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犬の認知症の特徴について
犬も高齢化すると認知症になることがあります。しかし、犬の認知症って具体的にどのような症状が現れるのか、そもそもどこからが認知症なのか疑問に思っている飼い主さんも多いのではないでしょうか。
この記事では犬の認知症の特徴などについて解説します。
もくじ
認知症の症状
認知症を発症すると、以下のような5つの行動変化が現れると言われています。
- 見当識障害
- 飼い主や周囲環境との関係性の変化
- 睡眠・覚醒時間の変化
- 排泄の変化
- 活動量や内容の変化
見当識障害
- 障害物を避けられない
- 慣れているはずの場所で迷子になる
- 食事が終わった直後に食事を要求する
飼い主や周囲環境との関係性の変化
- 飼い主の呼びかけにまったく反応しない
- なでたり抱っこされたりしても喜ばない
睡眠・覚醒時間の変化
- 生活が昼夜逆転する
- 日中寝ていることが多くなる
排泄の変化
- トイレ以外の場所で排泄するようになる
活動量や内容の変化
- 食欲が増加する
- グルグルと同じところを回る
認知症になりやすい犬種はいる?
どの犬種でも認知症は発生すると言われていますが、なかでも柴犬など日本犬は認知症を発症しやすく、さらに症状が強く出る傾向にあると言われています。
また、一説によると、屋外で飼育されている犬は、常に飼い主とスキンシップが取れる室内飼育の犬と比べると脳の老化が進みやすく、認知症になりやすいと言われています。
認知症かな?と思ったら…
もしかして認知症かもしれないと思ったら、そのままにせず、一度近くの動物病院を受診しましょう。場合によっては認知症ではなく、何か別の病気によって行動に変化が出ているのかもしれません。
認知症だった場合は、治療を行うというより、進行を遅らせるためにサプリメントや鎮静剤を処方します。
日頃からできる認知症予防
脳に刺激を与える
認知症予防でもっとも大切なのは、脳に刺激を与えてあげることです。毎日同じ時間に起きて、ご飯を食べて、同じ散歩コースを歩いて寝るということの繰り返しだと、あまり刺激があるとは言えません。
たまには散歩コースを変えてみたり、他の犬や人と触れ合えるドッグランや公園に出かけたりするだけでも脳にとって良い刺激となります。
家の中では宝探しゲームなど頭を使う遊びを取り入れてみるのもおすすめです。シニア期に突入したら静かに過ごさせてあげた方が良いのではないかと思う飼い主さんもたくさんいると思いますが、できるだけスキンシップをとったり、外にでかけたりする方が認知症予防においては大切なのです。
DHAやEPAを摂取させる
DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)といった不飽和脂肪酸は血液をサラサラにし、脳の働きを維持する作用があることから、認知症予防に有効とされています。不飽和脂肪酸は青魚に多く含まれているので、普段の食事に取り入れてみても良いでしょう。魚が好きではない子に関しては、サプリメントで摂取させるという方法もあります。
抗酸化作用のあるものを摂取させる
体内で発生する活性酸素は、神経細胞にダメージを与えてしまうので、脳の機能を低下させる原因にもなってしまいます。そのため、抗酸化成分を多く含む緑黄色野菜をゆでてフードにトッピングしてみたり、サプリメントなどで補ってあげたりしましょう。
筋力を維持する
筋力が衰え、寝たきりの状態になってしまうと認知症が進行しやすくなります。筋力を維持するためには、シニア期に突入しても適度な運動は毎日継続しましょう。
また、運動不足になってしまうと、胃腸の消化吸収機能も低下するので、せっかくフードやサプリメントから摂取した栄養が効率よく体内に吸収できなくなってしまいます。若いときと同じ運動量でなくても良いので、できる限り毎日散歩に連れて行ってあげましょう。
まとめ
人間のようにペーパーテストなどで認知症を判断することができないので、犬の認知症は普段の行動から判断することになります。つまり、飼い主さんが普段の愛犬の行動をよく観察しておくということが重要です。ある程度犬の認知症について知識があると、より判断しやすいかと思いますので、愛犬が現在シニア期に突入している、もしくはこれから突入しようとしている場合は、犬の認知症について理解を深めておきましょう。
参考文献:犬の認知機能不全の症候と病態メカニズムに関する研究
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