ボクサーの性格や特徴は?飼い方やしつけ方について紹介します!
ボクサーは、日本ではマイナーな犬種と捉えらる傾向がありますが、海外では人気の家庭犬です。
とても賢いため、しつけや日ごろの飼育に気を付けてあげることで、飼い主の良きパートナーにもなってくれるでしょう。
ここでは、そんなボクサーの特徴や飼育方法について解説します。
ボクサーの特徴
歴史
ボクサーの祖先は、ドイツのブラバント地方に生息していた、小型のブレンバイサー(牛噛み犬)とされています。
ブレンバイサーは猟犬なのですが、通常の猟犬とは少し異なります。追い詰められた獲物を捕らえ、猟師が来るまでの間、獲物に噛みついて確保しておくのが仕事でした。
ブレンバイサーには、獲物に噛みついて離さないだけのあごの力やスタミナ、さらには指示されたタイミングで獲物から離れる賢さなどが求められるため、猟師の手によって優秀な犬種を選択し、交配が進められました。
さらにより強い犬を作るために、闘犬も交配に使われたと言います。ブレンバイサーはかなり雑種化していたので、一つの犬種にまとめるべく、ボクサーと名付けられ、現在のボクサーが誕生しました。
名前の由来
ボクサーの名前の由来ははっきりとはわかっていませんが、下記のような由来があると考えられています。
- ・噛みつくという単語にerがついた「Beisser(バイサーまたはベイサー)」が変形した
- ・ボクサーの祖先であるブレンバイサーは、食肉市場で「Boxl(ボクスル)」と呼ばれており、それが変形した
- ・ドイツ語ではボクサー=プロボクサーという意味だったので、懸賞闘犬として使われた犬をそのままボクサーと名付けた
- ・boxが変形した
大きさ・体重
猟犬として、さらには闘犬としても活躍していただけあり、ボクサーは非常に恵まれた体格をしています。骨格はしっかりしており、筋肉質で体に無駄なところがありません。
体重 | オス:30kg以上 |
---|---|
体高 | オス:57~63cm |
断耳・断尾について
ボクサーというと、ピンっと立った耳に短いしっぽを想像する方もいるかもしれませんが、本来のボクサーは、垂れ耳で、長いしっぽを持っています。
ではなぜ、立ち耳や短いしっぽの子がいるかというと、子犬のうちに断耳および断尾を行っているからです。もともと断耳や断尾は、猟犬を中心に行われていました。垂れた耳や長いしっぽは外敵に踏まれたり、噛みちぎられたりすることもあったので、ケガをしないように、わざと耳やしっぽをカットしたのです。
しかし、家庭犬として飼っている分には、特に断耳も断尾も必要ないので、現在では動物愛護の観点から禁止にしている国もあります。
被毛・毛の色
ボクサーの被毛は体のラインがはっきりわかるほど短く、硬いのが特徴です。
毛色はフォーン(金色がかった単色)とブリンドル(トラの縞模様のようにストライプが入っている)が認められています。ホワイトも存在しますが、ホワイトは聴覚障害をもつ確率が非常に高いことから、公式には認められていません。
平均寿命
ボクサーの平均寿命は10~12歳とされています。大型犬全体の平均寿命も10~12歳なので、平均的と言えます。
犬の成長期の長さというのは、体の大きさによって異なり、小型犬はだいたい8~10か月齢までですが、大型犬の場合は15~18か月齢までとされています。
生後2か月までは成長速度が早く、体重がかなり増え、骨を構成する組織が発達します。2か月以降は成長速度が緩やかになりますので、体重の増え方もゆっくりになり、少しずつ筋肉が発達してきます。
体臭
ボクサーは毛が短く、被毛も厚くないため、体臭はそれほど強くありません。ただ、ボクサーはよだれが多いので、口周りのケアを怠ってしまうと、ニオイが発生してしまうことがあります。さらに、顔にシワが多いので、汚れがたまりやすく、細菌も繁殖しやすいので、こまめにお手入れをしてあげないと、こちらもニオイの原因になってしまいます。
ボクサーの性格
やや強面ではありますが、性格はとても優しく、陽気で明るい子が多いです。訓練性が高く、しつけもしやすいことから、海外を中心に人気がある犬種です。
ボクサーは狂暴で危険?
飼い主やその家族に対しては愛情深く接してくれるボクサーですが、交配に闘犬が使われていることもあって、中には攻撃的な性格の子もいるようです。
しかし、ボクサーは基本的には穏やかで、かなり賢い犬種なので、子犬の頃からしっかりしつけられている子であれば、飼い主の指示を待つことができ、だれかれ構わず吠えかかったり噛みついたりすることはありません。
ただ、大切な飼い主やその家族に危害を加えるような存在に対しては、攻撃的になることがあります。
ボクサーの飼い方
食事
ボクサーは体脂肪が少なく、筋肉質で、まるでアスリートのような体型をしています。この体型を維持するためには、運動も大事ですが、食事の内容も大切です。筋肉を維持するためには、タンパク質を適度に摂取する必要があります。ただし、食事から摂取したタンパク質は、体内で消化吸収されなければ意味がないので、質が良く、消化性の高いタンパク質を選ぶようにしましょう。
運動
ボクサーは非常に活動的なので、1日に必要とする運動量も多いです。目安として、1回60分程度の散歩を、朝夕の2回行いましょう。ゆっくり歩くだけでは物足りないと感じてしまう子もいるので、速足やジョギングでの散歩がおすすめです。
近くにドッグランがあるのであれば、思いっきり走らせたり、ボールで一緒に遊んであげたりしてもよいでしょう。
ボクサーを運動させる際の注意点として、ボクサーは暑さに弱いので、夏は特に運動させる時間帯に気を配ってください。日差しが強い時間帯に運動させると、場合によっては熱中症になる恐れもあります。
しつけ
しつけがしっかりできると、ボクサーは良きパートナーとなってくれますが、しつけに失敗してしまうと、手が付けられなくなってしまうので、しつけの良し悪しでボクサーとの生活も大きく変わります。
ボクサーのしつけにおいて重要なことは、「信頼関係を築く」「ほめて伸ばす」「社会化訓練をする」です。
ボクサーは、忠誠心が高い犬種ですが、そもそも飼い主さんとの信頼関係が築けていなければ、一途に従ってくれることはありません。愛犬からの信頼を得るためには、愛犬が健やかに生活できるよう、食事を与える、欠かさず散歩に連れていく、排泄物の処理をする、丁寧にお手入れをするといった当たり前のお世話をしっかりやるようにしましょう。
また、しつけやトレーニングをするときに、失敗したからと言って怒鳴ったり、愛犬をたたいたりしてしまうと、信頼関係は築けませんので、できなくても叱らず、できたときにたくさんほめるということを意識しましょう。
ほめることは信頼関係を築くことにもつながりますし、愛犬のモチベーションも上がりますから、実はとても重要なことなのです。
最後に社会化訓練についてですが、ボクサーは警戒心が強い子が多いので、子犬の頃から外に連れていって、外界の刺激(車や電車の音、家族以外の人、他の動物など)に慣れさせるための社会化訓練が必要不可欠です。子犬の頃からある程度外の音や、家族以外の人に慣れておけば、必要以上に警戒するということがなくなります。
ボクサーの気を付けたい病気
拡張型心筋症
拡張型心筋症は心臓の筋肉が薄くなることで、心臓の収縮機能が低下し、全身にうまく血液を送れなくなってしまう病気です。
この病気は、別名「ボクサー心筋症」と呼ばれるほど、ボクサーがかかりやすいことで有名です。発症してしまうと、生涯付き合っていかなければいけません。
胃拡張・胃捻転
胃拡張・胃捻転は胃がガスで膨れ、ねじれてしまう病気です。重度の場合は発症から数時間で死亡するケースもある非常に恐ろしい病気です。発症原因ははっきりとはわかっていないのですが、早食い、大食い、水のガブ飲み、食後すぐに運動をするなどの行為が関係していると考えられています。
椎間板ヘルニア
椎間板ヘルニアは、背骨同士をつないでいる椎間板が変性し、脊髄を圧迫してしまう病気です。
脊髄が圧迫されることで、痛みや足の麻痺などといったさまざまな神経症状が現れるようになります。
クッシング症候群
クッシング症候群というのは、副腎から「コルチゾール」というホルモンが異常に分泌される病気で、多飲多尿、脱毛、皮膚が黒くなるなどの症状を引き起こします。
関連記事:ボクサーの寿命はどのくらい?気を付けたい病気について紹介します
ボクサーを飼う上での注意点
屋外で飼育しない
番犬としても活躍してくれる犬種ですので、屋外での飼育を考えている方もいるかもしれませんが、ボクサーのような短頭種は唾液を気化して熱を逃がすことが苦手なので、熱中症になりやすい傾向にあります。
熱中症は重症化すると命に関わるため、できれば温度調整ができる室内で飼育するようにしましょう。
背骨に負担をかけない
気をつけたい病気の部分で、椎間板ヘルニアになりやすいと紹介しましたが、ジャンプや激しい運動は、背骨に負担がかかってしまうので、椎間板ヘルニアの発症率を高めてしまいます。
また、肥満になってしまうと、関節に負担がかかってしまうので、適正体重をオーバーしないように意識しましょう。
ボクサーのお手入れ方法
ブラッシング
ボクサーは短毛で、被毛もそれほど厚くないので、週に2~3回程度ブラッシングをしてあげましょう。愛犬が嫌がらないのであれば、頻度を増やしても問題はありません。
ボクサーのように毛が短い犬種はブラシの先がとがっているスリッカーブラシを使用してしまうと、皮膚を傷つけてしまうおそれがあるので、ブラシの部分がゴムでできたラバーブラシがおすすめです。
シャンプー
シャンプーは、月に1~2回を目安に行いましょう。
毎日外に散歩に行くのに、シャンプーの頻度はそんなに少ないの?と思うかもしれませんが、シャンプーは頻繁にやると本来必要な皮脂まで取り去ってしまうので、逆に皮膚トラブルにつながってしまうのです。
そのため、軽い汚れくらいなら、硬く絞ったタオルで拭いてあげるようにしましょう。
まとめ
ボクサーは、日本ではあまりメジャーではありませんが、海外では人気の家庭犬です。とても賢く、飼い主さんに従順なので、しっかりとしつけられることができれば、良きパートナーとなってくれること間違いなしです。
ただ、体が大きく運動量も多いので、十分な飼育スペースが確保できるか、毎日しっかりと運動させてあげられるだけの時間と体力があるかということを飼育前に確認しておくようにしましょう。
犬の家&猫の里 編集部
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