未知の部分が多いのです。『猟犬の世界のデザイナードッグ』という記事に、スウェーデンでイノシシ猟をするためのＦハーフを作出している、という話がありました。スウェーデンでは、最近イノシシの被害が多く、ヘラジカ猟に使うスピッツに、スパニエル系の犬を掛け合わせ、イノシシに対抗できる猟犬を作出ているそうです。スパニエルの勇敢さと探索能力とスピッツの粘り強さとがうまいことミックスされハンターにうけているとのこと。ただし、F1犬は交配させることはないそうです。第2世代以降は、猟犬としての資質が定かではないから、というのがその理由だそうです。このように、ハーフ犬はどうも2世代以降の資質は、非常に不安定なようです。ハーフ犬には血統書はありませんが、購入の際は繁殖者より親犬を見せてもらい、心身ともに健康な親犬同士から生まれた子であること、親犬同士の近親にも遺伝的な疾患がいないことなどをきちんと確認しましょう。

悪質な繁殖者に気をつけて

2009年アメリカのテネシー州の犬の飼育場を捜査したところ、約300匹の犬が見つかり、多くの犬が栄養失調で寄生虫に感染されていたそうです。その中の多くはデザイナードッグと呼ばれる純血種を交配して、人工的に作った犬たちもいました。捜査の手が入った理由が、病気の犬を売りつけられたという多くの苦情が寄せられたためです。デザイナードッグは登録しなくてもいいので、事務手続きの手間が省けるため、繁殖者にとって楽なビジネス。珍しい犬を飼いたいという人も多く、今やビッグビジネスになっているとのことです。生体販売のビジネスでお金を稼ぐのはなかなか大変なことなのか、コストを下げるために、繁殖犬や生まれた子犬の心身の健康に配慮しない繁殖者は少なくないようです。純血種であれハーフ犬であれ、犬が人間の欲望の犠牲にならないことを願うばかりです。子犬を選ぶ時は、見た目の可愛さで衝動買いしないように、子犬の出自を確かめてから買いましょう。親犬や犬舎を見せ、繁殖について説明できるくらいの信頼のおける繁殖者から入手することが大切ですよ。

まとめ

ハーフ犬はとても人気でペットショップでも購入できますし、ネットにもたくさんのハーフ犬の販売情報が出ています。ネットの写真はどの子もみんな器量よしで、とてもキュートです。親犬のいいところを受け継いだのでしょう。流行の光には、必ず影ができます。興味本位で大量に安易な交配をし、流行の時期が過ぎたころには、多くの不幸な犬が残されていた、ということがあってはなりません。

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