デボンレックスの歴史

1960年にベリル・コックスという女性が、イギリスのデボン州で偶然発見した巻き毛のオス猫がデボンレックスの始まりとされています。巻き毛のオス猫を保護したベリル・コックスは、お隣のコーンウォール州で巻き毛が特徴的なコーニッシュレックスの育種が行われていることを知り、交配を試みました。しかし、2匹を交配させて生まれてきた子はすべて直毛でした。このことから2つの巻き毛は劣勢であり、別の遺伝子であることがわかりました。コーニッシュレックスではないことがわかったベリル・コックスは、別の猫種として公認を得ようと考えましたが、同じような巻き毛を持つ個体がいなかったことから、計画的な近親交配を行い、1960年代には血統登録団体GCCFに、1979年にはCFAに公認されることとなりました。

特徴

体型、体の大きさ、見た目

くさび型の小さな頭に大きな耳と目がついた独特な容姿をしています。
平均体重は2.5～5kgとやや小型ではあるのですが、セミフォーリンというボディタイプなので、意外にも筋肉質で骨太な体型をしています。

毛色、毛質

猫の毛の生え方には大きく2種類あります。1つはコシがあって長いオーバーコートと柔らかくて短いアンダーコートの2つの毛が生えている「ダブルコート」。もう一つはオーバーコート主体もしくはアンダーコートが主体のシングルコートです。デボンレックスは柔らかなアンダーコート主体のシングルコートで毛は短めです。

デボンレックスといえば巻き毛が一番の特徴ですが、毛の巻き方はそこまで強いわけではなく、緩やかにウェーブしているような感じです。基本的には短毛で、柔らかなスウェードのような肌触りをしていますが、育種をする過程で長毛の猫が交配された背景もあり、ときに長毛の個体が誕生することもあるようです。

毛色はホワイト、ブルー、ブラックなどあらゆる色が公認されているだけでなく、各色のタビー（縞模様）、キャリコ（三毛）、バイカラーなどパターンもさまざまです。

目の色

目の色も毛色同様に種類が多く、基本的にあらゆる色が認められています。

性格

とても好奇心旺盛で活発な性格をしており、のんびり座っているということはあまりないようです。
非常に甘えん坊で、依存心が強い傾向にあります。そのため、飼い主さんの後を追いかけたり、肩に飛び乗って甘えてくることもあります。
デボンレックスが他の猫と大きく異なる点として、嬉しいときにしっぽを振ることがあり、まるで犬のような感情表現をします。

デボンレックスの飼い方

飼育環境

ヤンチャなデボンレックスを室内で飼うのであれば、壊されたくないものや触られたくないものは目の届かないところにしまっておくようにしましょう。遊び好きなので目についたものはどんなものでもおもちゃにされてしまいますよ。
デボンレックスの遊びたい欲求を満たしてあげるためにも、キャットタワーの設置をおすすめします。キャットタワーは上下運動ができるだけでなく、猫が安心してくつろぐ場所としても使うことができます。
性格の部分でも紹介したとおり、甘えん坊で依存心が強いことから、一匹でのお留守番は得意ではありません。もしもお留守番させるのであれば、寂しくないようにひとり遊び用のおもちゃを用意してあげるようにしてください。

食事

小柄ではありますが、筋肉質で運動量も多いので、良質なタンパク質が含まれているフードを選ぶようにしましょう。デリケートでストレスを抱えやすい一面があるので、カモミールのようなハーブが配合されたフードを与えることで食事の面からストレスケアをしてあげるのも効果的です。

お手入れ

デボンレックスは、シングルコートで毛のボリュームもそこまで多いわけではなく、長さも短いのでお手入れは簡単です。アンダーコート主体でかなり柔らかな毛質をしているので、あまりブラッシングしすぎると、場合によってははげてきてしまうこともあるので、注意が必要です。
また、皮脂の分泌がやや多いので、皮膚病を予防するためにも、月に1回ほどのペースでシャンプーも行ってあげてください。

しつけ

賢い猫種なのでしつけは比較的しやすいとされています。最初に覚えてほしいトイレのしつけを行うときは、排泄したいサイン（ソワソワする、周辺のニオイをかぐなど）が見られたらトイレにつれていく、ということを何度か繰り返していると覚えてくれますよ。自分でトイレに行けるようになったらしっかりほめてあげることを忘れないでください。

気をつけたい病気

猫種確立のために近親交配を行ったことから、遺伝疾患が多いです。特にかかりやすいと言われているのが、膝のお皿が本来の位置からずれてしまう「膝蓋骨脱臼」、心臓の壁が厚くなり、心室が狭くなることで体に十分な血液を送れなくなってしまう「肥大型心筋症」などです。

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