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ミニチュアシュナウザーのしっぽを切る理由とは

2019.07.04 2024.03.15

みなさんはミニチュアシュナウザーのしっぽを見たことがありますか?控えめに生えた短くかわいらしいしっぽです。しかし、このミニチュアシュナウザーのしっぽはもともと短いわけではなく、人工的に短くされたものなのです。

断尾とは?


断尾は読んで字のごとく、家畜や犬、猫などの尾を短く切ってしまうことです。ミニチュアシュナウザーをはじめ、下記の犬種は断尾によってしっぽが人工的に短くなっています。

  • ・ドーベルマン
  • ・ウェルシュ・コーギー・ペンブローク
  • ・ボクサー
  • ・プードル
  • ・ヨークシャーテリア

断尾は、生後2~5日ほどの生まれたばかりのときに行います。
断尾の方法には結紮法(けっさつほう)と切断法の2種類あり、結紮法ではしっぽをゴムバンドのようなものできつく締め、血流を遮断することでしっぽの組織を壊死させます。壊死すると自然にしっぽは切れます。もう一つの切断法ではハサミなどでしっぽを切り落とします。

生後間もない子犬に対して麻酔をすることはリスクが高くなるので、麻酔なしで断尾は行われます。子犬の頃は知覚が発達していないので、無麻酔でも問題ないという意見もありますが、それは誤解で子犬であってもしっかり痛みを感じるようです。

断尾をする目的

子犬に想像以上の負担がかかってしまう断尾ですが、そもそもなぜ行うようになったのでしょうか。
かつてヨーロッパでは、しっぽを切ることで狂犬病を防ぐことができると言い伝えられていたことから、断尾が行われるようになったとされています。
ほかにも、狩猟犬や牧羊犬として活躍していた犬種は、しっぽが長いことで敵に踏まれたり、木の枝に引っ掛けてけがをしたりすることがあったので、そういった事態を防ぐという実用的な理由がありました。

断尾は現在も必要?

現在では、ほとんどの犬が家庭犬として飼われています。しかし、先ほど挙げた犬種はいまだに断尾される習慣が残っています。その理由としては、写真や図鑑で見るミニチュアシュナウザーのしっぽが短いと、自分が買うときも同じように短くしてほしいと考える人が少なくないからです。
また、しっぽを短くすることでフンや汚れがつきにくくなるので、衛生的にも短くしてほしいと考えている方もいるようですが、現在ではそういった実用的な意味よりもどちらかというと美容的な意味の方が強いようです。

断尾による影響


断尾によって、犬にはさまざまな影響が及びます。

幻肢痛や感染症を発症することがある

幻肢痛というのは、すでに切断された手や足がまだあるかのように感じられ、痛むというものです。しっぽも手足と同じく、骨や神経、血管などがあるため、断尾によってないはずのしっぽが痛むというリスクがあります。さらに、断尾の傷口から感染症になることもあります。

しっぽの機能がうまく働かなくなる

犬のしっぽにはいろいろな役割があるのですが、泳ぐときに足で水をかきながら、しっぽを左右に動かすことで、前に進みます。
また、犬は走ったり歩いたりするときにしっぽでバランスを取っています。しかし、断尾で本来あるべきしっぽを短く切ってしまうと、バランスを取りにくくなってしまうのです。

感情表現がしにくい

愛犬がしっぽを振っていると、嬉しい・喜んでいるということがわかりますよね。逆にしっぽが垂れ下がって低い位置にあると、怖いのかな?なんて心配してしまいます。このように、しっぽで自分の感情を表すときにもしっぽは使われます。しかし、しっぽが極端に短くなることで、こうした感情表現がしにくくなってしまいます。

各国の対応

これだけ犬に負担がかかってしまうことから、断尾を禁止にしている国も多くあります。ヨーロッパでは、「ペット動物の保護に関する欧州条約」というものがあり、同意した国での断尾は禁止されています。

一方、アメリカでは意見が分かれており、犬種登録などを行っているアメリカ・ケネル・クラブは容認しているものの、全米獣医師協会は美容目的の断尾に対して批判的な立場をとっています。

日本でも、断尾を行わない動きが出てきていますが、特に禁止されているわけではありません。

まとめ

ペットショップで購入するときは、すでにしっぽが短くなっていることが多いので、知らなかったという人も多いかもしれませんが、ミニチュアシュナウザーをはじめ、コーギーやプードルなどは人間の手によってしっぽを短くされています。
使役犬として飼われることが多かった昔とは違い、現在の断尾は「こうあるほうが美しい」という美容目的で行われています。しかし、美容のために行うにしては、犬への負担がかなり大きいです。
もしかしたら、あなたがこれから迎えいれる子は断尾の影響から、しっぽのあたりを触られることを異常に嫌がる、なんてこともあるかもしれません。断尾を行う犬種を飼う場合は、事前に断尾について理解を深めておく必要があると思います。

この記事の監修者

犬の家&猫の里 編集部

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