秋田犬の寿命と気をつけたい病気
大型犬に分類される秋田犬は、遺伝的な病気にかかりやすいことから小型犬よりも寿命が短い傾向にあるといわれています。
しかし、日ごろから飼い主さんが気を使ってあげることで少しでも長く一緒に過ごすことはできるでしょう。
今回は、そんな秋田犬の寿命やかかりやすい病気について解説します。
飼い主さんが日ごろ気を付けることについてもお話ししていますので、ぜひ最後までご一読ください。
平均寿命
秋田犬の寿命は10~13年と言われています。犬は一般的に体が大きくなるほど短命とされており、大型犬に分類される秋田犬も小型犬と比較すると短い傾向にあります。
平均寿命の換算方法は諸説ありますが、人に例えた場合、大型犬は概ね以下のような年齢だと言われています。
犬の年齢 | 人に例えた年齢 |
---|---|
1歳 | 9歳 |
2歳 | 18歳 |
3歳 | 26歳 |
4歳 | 35歳 |
5歳 | 44歳 |
6歳 | 53歳 |
7歳 | 62歳 |
8歳 | 71歳 |
9歳 | 80歳 |
10歳 | 89歳 |
11歳 | 98歳 |
12歳 | 107歳 |
13歳 | 115歳 |
14歳 | 124歳 |
15歳 | 133歳 |
16歳 | 142歳 |
では、より長く一緒にいるためにできることは何でしょうか。生活する上で意識すべきポイントや、気を付けてあげたい病気について解説します。
秋田犬がかかりやすい病気
ブドウ膜皮膚症候群
ブドウ膜皮膚症候群は、自己免疫がメラニン色素を含む細胞を攻撃してしまい、目や皮膚に異常をもたらす病気です。
症状
目の赤みや涙の増加に加えて、鼻や唇、皮膚の色が薄くなってしまったり、赤くただれたりします。
ブドウ膜炎や白内障と言った目の疾患を併発することもあります。
治療法
免疫抑制剤の投与をします。これによって症状は落ち着きますが、完治しているわけではないので、治療は一生涯行われます。
予防法
ブドウ膜皮膚症候群は秋田犬が非常に多いことから、遺伝が関係しているとされており、有効な予防法は見つかっていないのが現状です。
眼瞼内反症
眼瞼内反症は、まぶたが内側にめくれることで、目を刺激してしまう病気です。
症状
常に目を刺激されているので、目をしきりに気にしたり、かゆがったりします。放置してしまうと、角膜炎や結膜炎を引き起こしてしまいます。
治療法
症状が軽い場合は点眼や刺激となっているまつ毛を除去するだけで改善できます。症状が重いのであれば、手術で矯正します。
予防法
この病気はほとんど先天的なので、予防は難しいです。ほとんどが1歳になるまでに症状が現れるとされているので、定期的な診察を受けて早めに発見・治療してあげましょう。
腸捻転
腸がねじれることでガスがたまり、ふくらんで周りの臓器を圧迫してしまうという病気です。大型犬が特にかかりやすく、最悪の場合死に至る恐ろしいものです。
症状
腹部の膨張、大量のよだれがでる、何かを吐こうとする仕草をするなどが見られます。
治療法
ショック状態に陥っている場合はそちらを改善してから、腸のガスを抜き、ねじれた腸を元に戻す手術を行います。
予防法
腸捻転を防ぐためには、一度に大量のフードを与えない、早食いさせない、食後に激しい運動をさせない、ということを意識しましょう。
臍(さい)ヘルニア
臍ヘルニアとは、臍の緒があった部分がうまくとじなかったことで、へそから内臓器の一部が外に飛び出している状態のことです。
症状
軽度の場合は、へその部分が膨らむ以外の症状が見られることはありません。重度の場合は腸閉塞、嘔吐、腹痛、食欲不振といった症状があります。
治療法
臍ヘルニアが小さく、押して戻る程度であれば、少し様子を見ます。しかし、大きい場合には手術によって修復する必要があります。
予防法
ほとんどが先天性なので予防方法はありません。ただ、先天性の臍ヘルニアは多くの場合悪化しないので、そこまで神経質になる必要はありません。
症状はなくてもやっぱり気になる…ということであれば、獣医師に手術時期を相談してみましょう。
飼い主が意識すべきこと
愛犬と1日でも長く一緒にいるために、以下のことを意識するようにしましょう。
日頃から健康状態をよく観察しておく
秋田犬は、遺伝的な病気にかかりやすいという側面を持っています。
秋田犬は遺伝が原因の疾患にかかりやすい傾向にあります。遺伝疾患の場合、予防が難しいので、早期に発見・治療してあげることが愛犬の負担を和らげることにつながります。
愛犬の異変にできる限り早く気づいてあげられるよう、普段から健康状態をよく見ておきましょう。
ストレスをためないようにする
ストレスがたまるとさまざまな体の不調を引き起こします。特に運動不足はストレスのもととなりますので、毎日しっかり運動させてあげましょう。
秋田犬は猟犬として活躍していたこともあり、かなりエネルギーがあります。1時間程度の散歩を1日2回行うのが理想です。
飼育環境を整える
秋田犬は大型犬なので、室内に十分なスペースがない場合は、外で飼育したほうがストレスになりません。ただ、被毛が多く、暑さにあまり強くないので、場合によっては熱中症になってしまうこともあります。そのため、夏場は温度と湿度が管理された室内で飼育してあげると良いでしょう。
まとめ
秋田犬は、遺伝的な病気にかかりやすいという側面を持っています。遺伝的な病気は予防ができないものがほとんどです。中には発症すると一生涯治療が必要になる病気もあります。
秋田犬の飼育を検討している方は、病気についても把握しておくようにしましょう。
参考文献
犬の家&猫の里 編集部
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