小型で華やかな見た目が印象的なパピヨンは、賢く、飼い主さんへの愛情が深いことで知られています。

しかしその一方で、繊細さや興奮しやすい面も持ち合わせており、しつけがうまくいかずに悩む飼い主さんも少なくありません。

この記事では、パピヨンに多く見られる行動上の問題や、それに対する対処法、しつけ教室やドッグトレーナーの活用方法と費用の目安についてご紹介します。

パピヨンに多い行動の悩みとは？

パピヨンは頭の回転が速く、人の様子をよく観察している犬です。

そのため、甘やかすとすぐにわがままになってしまったり、自己主張が強くなってしまうこともあります。

特に以下のような行動に困っている飼い主さんが多く見られます。

来客時や物音への過剰な吠え

玄関チャイムや外の音に敏感に反応し、大きな声で吠えてしまうことがあります。警戒心からくる行動ですが、毎回続くと飼い主さんも対応に苦労します。

外出時の後追いや不安行動

飼い主さんの姿が見えなくなると落ち着かず、不安そうに鳴いたり、そわそわしたりする様子が見られます。留守番中に問題行動へつながることもあります。

手や足への甘噛み

遊びの延長で人の手や足に口を当てることがあります。可愛らしく感じる場面もありますが、放っておくと噛む力が強くなったり、エスカレートすることもあります。

お留守番時の遠吠えや破壊行動

一人になると強い不安から家具をかじったり、ずっと吠え続けることがあります。近隣への影響やケガのリスクもあるため、早めの対応が必要です。

抱っこを嫌がる、体を触らせない

もともと触れ合いが好きな子が多いパピヨンですが、抱かれるのが苦手な子や、足先や耳などを触られることに抵抗を示す子もいます。

健康チェックや日常ケアのためにも慣らしておきたい行動です。

パピヨンのしつけに向いている方法とは？

パピヨンは、強い口調や力での指導にはストレスを感じやすいタイプです。

怒ったり叱ったりするよりも、ほめて伸ばすことが基本となります。具体的には、次のような方法が効果的です。

好ましい行動ができたときにすぐに声をかける

「いい子だね」と明るく声をかけるだけでも、犬は自信を持てるようになります。タイミングよくほめることで、次第にその行動が定着します。

わかりやすい合図（手や声）を使って指示する

「おすわり」や「まて」などの言葉を決め、手の動きと一緒に教えると覚えやすくなります。一貫した合図がポイントです。

短い時間の練習をこまめに行う

集中力が続きにくい犬もいるため、1回のトレーニングを5分〜10分に区切って、毎日少しずつ取り組むことが効果的です。

飼い主さんが落ち着いた態度で接する

犬は人の表情や声の調子に敏感です。焦ったり怒ったりせず、穏やかな対応を心がけると安心して指示を聞いてくれます。

しつけ教室の内容と料金の目安

はじめてのしつけには、パピヨンのように社交的な犬が他の犬と関われるグループレッスンがおすすめです。

教室では、基本的な合図の練習や、他の犬との接し方、日常生活でのマナーを段階的に学んでいきます。

料金は1回あたり3,000円〜5,000円程度が目安で、週に1回のレッスンを2～3か月続けると、基本的な行動が自然に身についていくことが多いでしょう。

課題のある子には、先生と1対1で対応する個別レッスンもあります。

こちらは1回5,000円〜10,000円程度で、性格や環境に合わせたきめ細かい指導が受けられます。

自宅で受けられる訪問トレーニングとは？

パピヨンのように家族とのつながりが深く、日常生活の中で起こる行動に悩むケースでは、自宅に来てもらえるトレーニングが有効です。

特に、おうちでの無駄吠えやトイレの失敗、飛びつきなど、家の中で起こる行動は、現場を見ながら対応するほうが解決しやすいと言われています。

訪問タイプのトレーナーは、パピヨンの性格や環境に合わせて具体的な対応策を提案してくれるので、飼い主さんにとっても学びの多い時間になります。

料金の目安としては、1回あたり8,000円〜15,000円前後です。
時間は60分〜90分程度で、飼い主さんと一緒に実践しながら進めるスタイルが一般的です。

特に、吠える理由や不安の原因が見えにくい場合によいでしょう。

施設に預けるタイプのしつけ方法もある

忙しくて毎日しつけに時間をかけるのが難しい方や、行動の修正を短期間で進めたいと考えている方には、一定期間犬を預けて学ばせる合宿形式のトレーニングもおすすめです。

こうしたプログラムでは、専門の施設に通いながら、スタッフと一緒に集中的に練習を重ねていきます。

内容としては、基本的なしつけに加え、吠え癖や分離不安など、日常的な困りごとにもアプローチしてくれます。

料金は施設やコースによって異なりますが、1か月あたりおよそ10万円〜30万円程度が目安です。

費用は高めですが、生活リズムごとトレーニングされるため、比較的早く成果が出やすいでしょう。

ただし、施設の環境は家庭とは異なるため、帰宅後に元の環境へうまく慣らしていくことも大切です。

合宿で学んだことを日常に取り入れるためには、飼い主さん自身の継続的なサポートが必要になります。

教室やトレーナーを選ぶときのポイント

しつけの方法が合うかどうかは、パピヨンのように繊細なタイプにとってとても重要です。

教室やトレーナーを選ぶときは、まず「怒らないしつけ」をベースにしているかどうかを確認しましょう。

罰を与えるような方法は、かえって問題行動を悪化させることもあるため注意が必要です。

また、説明がわかりやすく、飼い主さんの疑問や不安にも丁寧に応えてくれる人を選ぶこともポイントです。

最近では体験レッスンを行っているところも多いので、実際に見学や参加をしてから決めると安心できます。

さらに、犬だけでなく飼い主さんにも学びがある教室かどうかも確認しましょう。

日々の接し方を変えるだけで、パピヨンの行動が自然と落ち着いてくることも多いため、一緒に学んでいける環境が望ましいです。

まとめ

パピヨンは愛嬌があり、とても賢い犬種ですが、その分「どう接するか」で行動が変わりやすい一面もあります。

問題行動は成長とともに自然に落ち着くこともありますが、早いうちに正しい接し方を学ぶことで、ストレスなく共に暮らしていくことができます。

しつけ教室やトレーナーをうまく活用することで、飼い主さんも愛犬もお互いに安心して過ごせるようになります。

もし悩みがあれば、一人で抱えずに、プロの手を借りることも検討してみてください。