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紀州犬の寿命とかかりやすい病気について

2019.11.12 2024.03.15

紀州犬の寿命は中型犬の中でも平均的で、病気にもかかりにくい犬種といわれています。

しかし、なかには皮膚疾患や先天性心疾患にかかる場合があるため、日ごろの飼い主さんのケアが重要です。

今回は、そんな紀州犬の寿命や病気、長生きするためのコツについて解説します。

平均寿命

紀州犬の寿命は13~15年と中型犬の中では平均的と言えます。バランスの取れた体格をしているので関節疾患などもなく、かかりやすい病気は比較的少ないので、長生きしやすい犬種です。

平均寿命の換算方法は諸説ありますが、人に例えた場合、中型犬は概ね以下のような年齢だと言われています。

犬の年齢

人に例えた年齢

1歳

12歳

2歳

19歳

3歳

26歳

4歳

33歳

5歳

40歳

6歳

47歳

7歳

54歳

8歳

61歳

9歳

68歳

10歳

75歳

11歳

82歳

12歳

89歳

13歳

96歳

14歳

103歳

15歳

110歳

16歳

117歳

17歳

124歳

18歳

131歳

19歳

138歳

では、できるだけ長く一緒にいるためにはどうしたらよいでしょうか。気を付けてあげたい病気や、生活する上でのポイントについて解説します。

かかりやすい病気

紀州犬は日本犬によく見られる皮膚疾患と目の疾患、先天性心疾患などにかかりやすいです。

甲状腺機能低下症

甲状腺機能低下症は甲状腺ホルモンが少なくなる病気です。この病気は内分泌性皮膚疾患とも呼ばれています。

症状

ホルモンの減少によって代謝がうまくいかなくなり、全身の毛がうすくなったり、むくんだような皮膚になります。皮膚炎も引き起こしやすく、一度発症してしまうとなかなか治りにくいです。

治療法

薬によって甲状腺ホルモンを補います。ただ、投与量が多すぎると中毒症状などが出てしまうため、身体検査や血液検査などの結果をもとに量を調節していきます。

予防法

予防法がない病気なので、紀州犬のような好発犬種は定期健診で甲状腺ホルモン濃度を測定してもらうようにしてください。

緑内障

緑内障は、目の中の圧力が上がることで視神経を圧迫してしまう病気です。

症状

緑内障は目に痛みを伴うので、それによって元気がなくなったり、涙を流したり、触れられることを嫌がります。症状が進行すると、結膜の充血や角膜のにごりが見られます。

治療法

緑内障の治療法は、点眼や点滴によって眼圧を下げる薬を投与する内科的治療法と手術によって眼圧を下げる外科的治療法があります。

予防法

眼圧が上昇するような病気が原因で緑内障になることもありますが、遺伝の場合は突然緑内障になってしまうので、予防は難しいです。

白内障

白内障は水晶体が白くにごって、視力が低下してしまう病気です。

症状

視力が低下してしまうので、何かにつまずいたり、壁伝いに歩くようになります。また、視界が徐々に狭まっていく不安から、夜泣きなども見られます。

治療法

緑内障と同じく、点眼や内服薬によって症状の進行を遅らせる内科的治療法と、手術によって水晶体を取り除き、人工のレンズを入れる外科的治療法があります。

内科的治療での完治は難しいですが、外科的治療法であれば視力の回復が期待できます。

予防法

白内障に有効な予防法はないとされています。ただ、症状が進みすぎてしまうと、手術を行っても視力が回復できないことがあります。早期に発見、治療できるよう、日頃から気にかけてあげることが大切です。

先天性心疾患

心室中隔欠損症

心臓の右心室と左心室の間を隔てる筋肉の壁に穴が空いている病気です。

症状

穴が小さい場合は特に症状は見られませんが、大きい場合は口の中や舌が紫色になるチアノーゼを引き起こしたり、咳をして苦しそうにする様子が見られます。

治療法

軽度であれば、心臓の負荷を軽減するために、血管拡張薬や強心剤などを投与します。重度の場合は根治のため、手術で穴をふさぎます。手術にはいくつか種類があるので、病気の進行度や飼い主の意向にあわせて選択します。

予防法

先天性心疾患は生まれつきのものなので、予防することはできません。健康診断をしっかり受けることで、早期に発見できるよう心がけましょう。

愛犬に長生きしてもらうために

愛犬が1日でも長く、そして健やかに過ごせるよう、飼い主さんは以下のことを意識しましょう。

運動でストレスを発散させる

猟犬として活躍している紀州犬は、そこまで体が大きいわけではありませんが、非常に体力があります。そのため、運動不足になると強いストレスを感じてしまいます。

人間と同じく、ストレスはさまざまな体の不調を引き起こすので、1時間程度の散歩を1日2回ほど行うようにしましょう。

被毛のお手入れをこまめに行う

紀州犬は被毛が多く、密集しているので、皮膚疾患にならないためにもこまめにお手入れをしてあげてください。お手入れの際、ささっとブラッシングするだけでなく、皮膚に異常がないか、しっかり確認してあげましょう。

食べ物に気を使う

皮膚疾患は、食べ物によっても発症します。そのため、紀州犬のような皮膚疾患を引き起こしやすい犬種はアレルギー検査でどんな食材に対してアレルギー反応が出やすいか調べてもらった上で、ドッグフードを選ぶ必要があります。

暑さ対策をする

紀州犬は古くから日本に土着している犬種なので、日本の気候にはなれています。そのため、屋外での飼育が可能なのですが、年々夏の暑さが厳しくなっています。いくら日本の気候になれていても、異常な暑さの中、何も対策をしないと熱中症になってしまいます。

愛犬がほとんどの時間を過ごす小屋は、風通しがよく、昼間は日陰になるような場所に設置してあげてください。

さらに、夏は飲み水をこまめにとりかえて、いつでも新鮮な水を補給できるよう管理しましょう。

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参考文献

犬の若年性白内障の2例

緑内障 <犬> | みんなのどうぶつ病気大百科

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この記事の監修者

犬の家&猫の里 編集部

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