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狆の寿命と気を付けたい病気

2019.09.18 2024.03.15

平均寿命

狆の寿命は12~14年と言われています。小型犬としては平均的ですが、中・大型犬と比べると長生きと言えます。

平均寿命の換算方法は諸説ありますが、人に例えた場合、小型犬は概ね以下のような年齢だと言われています。

犬の年齢

人に例えた年齢

1歳

12歳

2歳

25歳

3歳

29歳

4歳

33歳

5歳

37歳

6歳

42歳

7歳

46歳

8歳

50歳

9歳

55歳

10歳

59歳

11歳

63歳

12歳

68歳

13歳

72歳

14歳

76歳

15歳

81歳

16歳

85歳

17歳

89歳

18歳

94歳

19歳

98歳

20歳

102歳

では、どうしたらできるだけ長生きしてもらえるのでしょうか。その秘訣について詳しく紹介していきます。

気を付けたい病気

狆は目の病気、骨の病気、心臓の病気になりやすいと言われています。具体的に気を付けるべき病気は以下の通りです。

目の病気1:乾性角結膜炎

乾性角結膜炎は、涙の量が減り、目の表面が乾くことで角膜や結膜に障がいが出る病気です。涙が減少してしまう原因は、免疫の異常や感染症、先天的に涙腺が小さいなどさまざまです。

症状

発症すると、結膜や角膜の充血、色素沈着、粘りのある目やにが出る、まぶたのけいれんなどが見られます。

治療法

治療法としては、目の洗浄に加え、涙を補うための人工涙液、二次感染を予防するための抗生物質などを点眼します。完治させるのは難しい病気なので、継続的な治療が必要です。

予防法

乾性角結膜炎は原因が特定できないこともあり、予防が難しい病気です。少しでも発症リスクを下げるためにも、目の周辺は常に清潔に保つよう心がけましょう。

目の病気2:眼瞼内反症

下まぶたが内側(眼球側)に反り返ってしまうものを眼瞼内反症といいます。

症状

内側に反り返るとまぶたやまつ毛などが目を刺激してしまうので、目に炎症が起こり、かゆみや痛みを伴うようになります。

治療法

こうした症状を改善するためには、手術でまぶたの矯正を行います。

予防法

眼瞼内反症は先天的に発生することがほとんどなので、予防が難しいです。最近やけに涙や目やにが多い、目をしきりに気にしているなどの異変を感じたら、動物病院を受診することをおすすめします。

骨の病気:膝蓋骨脱臼

膝蓋骨は膝のお皿のことです。そのお皿が本来の場所から外れてしまうことを膝蓋骨脱臼と言います。

症状

程度の軽い脱臼であればすぐに元の位置に戻るので、症状はなく、生活に支障がないケースも多いです。しかし、症状が進むと歩行に支障が出始め、足がつけなくなります。最悪の場合は骨の変形を引き起こします。

治療法

膝蓋骨脱臼の治療法には2種類あり、症状や犬種、体重、年齢などを加味して内科的治療法か外科的治療法を選択します。

予防法

先天性の膝蓋骨脱臼を予防するのは難しいですが、外傷による膝蓋骨脱臼は、膝に負担をかけない生活を心がけることで予防することが可能です。

心臓の病気:僧帽弁閉鎖不全

僧帽弁は左心房と左心室の間にある弁のことです。この僧帽弁が変性することで閉鎖機能が低下してしまう病気です。僧帽弁閉鎖不全は、犬の心臓病の中でも特に発症率が高い病気と言われています。

症状

初期はほとんど症状がありません。ある程度進行すると、運動したときに空咳が出るようになります。さらに進行すると呼吸困難や肺水腫を引き起こします。

治療法

症状の進行度によって、内科的治療法と外科的治療法を使い分けます。内科的治療法は、血管拡張剤や利尿剤を使用して心臓にかかる負担を軽減します。
外科的治療法は手術によって変性した僧帽弁の修復を行います。外科的治療法は効果が大きい分、高度な技術を必要とするので、実施している病院が少ないです。

予防法

明確な予防法はありませんが、高齢になればなるほど発症しやすいと言われているので、シニア期に入ったら心臓の定期健診を受けるようにしましょう。

長生きするために

温度管理をしっかり行う

狆は極端に暑い環境や寒い環境が得意ではないので、温度管理ができる室内での飼育が必須です。夏の室温は23℃前後、冬はちょっと高めの25℃程度に保つようにしましょう。これはあくまで室温であり、エアコンの設定温度ではないので間違えないでください。

狆のような鼻がぺちゃっとした犬種は他の犬に比べると体の熱を逃がすことが苦手なので、特に夏場の温度管理が大切です。

関節に負担をかけないようにする

外傷性の膝蓋骨脱臼を防ぐためにも、激しい運動を避けたり、室内の床材をすべりにくいものに変えるなど普段から関節に負担がかからないような工夫をしてあげてください。

塩分を控えた食事を心がける

気を付けたい病気の中に、心臓病の一種である僧帽弁閉鎖不全がありましたが、心臓病になるリスクを下げるためには、食事にも気を使わなければいけません。
塩分をとりすぎてしまうと、血圧が高くなります。高血圧の状態が長く続くと心臓に負担がかかってしまうので、嗜好性の高いフードやジャーキーなどの塩分が多いおやつは与える量に細心の注意を払ってください。

まとめ

狆は比較的丈夫な犬種ではありますが、場合によっては目や骨、心臓の病気を発症することがあります。
先天的なものに関しては予防が難しいですが、普段の食事や飼育環境に気を使うことで防げる病気もあるので、しっかり飼い主さんが管理してあげましょう。

参考文献
乾性角結膜炎がみられた犬2例の臨床ならびに病理学的所見
眼瞼内反症・外反症 <犬> | みんなのどうぶつ病気大百科
僧帽弁閉鎖不全症(MR) <犬> | みんなのどうぶつ病気大百科

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この記事の監修者

犬の家&猫の里 編集部

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