華やかな耳と愛らしい表情で知られるパピヨンを新しい家族として迎える初日は、飼い主さんにとっても大切な一日です。

ですが、この初日こそが、今後の信頼関係を築くためのスタート地点になります。

ここでは、パピヨンを迎える際の事前準備や初日の接し方、子犬・成犬それぞれに合った対応のポイント、さらには翌日以降に向けたアドバイスまで幅広くご紹介します。

お迎え前に用意しておきたいもの

パピヨンが安心して新生活をスタートするためには、前もって準備しておくことが欠かせません。

落ち着ける空間を確保する

初めての環境は、パピヨンにとっても不安なもの。静かな場所に専用のスペースを作ってあげましょう。

サークルやクレート内にベッドや毛布を入れ、周囲の音や視線を避けられるようにしておくと、気持ちが落ち着きやすくなります。

ブリーダーやペットショップからもらったにおい付きタオルがある場合は一緒に置いてあげましょう。

初日に必要になるアイテム一覧

事前にそろえておきたいグッズとしては、フードと食器、水飲み容器、トイレシーツとトレー、ケージやクレート、ベッド、
おもちゃ類、ブラッシング用の道具やタオル、移動用のキャリーバッグなどがあります。
これらは当日に慌てないよう、前日までにすべて用意しておきましょう。

初期費用の参考

パピヨンの飼育スタートにかかるおおよその費用は、登録料が約3,000円、
ケージや食器、トイレ用品などの生活用品が1万〜3万円、
ワクチンや健康診断などの医療費が1万〜3万円、キャリーやリードなどの移動用品に5,000〜15,000円、
住環境の整備に5,000〜20,000円ほどとなっており、合計で5万円〜10万円前後を想定しておくと安心です。

家族間でのルール共有も大切

パピヨンが新生活に早くなじむためにも、家族全員でお世話のルールや役割を確認しておきましょう。

たとえば、誰が食事をあげるか、どのような声のトーンで接するか、散歩やトイレのタイミング、寝る場所や時間など、家族の中で一定のルールを設けておくことで、犬にとっても混乱が少なくなります。

可能であれば初日は家族全員が在宅し、静かに見守ることをおすすめします。

室内の環境づくり

パピヨンは骨格が細く、活発な反面、ケガのリスクもあります。家の中の安全対策はしっかり行いましょう。

家具の配置と段差の配慮

ソファやベッドなど高さのある家具には、ステップやスロープを設置して飛び降りを防ぎましょう。
家具のすき間に入り込んでしまわないよう、クッションなどでふさいでおくと安心です。
滑りやすいフローリングには、滑り止めマットやラグを敷いて足腰への負担を軽減してあげましょう。

温度と湿度のコントロール

パピヨンは暑さや寒さに敏感なため、室温は20〜25℃を目安に保ち、湿度は50〜60％を意識して調整することが理想です。
夏場には熱中症対策としてエアコンや冷感マットを使い、冬はあたたかいベッドや毛布を用意して快適な環境を整えましょう。

初日にパピヨンが感じることとその対応

新しい環境は犬にとって刺激だらけです。初日のパピヨンの気持ちを理解し、ストレスを最小限に抑えましょう。

緊張のサインを見逃さない

たとえば、しっぽを下げていたり、耳を後ろに倒していたり、部屋の隅でじっとしていたりする場合は緊張している証拠です。
また、食事をとらない、水を飲まないといった行動が見られることもあります。そのようなときは無理にかまわず、そっとしておくことが大切です。

静かな環境を意識する

テレビや掃除機など大きな音は避け、照明もやわらかいものにし、声も優しいトーンで接するようにしましょう。

「構いすぎず、見守る」ことが、初日の過ごし方の基本です。

初日の接し方のコツ

ついついかわいくて抱っこしたくなったり、写真を撮りたくなったりしてしまいますが、犬にとってはそれがストレスになることもあります。
無理に接触するのではなく、犬のほうから近づいてくるのを待ちましょう。

食事やトイレなど生活の様子を観察しながら、必要なサポートだけをして、基本的には見守る姿勢を保つとよいでしょう。
ケージの中で休ませる時間もこまめに取り、体力の回復をうながします。

子犬と成犬、それぞれの対応の違い

子犬と成犬ではそれぞれ接し方に注意すべきことがあります。以下で解説します。

子犬の場合

子犬の場合は、ワクチン接種が完了するまで外出は避け、抱っこ散歩などで少しずつ外の刺激に慣れさせることが重要です。
トイレトレーニングは、失敗しても叱らず、成功したときにすぐに優しくほめることで学習をうながします。
乳歯の生え変わり時期には噛みたがることがあるため、噛んでも安全なおもちゃを与えましょう。
夜泣きがある場合も、静かに見守って安心感を与えるよう心がけてください。

成犬の場合

成犬はこれまでの生活リズムや性格が定着しているため、初めの数日は行動をよく観察し、その子に合ったペースで慣らしていくことが大切です。
食事や散歩などのルーティンはできるだけ一定に保ち、安心感を与えましょう。
無理に接触するのではなく、少しずつ信頼関係を築いていく姿勢が大切です。

猫や小さな子どもと仲良く暮らすために

猫やお子さんなど、家族と愛犬が仲良くなってくれるか心配ですよね。良好な関係作りのポイントを以下で解説します。

猫との関係づくり

パピヨンは好奇心が旺盛なため、猫に対して興味を持って近づくことがありますが、猫は繊細で静かな環境を好みます。
まずは空間を分けて、ゲート越しに様子を見せるなど、ゆっくりと距離を縮めていく方法がおすすめです。

猫には高い場所や隠れられる場所を用意して、自分のペースで動ける環境をつくってあげると、安心して過ごせるようになります。

小さなお子さまとの接し方

パピヨンはフレンドリーな性格ですが、急な動きや大きな声に敏感に反応することがあります。
小さなお子さまがいる場合は、「優しく触れる」「追いかけない」など基本的な接し方を教えておきましょう。
一緒に遊ぶときは大人が必ずそばで見守り、犬が疲れたときに休めるスペースを確保しておくことが大切です。

初日以降の接し方のポイント

生活のリズムを一定に保つことが、犬にとって大きな安心につながります。
食事やトイレの時間、声のかけ方などをできるだけ統一し、安定した生活を心がけましょう。

数日間は外出を控えめにし、犬の様子をしっかり観察できるように時間のゆとりを持たせておくと良いでしょう。
病院やトリミングなどの予定も、環境に慣れてから行くことで負担を減らせます。

まとめ

パピヨンとの新生活は、初日から始まります。準備をしっかり整え、犬が安心できる居場所を確保し、無理に構わず静かに見守ることで、良い関係のスタートが切れるはずです。

子犬・成犬どちらの場合でも、共通して大切なのは「安心できる環境づくり」と「優しく見守る姿勢」です。
焦らず少しずつ信頼関係を築いていき、パピヨンとの心温まる毎日を育んでいきましょう。