ワイマラナーの性格や特徴は?飼い方やしつけ方について紹介します
ワイマラナーは日本での飼育頭数が少なく、また、運動量の多さを理由に苦戦することも覚悟したうえで飼育する必要があります。
しかし、見た目の美しさに加え、賢く甘えん坊な一面も持っているため、世界では人気のある犬種です。
ここでは、そんなワイマラナーの特徴や飼育するうえでの注意点などを解説します。
ワイマラナーの特徴
歴史
ワイマラナーの起源については詳細な記録が残っていないため、さまざまな説が存在しています。その中でも特に有力とされているのが、ワイマール地方のカール・アウグスト大公の犬舎で誕生したという説です。
リアム・ハウンド(昔のブラッド・ハウンド)やジャーマン・ポインターといった猟犬と交配を続けることで、シカやクマと言った大型の動物だけでなく、ウサギやリスなどの小型動物もハントできる万能な狩猟犬として作出されました。
ワイマラナーの繁殖は、ドイツに設立されたワイマラナークラブという貴族のみが会員になれる団体に厳重に管理されており、犬種の情報すら外部に提供されなかったことから、伝説の猟犬と言われていたようです。
大きさ・体重
ワイマラナーは大型犬としてはやや小柄ですが、骨格はしっかりしており、四肢には引き締まった筋肉がついていて、均整のとれた体つきをしています。
体高 | オス:59~70㎝(理想体高62~67㎝) |
---|---|
体重 | オス:30~40kg |
被毛・毛の色
ワイマラナーの被毛は、ベルベット生地を彷彿とさせるような滑らかな触り心地と光沢が特徴的です。
短毛がポピュラーではありますが、中には長毛の個体もいます。
毛色はシルバー、ノロジカ色(やや赤みがかったグレー)・マウスグレーに加え、これらの色のシェード(1本の被毛に色の濃淡がある)が認められています。
胸や指にあるわずかな白斑は許容されますが、それ以外の班は認められていません。
平均寿命
ワイマラナーの平均寿命は10~13歳ほどで、大型犬としては平均的と言えます。
犬の成長期の長さというのは、体の大きさによって異なり、小型犬はだいたい8~10か月齢までですが、大型犬の場合は15~18か月齢までとされています。
生後2か月までは成長速度が早く、体重がかなり増え、骨を構成する組織が発達します。2か月以降は成長速度が緩やかになりますので、体重の増え方もゆっくりになり、少しずつ筋肉が発達してきます。
体臭
ワイマラナーは体臭がやや強いと言われることがあります。犬は人間と違って、全身にアポクリン腺があるため、体臭が強くなりやすいです。
犬の体臭を軽減するためには、こまめなブラッシングや定期的なシャンプーはもちろんですが、腸内のバランスを整えるために、消化の良いフードや脂質が多すぎないフードに切り替えると言った方法も有効です。
ワイマラナーの性格
もともと人間と一緒に狩りをしていた犬種ですので、飼い主に対して忠誠心が強いです。飼い主やその家族に対しては愛情深く接してくれますが、警戒心が強いところもあるため、初対面の人に対しては、距離置いて接することもあります。
ワイマラナーはとても賢いので、無駄吠えは比較的少ないです。ただ、繊細な子が多いので、長時間留守番をさせてしまうと、寂しさから吠えてしまうことがあります。
ワイマラナーの飼い方
食事
食事は、基本的にパッケージに記載された給餌量を参考に与えます。
食事の与え方についてですが、子犬の頃は一度にたくさん食べることができないので、3~4回に分けて与えてください。食いつきが悪い場合は、ドライフードをお湯でふやかしてあげましょう。ふやかすことによって香りがたちやすく、さらに消化もしやすくなります。
子犬から成犬になったら、食事は2~3回に分けて与えてください。成犬になれば消化器官が発達するので、1回の食事でたくさんの量を食べることができます。
しかし、ワイマラナーをはじめとした大型犬は胃捻転になりやすいので、一度にたくさんの食事を与えるのは危険です。早食い・大食いは胃捻転を引き起こす原因になりますので、静かな環境で少しずつ食事を与えることを意識しましょう。
運動
ワイマラナーは猟犬として活躍していた犬種ですから、運動量が多いです。しっかり運動欲求を満たしてあげるためには、朝夕1時間ずつの散歩が欠かせません。とにかく体を動かすことが大好きなので、できれば定期的にドッグランに連れていき、思いっきり走らせてあげるようにしましょう。広い公園などが近所にあるのであれば、ボールやフリスビーを投げて取ってこさせるような狩猟本能を刺激する遊びもおすすめです。
しつけ
ワイマラナーはかなり力が強いので、しっかりしつけを行っておかないと、いざ散歩に連れていったときに制御できないことがあります。賢く訓練性の高い犬種ではありますが、成犬になってからのしつけは難しいため、子犬の頃からしつけをスタートさせましょう。
犬のしつけは、ほめて伸ばすということが重要です。教えたことができたときに、たくさんスキンシップをとってあげたり、「えらいね」と笑顔で声をかけてあげたりすると、愛犬のモチベーションが上がるだけでなく、信頼関係を築くことにもつながりますので、よりしつけがスムーズに進みます。
トイレトレーニングと言った基本的なしつけも大切ですが、大型犬の場合は他人や他の犬をケガさせないよう、「待て」「伏せ」などの行動をコントールできるコマンドを教えることや、家族以外の人とも触れ合う機会を設ける「社会化トレーニング」も重要であることを覚えておきましょう。
ワイマラナーの気を付けたい病気
胃拡張・胃捻転
胃がガスで膨れ、ねじれてしまう病気です。重度の場合は発症から数時間で死亡するケースもある非常に恐ろしい病気です。早食い、大食い、水のガブ飲み、食後すぐに運動をするなどの行為が引き金になってしまうこともあるとされています。
白内障
目の中の水晶体が白くにごり、視力が低下してしまう病気です。症状が進行すると最悪の場合失明してしまうおそれもあります。
眼瞼内反症
眼瞼とはまぶたのことで、まぶたが内側にめくれている状態を眼瞼内反症と言います。眼瞼内反症になると目を刺激してしまうため、角膜炎や結膜炎を引き起こしやすくなります。
股関節形成不全
股関節が発育の段階で形態的な異常を起こしてしまう病気で、ワイマラナーのような大型犬に特に多いです。
肥満細胞腫
肥満細胞腫というのは、皮膚や皮下に多く見られる悪性の腫瘍です。悪性度が低い場合は手術で簡単に治りますが、悪性度が高い場合には急激に進行し、完治が難しいこともあります。
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ワイマラナーを飼う上での注意点
屋外で飼育しない
ワイマラナーは飼い主と常に一緒にいることを好みます。愛情不足になるとストレスから問題行動に発展することもあるので、屋外での飼育はおすすめできません。
また、ワイマラナーは皮下脂肪が少なく、毛も短いので寒さに弱い犬種です。快適に生活させてあげるためにも、室温が調整できる室内で飼育するようにしましょう。
関節に負担をかけない
気をつけたい病気の部分でも紹介した通り、ワイマラナーは股関節形成不全になりやすいです。そのため、滑りやすいフローリングにはラグを敷くなど、関節に負担をかけないような環境を整えてあげましょう。
長時間留守番をさせない
飼い主さんのことが大好きなワイマラナーは、あまり留守番が得意ではありません。長時間留守番させることが多いと、場合によっては分離不安症(愛着を持っている人・ものから離れたときに強い不安を抱いてしまう病気)になってしまうことがあります。
基本的に家にひとりぼっちという状況は作らない方が良いですが、どうしても留守番させる必要があるのであれば、子犬のうちから少しずつ練習しておきましょう。
ワイマラナーのお手入れ方法
ブラッシング
ワイマラナーは短毛の子がほとんどなので、ブラッシングはそこまで手間がかかりません。皮膚を傷つける恐れのないラバーブラシで、週に2~3回を目安にブラッシングしてあげましょう。ラバーブラシで抜け毛を除去した後に、獣毛ブラシで優しくブラッシングすると、ツヤが出て、きれいに仕上げることができるのでおすすめです。
シャンプー
ワイマラナーは毛が短いので、水に濡らして硬くしぼったタオルで体を拭くだけでも被毛の汚れを落とすことができます。しかし、皮脂汚れがたまるとニオイの原因にもなってしまうので、月に1回くらいの頻度でシャンプーをしてあげましょう。
まとめ
まだまだ日本での飼育頭数は少ないワイマラナーですが、その美しい見た目と賢く甘えん坊な性格から、世界では非常に人気の犬種です。
忠誠心が高いことから、しっかりと信頼関係が築ければ良きパートナーとなってくれますが、とにかく運動量が多いので、しっかり運動の時間を確保できる方向けの犬種であることを覚えておきましょう。
犬の家&猫の里 編集部
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