ボクサーの寿命はどのくらい?気を付けたい病気について紹介します
ボクサーは大型犬の中でも、遺伝的に拡張型心筋症になりやすい犬種です。
しかし、特段短命な犬種ではないため、飼い主が日ごろ飼育方法に気を使ってあげることで一緒に過ごす時間を増やしてあげられるでしょう。
ここでは、そんなボクサーの病気や飼育方法で注意することについて解説します。
ボクサーの平均寿命
ボクサーの平均寿命は10~12歳とされています。大型犬全体の平均寿命も10~12歳ほどなので、平均的と言えます。
犬の年齢の換算方法は諸説ありますが、人に例えた場合、大型犬は概ね以下のような年齢だと言われています。
平均寿命が10~12歳というのは一見すると短いようにも思えますが、大型犬は成長スピードが早く、10歳になる頃には、人間でいうところの89歳を迎えます。12歳になる頃には100歳を超えているので、そこまで短命というわけでもないのです。
犬の年齢 | 人に例えた年齢 |
---|---|
1歳 | 9歳 |
2歳 | 18歳 |
3歳 | 26歳 |
4歳 | 35歳 |
5歳 | 44歳 |
6歳 | 53歳 |
7歳 | 62歳 |
8歳 | 71歳 |
9歳 | 80歳 |
10歳 | 89歳 |
11歳 | 98歳 |
12歳 | 107歳 |
13歳 | 115歳 |
14歳 | 124歳 |
15歳 | 133歳 |
16歳 | 142歳 |
ボクサーの適正体重
ボクサーの適正体重は、オスが30kg以上、メスが約25kgとされています。ただし、同じ犬種であっても個体差がありますので、この数字はあくまでも目安です。むしろ数字にとらわれすぎて、フードの量を増やしすぎたり、減らしすぎたりしてしまうと、愛犬の健康に支障が出てしまいます。
数字だけで管理するのではなく、実際に愛犬の体を触って、痩せすぎてないか、肥満気味になっていないかを確認してあげましょう。
気を付けたい病気
拡張型心筋症
拡張型心筋症は心臓の筋肉が薄くなることで、心臓の収縮機能が低下し、全身にうまく血液を送れなくなってしまう病気です。
ボクサーは遺伝的にこの病気にかかりやすいことから、別名「ボクサー心筋症」とも呼ばれています。
拡張型心筋症の症状としては、食欲低下、肺水腫、呼吸困難などがあります。
心筋症を発症した場合、心筋症自体の治療はできないため、現れている症状に対して治療が行われます。たとえば、肺水腫が見られた場合には利尿剤の投与、循環不全が確認された場合には強心剤の投与などを行います。
拡張型心筋症の発症には遺伝が関係しており、予防ができないので、好発犬種であるボクサーは必ず定期健診を受けさせるようにしましょう。
胃拡張・胃捻転
胃拡張・胃捻転は胃がガスで膨れ、ねじれてしまう病気です。ボクサー犬のように胸の深い犬種がかかりやすいとされています。
胃のねじれや拡張が進行してしまうと、胃だけではなく胃や腸につながる大きな静脈もねじれて、全身に血液が回らなくなり、ショック状態に陥ります。
治療が遅れると命を落とす危険性が高まりますので、嘔吐をしたくても吐物がでない、急にぐったりする、多量のよだれを垂らすなどの異変が見られた場合には、早急に近くの動物病院に連れていきましょう。
椎間板ヘルニア
椎間板ヘルニアは、背骨同士をつないでいる椎間板が何らかの原因で本来あるべき場所からはみだしてしまい、脊髄を圧迫してしまう病気です。
椎間板ヘルニアが起こった場所や脊髄の圧迫度合いによって症状は異なりますが、よく見られるものとしては段差の上り下りを嫌がる、四肢の麻痺によって立ち上がれない、トイレを失敗するなどがあります。
症状が軽いのであれば、痛みや麻痺を抑えるような薬を投与することで軽減されることがありますが、重度の場合は手術が必要になります。術後は足がスムーズに動かせないこともあり、リハビリが必要になることも多いので、飼い主さんがしっかり寄り添ってあげましょう。
クッシング症候群
クッシング症候群というのは、副腎から「コルチゾール」というホルモンが異常に分泌される病気です。コルチゾールは、代謝に関係するホルモンで、本来ならば非常に重要な役割を果たしてくれるのですが、分泌されすぎると体に悪影響を及ぼします。
この病気を発症すると、多飲多尿、脱毛、皮膚が黒くなる、足腰が弱くなるなどの症状が見られます。
他にも、疲れやすくなったり、元気がなくなったりするのですが、中齢以降に発症しやすいこともあり、老化に伴う変化と間違われてしまうことが多いです。
上記のような症状が見られた場合には、年齢のせいと思いこまず、一度近くの動物病院に相談してみましょう。
長生きの秘訣
室内で飼育する
ボクサーにかかわらず、犬は屋外で飼うよりも、室内で飼育したほうが長生きできると言われています。その理由としては、室内飼育であれば、気温の変化、雨風、害虫などから守ることができるからです。特にボクサーは暑さに弱く、熱中症になりやすいので、温度調節ができる室内の方が安全です。
また、意外かもしれませんが、ボクサーは甘えん坊な子が多いです。そのため、飼い主と離れた屋外でひとりにされてしまうと、寂しさからストレスを抱えてしまいます。ストレスは問題行動に発展するだけでなく、思わぬ病気を引き起こしてしまうおそれがあるので、室内で飼育したほうが長生きにつながります。
しっかり運動させる
ボクサーは運動量が多い犬種なので、運動不足になるとストレスを抱えてしまいます。
心身共に健康でいるためにも、散歩は毎日欠かさずに行いましょう。散歩は、1回60分程度の散歩を、朝夕の2回行うのが理想です。走ることが好きなので、速足やジョギングでの散歩がおすすめです。
近くにドッグランがあるのであれば、思いっきり走らせたり、ボールで一緒に遊んであげたりすると喜びますよ。
定期的に健康診断を受ける
気をつけたい病気のところで、ボクサーは遺伝的に拡張型心筋症になりやすいと紹介しました。拡張型心筋症は、場合によっては命を落としてしまう恐ろしい病気なので、心臓の検査を定期的に受けさせましょう。早期に発見し、治療を始めることで症状が軽減できたり、進行を遅らせたりすることが可能です。
老犬になったら
筋肉質でたくましい体つきをしているボクサーですが、老化してくると筋肉が徐々におちてしまうので、成犬のときのような強くたくましい印象がなくなっていきます。
また、ボクサーは体を動かすことが好きな犬種ですが、シニア期に突入すると、動きが鈍くなったり、若いときほど運動に積極的ではなくなったりすることもあります。
老犬になったらあまり散歩に連れていかない方がいいのかな?と考える人もいるかもしれませんが、散歩は筋肉の維持や体力の維持に役立つだけでなく、気分転換や日光浴ができる機会にもなるので、できれば継続してあげるべきです。シニア期に突入したからといった散歩を控えるのではなく、無理のない範囲で散歩は続けてあげるようにしましょう。
普段からチェックしておきたいポイント
耳
犬の耳というのは、外耳・中耳・内耳の3つに分かれています。外耳から鼓膜につながる部分(外耳道)はL字型になっており、犬の耳はあまり通気が良くありません。さらに、ボクサーは本来垂れ耳の犬種ですので、耳の中が蒸れやすい傾向にあります。
耳の中が蒸れると、外耳炎などの耳トラブルを引き起こしてしまうので、耳の色、ニオイ、耳垢の量や質感などは常にチェックしておきましょう。
耳掃除を頻繁に行ったり、綿棒を耳の奥まで入れたりしてしまうと、耳を傷つけてしまうおそれがあるので、ケアの仕方には注意してください。
口
唇が垂れ下がっている犬種や短頭種は、口から下顎の部分が赤く腫れたりただれたりする口唇炎になりやすいと言われています。ボクサーは短頭種かつ唇が垂れ下がっていますので、口周りに炎症が起きていないか、こまめに確認してあげてください。
口唇炎は歯垢や歯石に含まれる細菌が原因になることもあるので、予防するためには、口腔内を清潔に保つ必要があります。食事の後は歯のケアを行い、歯垢・歯石をためないようにしましょう。
皮膚
ボクサーは皮膚炎にかかりやすい犬種とされているので、体を掻いたり、なめたりしていないか、皮膚に赤みや脱毛がないか、日頃からチェックしておきましょう。
また、ボクサーは顔にしわがありますが、しわとしわの間というのは、通気が良くなく、細菌が繁殖しやすいことから、皮膚炎になりやすいです。そのため、ボクサーの場合は、体だけでなく顔の皮膚のお手入れも丁寧に行ってあげてください。
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まとめ
ボクサーは、大型犬の中でも特段寿命が短いわけではありませんが、遺伝的に拡張型心筋症になりやすいので、長生きしてもらうためにも、定期的に健康診断を受けさせましょう。
他にも、活発で体を動かすことが好きなので、心も体も健康に過ごしてもらうためには、毎日しっかり運動させるようにしましょう。
犬の家&猫の里 編集部
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