紀州犬は本当に危険な犬なの?
美しい容姿と高い運動能力、そして日本犬特有の忠誠心の強さが魅力である紀州犬は日本国内だけでなく、海外からも人気を集めている犬種です。
しかし、紀州犬は気性が荒く、飼い主さえも襲いかねないといわれることがあります。
紀州犬は本当にそんな危険な犬なのでしょうか。
なぜ危険な犬と言われるようになったのか
2015年9月14日、千葉県松戸市で脱走した紀州犬が路上にいた人や捕獲しようとした飼い主にかみついてケガをさせ、駆け付けた警察署員にも襲い掛かろうとしたため射殺されたという大変ショッキングな事件がありました。
この事件をきっかけに、紀州犬が危険な犬であるというイメージが広まってしまったと考えられます。
地域によっては特定犬に指定されている
茨城県や佐賀県では、犬によるかみつき事故を防ぐため、人に危害を加える恐れのある犬種を特定犬に指定しています。
茨城県の特定犬(8種)
- ・秋田犬
- ・紀州犬
- ・土佐犬
- ・ジャーマン・シェパード
- ・ドーベルマン
- ・グレートデン
- ・セントバーナード
- ・アメリカン・スタッフォードシャー・テリア(アメリカン・ピット・ブル・テリア)
佐賀県の特定犬(10種)
- ・秋田犬
- ・紀州犬
- ・土佐犬
- ・ジャーマン・シェパード
- ・ドーベルマン
- ・グレートデン
- ・セントバーナード
- ・アメリカン・スタッフォードシャー・テリア(アメリカン・ピット・ブル・テリア)
- ・アラスカンマラミュート
- ・マスチフ
地域によって特定犬に指定されている犬種はやや異なりますが、紀州犬は指定されていることが多いです。
紀州犬はやはり危険?
実は先ほどの事件は、紀州犬の性格の問題というより飼育環境の劣悪さが原因だと言われています。
脱走した紀州犬は、散歩をろくにしてもらえず、狭い2階のベランダに閉じ込められていたようです。糞尿も片づけてもらえず、衛生的にも問題があるような環境に置かれていたことからストレスがたまり、人にかみつくと言った問題行動に至ったとされています。
気性の荒い紀州犬だから起きたのではなく、適切な環境で飼育されておらず、さらにしつけが行き届いていなかった犬だから起きた事件だと言えます。同じような環境で飼育されていたら、紀州犬ではなくても攻撃的になっていたかもしれません。
紀州犬を飼う上で大切なこと
主従関係を築く
紀州犬は賢い犬ですから、飼い主がリーダーであるとしっかり認識すれば、飼い主に対して攻撃的になることはありません。
しつけを行う前に、主従関係をしっかりと築いておきましょう。
運動は毎日行う
犬にとって運動不足というのは一番のストレスになってしまいます。特に紀州犬は体力のある犬種なので、毎日散歩に行かないと、エネルギーが有り余ってしまいます。
紀州犬の場合、1時間ほどの散歩を1日2回が目安ですが、散歩から帰ってきても元気いっぱいなのであれば、もう少し時間をのばしてみましょう。
子犬のうちに人やものと触れ合う
犬は生後3か月半頃までに見たり、聞いたり、触れ合ったりしたものに対して順応しやすい傾向があります(社会化)。紀州犬は警戒心が強いので、子犬のうちからさまざまな刺激を受けておくことで、知らないものに対して攻撃的になるというリスクを低減することができます。
犬舎を設置する
紀州犬が特定犬として指定されている地域では、飼い方にルールが設けられています。上下四方が囲まれており、十分な強度を持っている、人に危害を加えられない構造になっているなどの条件を満たしたおりで飼育しなければいけません。
また、特定犬を飼育していることが一目でわかるよう、標識を貼る必要があります。
近隣の住民からの理解を得るためにも、ルールに沿って犬舎を設置するようにしましょう。
まとめ
紀州犬はだれかれ構わず攻撃するような危険な犬ではありません。特にしっかりリーダーだと認識した飼い主に対しては非常に愛情深いので、襲い掛かるということはなく、むしろ危険から飼い主を守ろうとしてくれます。
賢いのでしつけもしやすく、まじめで落ち着いているので、無駄吠えも少ないです。
適切な環境でしっかりしつけを行えば、他の犬同様、家庭犬として飼うことが可能ですよ。
犬の家&猫の里 編集部
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