ソマリの歴史

ソマリのルーツは長毛のアビシニアンだとされています。アビシニアンの交配を行っていくうえで長毛タイプの個体が生まれることがあったのですが、最初は特に注目されることもありませんでした。しかし、1960年代にキャットショーに長毛タイプのアビシニアンを参加させたところ審査員の目にとまり、毛の長い猫種と交配させることで繁殖がスタートしました。
当初は長毛のアビシニアンにすぎないという理由から猫種としての登録を見送られましたが、1972年にはCFAによって正式な猫種として認められました。

特徴

体の大きさ、体型、見た目

ソマリはフォーリンというボディタイプで、スレンダーでありながらも筋肉質で無駄のない体型をしています。
小さめの頭にはピンっと立った大きな耳がついており、しっぽはふさふさとしていてまるでキツネのようです。野性味あふれる見た目をしていますが、しなやかな身のこなしからは優雅さも感じられます。

毛色、毛質

毛色はルディー、レッド、ブルー、フォーンの4種類が認められています。ソマリの毛はティッキングといって1本の毛に濃い色と薄い色が交互に入っているので、光の加減で色味が変わって見えるのが大きな特徴と言えます。

ソマリは長毛ではありますが、ペルシャなどに比べるとやや短く、セミロングと言った感じです。毛は密に生えており、シルクのような手触りをしています。

目の色

目の色はアビシニアンと同じくグリーンやゴールドなどがあり、登録団体によってはカッパーやヘーゼルなども認められています。

性格

好奇心が強く、活発でとても甘えん坊な性格をしています。人と触れ合うことが好きなので、ソマリの方から積極的にコミュニケーションを取りたがります。一方で、警戒心が強いので、飼い主さん以外の人と接するのは苦手な傾向にあります。
神経質な子が多く環境が大きく変わってしまったり、うるさい場所に身を置いたりするとストレスになってしまうので注意が必要です。

ソマリの飼い方

飼育環境

量も多いので、運動できるスペースが確保されていないとストレスがたまってしまい、イタズラに発展してしまうことがあります。高いところに登ることが好きなので、可能であればキャットタワーを用意してあげてください。
また、フワフワな毛に覆われているので一見すると寒さに強そうですが、意外にも寒いのは苦手です。気温が下がる秋冬は、ベッドに毛布を入れてあげたり、暖房で室温が下がりすぎないように配慮してあげましょう。

食事

ソマリは食欲旺盛な子が多いので、太りやすい傾向にあります。そのため、スレンダーな体型を維持するためには、目分量ではなく、しっかりと適正量を守って食事を与えることが重要です。
市販のフードを選ぶ際は、消化が良く、質の良い素材が使われていることはもちろんですが、筋肉量を維持するためにも高タンパクなものがおすすめです。

お手入れ

毛の長さはセミロングなので、ロングヘアの猫種と比べると毛玉やもつれはできにくく、お手入れ自体はそこまで大変ではありません。ただし、オーバーコートとアンダーコートの2種類の毛が生えたダブルコートなので抜け毛が多く、毎日のブラッシングは欠かせません。ブラッシングをするときは、まずピンブラシなどを使ってもつれなどを軽く取ってから、コームを使って丁寧に毛並みを整えてあげてください。
シャンプーに関しては頻度が多いと逆に皮膚トラブルにつながってしまうので、月に1回程度で十分です。

しつけ

ソマリは飼い主に忠実かつ非常に賢いので、初めて猫を飼う方でもしつけに手をやくということはあまりないでしょう。
猫のしつけで特に重要なトイレと爪とぎの場所は早めに教えるようにしてください。正しい場所でトイレや爪とぎができたときには、ほめることを忘れないでくださいね。

気をつけたい病気

ソマリの祖先はアビシニアンであることから、発症しやすい病気もアビシニアンとよく似ています。代表的なものとしては「重力筋無力症」などがあります。
重力筋無力症は神経からの信号がうまく筋肉に伝わらないために、骨格筋をうまく収縮させることができなくなる病気です。発症すると疲れやすくぐったりとしてしまい、重症化すると呼吸をするのもやっとな状態に陥ってしまいます。この病気は、猫での発症数は非常に少ないのですが、ソマリとアビシニアンに関してはかなり発症リスクが高いとされています。