ヨークシャーテリアはその見た目から“動く宝石”とも言われています。シルクのようなつややかな毛並みからは上品さがうかがえます。ただ、その美しさを保つためには、日頃のお手入れが必須となります。この記事では、ヨークシャーテリアのお手入れ方法などについてご紹介します。

抜け毛は多いの？

ヨークシャーテリアは抜け毛が比較的少ないことで有名です。そのため、1回抱っこしただけで服に毛がびっしり…なんてことにはなりません。床に散らばる抜け毛の量も少ないので、神経質な人でない限り一緒に暮らしていても、そこまで気になるほどではないと思います。

そもそも犬の抜け毛の量は、毛の生え方によって変わります。一般に抜け毛が多いのは、柴犬やポメラニアンのようなダブルコートと呼ばれるタイプです。ダブルコートの犬種は2種類の毛が生えており、そのうち防寒に役立っているふわふわとした毛は温かい季節になると不要になってしまうので、大量に抜け落ちます。ブラッシングをしてもきりがなく、気づけば大きな抜け毛の山ができていたなんてこともあります。

しかし、ヨークシャーテリアやプードルなどシングルコートの犬種は防寒のための毛がないので、抜け毛が少ないのです。

抜け毛が多い場合は病気の可能性も

普段は抜け毛が少ないのに、最近抜け毛が増えた気がする…と感じたら病気の可能性を疑ってみてください。アレルギーやホルモンバランスの乱れなどによって一部もしくは全体的に毛が薄くなるということもありますので、進行してしまう前に早めに相談しましょう。

ヨークシャーテリアのお手入れ方法について

ヨークシャーテリアは抜け毛こそ少ないものの、その美しい毛を保つためには、手間をかけてお手入れする必要があります。

ブラッシングの仕方

ヨークシャーテリアの長くて細い毛は絡まりやすいので、毎日ブラッシングしてあげましょう。毛が絡みやすく、頻繁に毛玉ができてしまう犬種にはスリッカーブラシがおすすめです。毛のもつれを解消しながら、効率的に抜け毛を除去することができます。ただ、先がとがっているので、力加減に注意しながら体と平行になるようにとかしてください。もつれや抜け毛の除去が終わったら、粗めのコームで全体の毛流れを整えて終了です。

シャンプーの仕方

ヨークシャーテリアは毛が長い上に皮脂がやや多いので、湿度が高くなる夏場は2～3週間に1回、乾燥しやすい冬は月に1回くらいの頻度でシャンプーを行います。

シャンプーの注意点は以下の通りです。

• ・事前にブラッシングをしておく
• ・お湯は37℃前後に設定する
• ・犬用のシャンプーを薄めて使う
• ・すすぎ残しがないようにする
• ・地肌まで乾かす

抜け毛も毛玉も除去せずにシャンプーしてしまうと、ぬれて固まってしまうので、シャンプーしにくくなってしまいます。作業効率をあげる意味でも、事前のブラッシングはお忘れなく。
犬の皮膚は人間よりもはるかにデリケートなので、お湯はぬるめに設定し、必ず犬用のシャンプーを使ってください。シャンプーは原液のままではなく薄めて使用します。パッケージに薄め方の指定がありますので、それに従ってください。
ヨークシャーテリアのような毛の長い犬種はシャンプー剤が残りやすいので、すすぎは念入りに行い、乾かすときは毛をコームなどでかき分けながら地肌までしっかり乾かしましょう。

カットの仕方

飼い主さんが自宅で行うカットはあくまで部分的なところのみです。たとえば、足の裏の毛が伸びると滑りやすくなってしまうので、ハサミやバリカンなどで短くカットします。このとき、指と指の間の毛もしっかりかき出してからカットするのがポイントです。
他にも、お尻周りは排泄する際に邪魔になってしまうので、肛門にかからないような長さにカットしてあげます。目の周りの毛も目に入りそうになったら適宜カットしてあげるのが良いのですが、顔回りにハサミを使うのは不安…ということであれば、サロンに行くまでの間は頭のてっぺんあたりで可愛く結んでしまうのも一つの手です。

おすすめのカットスタイル

全体のカットはサロンでプロにお任せしましょう。すぐに毛がのびるので、さまざまなスタイルを楽しむことができます。

サマーカット

ヨークシャーテリアと言えば長い毛が特徴的ですが、サマーカットでは全体の毛を短くカットすることでさっぱりと仕上げます。ただ、体を覆っていた毛が極端に短くなると、紫外線の影響を受けやすくなったり、寒さに弱くなったりするので、洋服を着せるなどの対策も必要です。

セミロング風カット

サマーカットは顔も体も短くカットしますが、セミロング風では、顔回りの毛は長めに残しておきます。結んで髪飾りを付けるなどアレンジも楽しむことができます。

まんまるイヤーカット

耳周りの毛を丸くカットするスタイルも人気です。毛が長いとゴージャスな印象がありますが、顔回りがスッキリすることで、活発でかわいらしい印象を与えます。

まとめ

ヨークシャーテリアは抜け毛が少ない犬種なので、室内で飼育してもそこまで毛が気になることはありません。ただ、その美しい被毛を保つためには、自宅で丁寧にブラッシングしてあげるだけではなく、サロンで定期的にカットしてもらう必要があります。愛犬のお手入れには手間と費用がかかっても苦に感じないということであれば、ぜひ飼育を検討してみてください。

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