グレートデーンの性格や特徴は?飼い方やしつけ方について紹介します!
グレートデーンは、見た目に反し性格は優しく寂しがり屋といった一面も持っている犬種です。
しかし、大きく体ゆえに力も強いため、他の犬種以上に飼育は慎重に検討するべきでしょう。
ここでは、そんなグレートデーンの特徴や飼育方法について解説します。
グレートデーンの特徴
歴史
グレートデーンはドイツ原産の犬種です。世界的には、「Great Dane(=大きなデンマークの犬)」という呼び方が一般的ですが、原産国ドイツでは「ドイチェン・ドッゲ(ドイツの犬)」と呼ばれています。
グレートデーンの歴史は古く、17世紀ころにはその存在が確認されていたようです。
グレートデーンはマスティフにグレーハウンドやアイリッシュ・ウルフハウンドなどを交配させ、作出されたと言われています。
大きさ・体重
超大型犬に分類されるグレートデーンは、筋肉質で、首と四肢が長く、バランスの取れた体型をしています。アイリッシュ・ウルフハウンドに次いで体高がある犬種とされており、以前は体高が1m以上もあるグレートデーンがギネス世界記録に登録されていたようです。
体重 | オス:54kg以上 |
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体高 | オス:80㎝以上 |
被毛・毛の色
被毛は、体のラインがはっきりわかるほど短いです。毛色はフォーン、ブリンドル、ハールクイン、ブラック、ブルーが認められています。
繁殖においては、フォーンとブリンドル、ハールクインとブラック、ブルーはブルーのみと3つのグループに分けて行われます。
平均寿命
グレートデーンの平均寿命は7~10年とやや短命です。
犬の寿命の長さというのは、体の大きさに比例します。小型犬の平均寿命が12~15歳なのに対し、大型犬の平均寿命は10~12歳とされています。中でもグレートデーンはとりわけ体が大きいですから、平均寿命が少し短いようです。
体臭
グレートデーンはそこまで体臭が強い犬種ではありませんが、断耳をしていないグレートデーン耳の中が蒸れやすく、ニオイが生じやすいです。また、口が大きいグレートデーンはよだれの量が多いです。よだれをふき取らず、そのままにしておくと、ニオイの原因になってしまいます。
グレートデーンのニオイ対策として、シャンプーだけではなく、耳掃除や歯磨きといったケアもしっかり行うようにしましょう。
断耳・耳立て
グレートデーンは本来垂れ耳ですが、アメリカなど国によっては断耳・耳立てを行います。断耳というのは、もともと狩猟犬が外的と戦ったときに、耳を噛みつかれて致命傷を負わないように、耳を小さくカットするものです。
しかし、今ではそういった目的はなくなり、ただただ犬種標準に合わせたり、見た目を美しくしたりするために行われています。
実用的な目的がなくなった以上、人間の都合で断耳は行うべきではない、むしろ動物虐待にあたるとして、ヨーロッパを中心に断耳は禁止されています。
日本においては、特に断耳を禁止してはいませんが、動物愛護の観点から美容目的の断耳を断る病院も多いようです。
グレートデーンの性格
体が大きく、少し怖い印象も受けますが、「優しい巨人」と称されるほど性格は穏やかで、家族はもちろん他の人や犬に対しても優しく接してくれます。
忍耐強い部分があるので、あまり吠えることはなく、比較的静かな犬種です。
たくましそうに見えて実は寂しがり屋なので、たくさんスキンシップをとってあげると喜びますよ。
グレートデーンは狂暴で危険?
グレートデーンは特定危険犬種に指定されていることが多いです。特定危険犬種と言うのは、人や他の動物に危害を加える恐れがあることから、法律や条例によって飼育を制限もしくは禁止されている犬種を指します。
特定危険犬種は自治体によって指定されている犬種が異なりますが、グレートデーンはどの自治体でも高い確率で特定危険犬種に指定されています。
先ほども紹介した通り、グレートデーンは基本的には穏やかな性格をしているのですが、わがままに育ったり、ストレスをため込んだりしてしまうと、場合によっては攻撃的になってしまうこともあります。
グレートデーンのような超大型犬は非常に力が強く、力いっぱい引っ張られたら、成人男性であっても、制御は難しくなります。行動がコントロールできないと、人に危害を加えてしまうこともあります。
現に日本でも、グレートデーンに襲われて、人が死亡してしまったり、犬がかみ殺されたりする事件があったため、頑丈な檻で飼育することなどが義務付けられています。
上記のような痛ましい事故を防ぐためにも、しっかりとしつけを行い、自治体で定められた方法で飼育を行うよう心がけてください。
グレートデーンの飼い方
食事
グレートデーンの食事の与え方や食後の過ごし方には、いくつか注意したいポイントがあります。
一つ目は「少しずつ食べさせる」、二つ目は「食後にしっかり休ませる」、三つめは「早食いさせない」です。
この後の気をつけたい病気の部分でも紹介しますが、グレートデーンは胃拡張・胃捻転という病気になりやすいので、1日に必要な食事量を2~3回にわけて与えたり、早食い防止の食器を使ったりしましょう。
なお、多頭飼いをしている場合、他の犬に自分のエサを取られまいと早食いになってしまうことがあるので、食事の場所は分けるようにしてください。
早食い、大食いに加え、食後すぐに運動することも胃捻転の原因になりますので、食後は遊びや散歩に誘わず、落ちついて過ごすようにしましょう。
運動
グレートデーンは運動量がかなり多いので、1時間以上の散歩を朝夕1回ずつ行ってください。
運動量が足りないと、肥満気味になるだけでなく、ストレスを抱えてしまうので注意が必要です。
たまには大型犬用のドッグランで運動させてあげると良い気分転換になります。ただし、激しい運動は関節に負担がかかってしまうので、控えてください。
しつけ
力の強いグレートデーンの行動を制御するためにも、しつけは非常に重要です。特に「待て」や「伏せ」といったコマンドは早めに覚えさせるようにしましょう。
グレートデーンは訓練性が高く、飼い主に従順なので、信頼関係を築ければしつけは比較的スムーズです。ただ、しつけがうまくいかないと、場合によっては他の人をケガさせてしまうおそれもあるので、自分の力だけではしつけが難しいと感じたら、早めにプロに相談してみましょう。
グレートデーンの気を付けたい病気
胃拡張・胃捻転
胃がガスで膨れ、ねじれてしまう病気です。重度の場合は発症から数時間で死亡するケースもある非常に恐ろしい病気です。
早食い、大食い、水のガブ飲み、食後すぐに運動をするなどの行為が引き金になってしまうこともあるとされています。
骨肉腫
骨肉腫は骨のガンです。骨のガンは、大きく分けると「他の場所から骨に転移したガン」と「骨から発生したガン」の2種類があります。
骨肉腫に関しては、骨から発生したガンです。
多くは四肢に発生するため、四肢に痛みを伴ったり、四肢の骨がもろくなったりします。
拡張型心筋症
拡張型心筋症は心臓の筋肉が薄くなることで、心臓の収縮機能が低下し、全身にうまく血液を送れなくなってしまう病気です。
犬がかかる心筋症のうち、この拡張型心筋症が大部分を占めるとされています。
初期の段階ではほとんど症状が見られませんが、重症化すると突然死してしまうこともあるので、非常に注意が必要です。
アジソン病(副腎皮質機能低下症)
アジソン病は、副腎皮質ホルモンの分泌が低下することにより、食欲不振や嘔吐、下痢、多飲多尿などさまざまな症状を引き起こす病気です。アジソン病の厄介な点として、病気特有の症状がありません。
食欲不振、嘔吐、下痢など別の病気でも見られる症状がほとんどなので、見逃されやすい病気といわれています。
関連記事:グレートデーンの寿命はどのくらい?気を付けたい病気について紹介します
グレートデーンを飼う上での注意点
関節に負担をかけないようにする
グレートデーンのような超大型犬は、少し滑っただけでも関節に大きな負担がかかってしまうので、室内の滑りやすい場所には、ラグを敷いてあげてください。
高いところからの飛び降りも関節への負担が大きいので、ベッドやソファ、車などから降りるときにはスロープをつけてあげると安全です。
室温を調整する
グレートデーンは暑さと寒さどちらにも弱いため、一年を通して室温を調整してあげる必要があります。犬にとっての適温は21~25℃とされています。月齢や犬種によって適温は異なりますので、21~25℃に設定してみて、愛犬が寒がっていたり暑がっていたりしないか様子を見ながら調節しましょう。
また、湿度によっても体感温度は異なりますので、50~60%くらいに保つようにしましょう。
頑丈なケージやサークルを用意する
グレートデーンは力が強いので、室内用のケージやサークルを用意する場合は、簡易的なものではなく、すぐに壊れてしまわないような、頑丈なものを選ぶようにしましょう。
グレートデーンのお手入れ方法
ブラッシング
短毛かつシングルコートなので、抜け毛はそこまで多くないのですが、どうしても体が大きいので、同じ短毛でシングルコートの小型犬や中型犬に比べると、抜け毛は多いです。
ブラッシングは週に1~2回を目安に行います。短毛種のブラッシングには、ラバーブラシや獣毛ブラシなど皮膚を傷つける心配がないブラシがおすすめです。
体の隅々までブラッシングするとなると時間がかかりますが、その分、マッサージ効果や皮膚の通気をよくする効果が期待できるなど、愛犬にとってはメリットがありますので、ぜひ丁寧にブラッシングしてあげてください。
シャンプー
シャンプーは1~2か月に1回を目安に行います。超大型犬を自宅でシャンプーするのはちょっと…ということであれば、超大型犬も扱ってくれるサロンでお願いするのも一つの手です。
まとめ
グレートデーンは大きくたくましい見た目をしていますが、実は優しくて寂しがり屋などギャップがある犬種です。たくさん魅力がある犬種ではあるのですが、体が大きく力が強いので、他の犬種以上に、飼育は慎重に検討すべきです。
飼育費用や飼育環境がしっかり準備できるかはもちろんですが、超大型犬をしつけることができるのかもよく考えるようにしましょう。
犬の家&猫の里 編集部
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