コーギーのしっぽを切る理由は?しっぽありのコーギーもいる?
販売中のコーギー
コーギーといえば、モフモフした可愛いおしりにちょこんと控えめに生えているしっぽが特徴的ですよね。
しかし、コーギーはもともとしっぽが短いわけではないってご存知でしたか。
コーギーについて
コーギーは、原産地であるイギリスで牧畜犬として飼育されていた歴史があります。牧畜犬とは、人間に代わって家畜の誘導や見張りなどを行う犬のことです。
コーギーは、ヒーラー(かかと狙い)と呼ばれており、かかとに噛みつきながら自分よりもずっと体の大きい牛や羊などを追い込みます。
実はコーギーには「ウェルシュ・コーギー・ペンブローク」と「ウェルシュ・コーギー・カーディガン」という2つの種類が存在します。
ただ、ジャパンケネルクラブ(JKC)が発表している犬種別犬籍登録頭数(2017年1月~12月)によると、ペンブロークは5283頭なのに対し、カーディガンは56頭と圧倒的な差があります。
そのため、日本で見かけることができるのは、ほとんどがペンブロークです。
しっぽを切る理由
そんなコーギーも、もともとは長いしっぽの持ち主です。しかし、実は人工的に短く切られているのです。
いったいなぜ、切る必要があるのでしょうか。
牧畜犬として働くため
切る理由の一つは、先ほど紹介した牧畜犬として飼育されていたことが大きく関係します。
しっぽが長いと追い込み作業中に牛などに踏まれてしまう可能性があります。しっぽを踏まれることで身動きが取れなくなったり、怪我をするリスクを減らすためにも、生後間もなく断尾されていたようです。
節税のため
原産国であるイギリスでは、しっぽのついた犬に税金がかけられていた時期がありました。そのため、節税する目的でコーギーに限らずさまざまな犬が断尾の対象になっていたようです。ちなみにこの税制度は現在はありません。
狂犬病を防ぐため
昔のヨーロッパでは、しっぽを切ることで狂犬病にかからない、さらに背中の筋力が強くなり、瞬発力が上がるとされていました。これらはあくまで信じられていただけで、しっかりと根拠があるわけではありません。
今でも断尾が残るのはなぜ?
税制度は廃止され、牧畜犬ではなくペットとして飼われている今もなお、断尾の習慣は残っています。
その証拠に、ペットショップで見かけるコーギーはすべてしっぽが短くなっていますよね。これはスタンダードに合わせるためなのです。
スタンダードとは、犬種標準ともいわれ、各犬種の理想像を文章で書き表したものです。一般社団法人ジャパンケネルクラブ(JKC)によって定められています。
スタンダードでは被毛や毛色、サイズなどなど各犬種理想的な基準が細かく決められているのですが、コーギーのしっぽについては、「断尾または5.1㎝まで」となっています。
皆さんが良く耳にする血統書は「この犬はスタンダードを満たしていますよ」という証明です。つまり、理想的な美しい姿であればあるほど、ペットショップでの売れ行きも良くなるので、今でも断尾は行われているのです。
断尾による問題点
持って生まれたしっぽが人工的に排除されるわけですから、もちろんノーリスクではありません。断尾による問題点として下記のようなものが考えられます。
- ・体のバランスが取りにくい
- ・意思の疎通や感情表現ができない
- ・傷口からの感染症を引き起こす
しっぽありのコーギーもいる!?
コーギーの中には、断尾されていない、長いしっぽが生えている子もいます。
そもそも、断尾に対しての対応は国によってさまざまです。原産国であるイギリスでは、断尾を禁止する法律が施行されています。しかし、アメリカでは断尾は禁止されていません。
肝心な日本においては任意となっています。そのため、しっぽを切るなんてかわいそう…と思う方も多く、ブリーダーさんから譲り受けたコーギーのしっぽをそのままにしておく方もいます。
また、コーギーの特徴のところでも少し触れましたが、コーギーには2種類います。日本でよく見るペンブロークについてはスタンダードでしっぽの長さが決められていましたが、もう1種類のカーディガンについては長さの決まりがありません。そのため、断尾していない子も多くいます。
まとめ
ペットショップで見るコーギーたちは、すでに断尾が行われている状態なので、コーギーにフサフサとした長いしっぽが生えるということ自体知らない方も多いと思います。
ただ、中には立派なしっぽをもった子もいます。その場合、あえてしっぽを残しているペンブロークか、あるいはスタンダードで特にしっぽの長さについて規定がないカーディガンということになります。
犬の家&猫の里 編集部
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