平均寿命と環境の変化

ここ数十年で人間はものすごく長生きになりましたが、犬の平均寿命も飛躍的に伸びているそうです。現在の平均寿命は小型犬で14～16歳、大型犬でも10～12歳とされています。長生きになった理由としては、動物医療の進歩、質の良いフードが出回るようになったことがありますが、一番大きな原因としては生育環境が外飼いから室内に移ったことではないでしょうか。外で生活していた時の、冬の寒さ、夏の暑さ、気候の変化、車の騒音など環境のストレスがなくなりました。また通行人が家の前を通り過ぎる時は、警戒し番犬としての役割をはたさなければなりません。今は家の中で家族のそばで安心してゆっくり休めるようになりました。外にいた時と違い、家の中にいれば家族も犬の健康も確認しやすく、具合が悪くなったらすぐに気づいて病院に連れて行ってあげることができます。

一番多い疾病　癌

犬の寿命は延びましたが、その反面疾病やその種類も増えたようです。何よりも、人間と同じような病気が多くなりました。癌・腫瘍、腎臓病、糖尿病、心臓病などいわゆる現代病、人のかかりやすい病気ばかりです。人間とともに暮らしている犬の宿命でしょうか。特に多いのは癌です。癌細胞は健康な体の中にも存在しますが、免疫の働きにより様々な毒素とともに排出されます。体の免疫機能がうまく作用しなくなった時に、癌細胞が体の中に増殖を始めるということです。体の免疫機能が働かなくなる原因は、ストレスが大きく関係しているようです。犬は人間と苦楽を共にします。家族が悲しめば事情はわからなくても悲しくなります。もし、犬にストレスをかけないように、と願うなら飼い主がまず自分を幸せにすることが先かもしれませんね。幸せな飼い主も手で撫でられた犬はきっと幸せになるでしょう。

食べ物と寿命

人間の平均寿命は延びましたが、これ以上延びるかというと、首をかしげる人もいます。現代人は多くの加工品を食べて育っているからです。ほとんどの加工食品には長持ちさせるための添加物が入っています。添加物は毒素として内臓器官によって排出されますが、内臓にとってはとても負担になります。元気な時はよいでしょうが、疲れている時、調子が悪い時、そして高齢になった時、内臓の働きは弱っていきます。これは犬でも同じことです。加工されたペットフードやおやつなどに入っている保存料や添加物は、犬の内臓にも負担をかけています。できる限り余計な添加物が入っていない食べ物が体には優しいのです。健康保険の効かないペットの医療費は非常に高額です。医療費を考えれば、安価だからと安易にフードやおやつを選ぶべきではありませんね。犬が口にするものは飼い主が考えて選びましょう。

まとめ

犬の寿命が延びたのはいいことですが、病気になった犬の介護はとても大変です。やっぱり健康のまま長生きしてもらいたいですね。寿命が延びたといっても犬は人間より長生きはしません。子犬はあっという間に大人になり、年老いてしまいます。毎日いっしょに散歩をして、遊んで、体に良いと思われるものを食べさせて、ストレスなく暮らしていけたらいいですね。