犬の被毛について

犬の被毛には「アンダーコート」と「オーバーコート」の2種類があります。アンダーコートというのは、皮膚に密着するように生えている柔らかな毛で、保温と皮膚を保湿する役割があります。
もう一つのオーバーコートは、太くしっかりとした毛で、皮膚を保護する役割があります。

このアンダーコートとオーバーコートの両方が生えている犬種はダブルコートと呼ばれます。対して、オーバーコートしか生えていない犬種はシングルコートといいます。

イタリアングレーハウンドは抜け毛が多い？

抜け毛の量については、ダブルコートなのかシングルコートなのか、毛が短いのか長いのかで変わってきます。
一般的に、ダブルコートの犬種のほうが抜け毛は多いと言われています。アンダーコートは寒さが厳しくなる冬に向けて増えていき、逆に暑さが厳しくなる夏に向けては減っていきます。季節によって増減させることで体温を調節するのですが、特に春は冬用にたくわえた毛がごそっと抜け落ちてしまうため、抜け毛の量が多くなる傾向にあります。

その点、シングルコートはアンダーコートがないので抜け毛が比較的少ないです。ただ、シングルコートでも毛の短い短毛種となると、注意が必要です。
犬の毛も人間と同様に一定のサイクルで発毛と脱毛を繰り返しています。成長期にはどんどん毛が伸び、退行期に入ると成長が止まって伸びなくなります。その後休止期に入ると新しい毛が生え始めるので、古い毛は抜けていきます。長毛種は成長期が長いのでなかなか抜けずに伸び続けますが、短毛種はサイクルが早く、すぐに生え変わります。その結果、短毛種は抜け毛が多くなるのです。

イタリアングレーハウンドはシングルコートですが、短毛種なので短くてチクチクした抜け毛が家中に散らばってしまい、苦労している飼い主さんが多いようです。

有効な抜け毛対策は？

イタリアングレーハウンドの抜け毛は家具や衣服などに刺さってしまうと除去するのが大変なので、ソファカバーを滑りの良い布に変えたり、カーペットを毛足の短いもの変えたりすると、毛が付きにくくなります。

衣類に関しては、ハンガーにつるして洋服カバーをかけておくと、毛がついてしまうことをある程度防ぐことができます。少し毛がついてしまっても、目立ちにくいような色の服にするというのも一つの手です。

お手入れ方法

ブラッシングやシャンプーなど、日々のお手入れは皮膚を清潔に保つために必要不可欠です。愛犬の体から抜け落ちる毛を減らすという意味では抜け毛対策にもなりますよ。

ブラッシング

短毛種のブラッシングは比較的簡単で、長毛種のように数種類のブラシを用意して、時間をかけて行う必要がありません。

イタリアングレーハウンドの場合、週に１～２回散歩から帰ってきたらブラッシングしてあげるようにしましょう。使用するブラシはラバーブラシか獣毛ブラシ。ラバーブラシは短毛種でも皮膚を傷めないように柔らかなゴムやシリコンでできているものです。血行促進などの効果もありますが、力加減がやや難しいという面もあるので、初心者の方はイノシシなど動物の毛から作られた獣毛ブラシがおすすめです。毛が柔らかく、愛犬に負担をかけることなくブラッシングすることができます。毛にツヤを出す効果がありますが、除去できる毛の量がそこまで多くないので、時間がかかってしまうというデメリットがあります。

シャンプー

イタリアングレーハウンドのシャンプーは、月に1回が目安となります。過度なシャンプーは逆に皮膚トラブルを引き起こしてしまう原因になります。

シャンプー時の注意点として、犬の皮膚は人間よりも敏感なので、「必ず犬用のシャンプーを使う」「お湯の温度は人間がちょうど良いと感じる温度よりもややぬるめに設定する」「洗うときは指の腹で優しくマッサージするように」ということ意識して行ってください。

イタリアングレーハウンドは毛が非常に短いので、タオルドライだけでもすぐに乾きますが、冬場は体温が奪われないようにドライヤーで乾かしてあげるとよいでしょう。

シャンプーは月1回ですが、もしも汚れが気になる場合は水に濡らして固く絞った布などで優しく拭いてあげると汚れを落とすことができます。

まとめ

イタリアングレーハウンドは毛が短いおかげでブラッシングやシャンプーなどのお手入れにはさほど手間がかからず、カットするためにサロンに通う必要もありません。その反面、比較的抜け毛が少ないとされるシングルコートではありますが、短毛種なので毛が生え変わるサイクルが早く、抜け毛がやや多いです。
基本的に室内で飼育する犬種となりますので、家の中での抜け毛対策が必須になります。抜け毛を完全になくすというのは難しいので、神経質になりすぎず、工夫しながら抜け毛と付き合っていくようにしましょう。

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