マルプー（マルチーズ×トイプードル）の歴史

まずはマルプーがどんな犬なのか、誕生の歴史をお伝えします。

どんなきっかけで生まれたの？

マルプーは、マルチーズとトイプードルという人気の小型犬をかけ合わせて生まれたミックス犬です。

どちらも抜け毛が少なく、やさしい性格の持ち主として知られています。そんな2つの良いところをあわせもった「家族みんなで過ごしやすい犬を育てたい」という思いから、マルプーは生まれたと考えられています。

トイプードルもマルチーズも、シングルコートといって毛が抜けにくい犬種です。そのため、被毛のケアが楽だったり、犬アレルギーが気になる方でも比較的暮らしやすいと言われることがあります。

見た目や性格には違いがある

マルプーはミックス犬なので、見た目や性格にばらつきがあります。

たとえば、兄弟として同じ日に生まれても、お顔立ちや毛色、性格がまったく違うこともあります。どちらの犬の特徴をどれくらい受けつぐかによって、大きく変わってくるのがマルプーのユニークなところです。

マルプーの性格

ここからはマルプーの性格についてお伝えします。

ミックス犬のため、マルチーズに近い性格になったりトイプードルに近い性格になったりする特徴があります。

マルチーズの性格を受け継いだ場合

マルチーズは、明るくて元気いっぱい。家族に対してとても愛情深く甘えん坊な一面があります。

ただし、知らない人には少しシャイなところもあり、警戒心が出ることもあります。見た目は小柄でかわいらしいですが、気の強さを見せることもあり、自分より大きな犬に向かっていくような勇ましい子もいます。

トイプードルの性格を受け継いだ場合

トイプードルは、賢くて人なつっこく、遊ぶことが大好きな犬種です。

しつけがしやすく、家族とのコミュニケーションも上手な子が多いです。落ち着きもあるので、小さな子どもがいるご家庭にも向いていると言われています。

マルプーに多い性格の傾向

マルプーは、どちらの親の性格にもよく似ます。性格は、育ててくれた母犬の影響を受けることも多いですが、やはり一頭一頭違いがあります。

全体的には、明るくて人が大好き、そして甘えん坊な子が多いです。

シニア期になっても元気な子が多く、「いくつになっても子犬みたいでかわいいね」と言われることもよくあります。

オスとメスの違い

マルプーをお迎えする際に「オスとメスで性格や育てやすさに違いはあるの？」と気になる方も多いでしょう。
ここでは、オスとメスそれぞれの傾向を参考に、どんな子がご家庭に合うかを見ていきます。

性格の違い

オス

オスのマルプーは、人が大好きで甘えん坊な子が多い傾向です。飼い主さんにぴったり寄り添いたがるタイプで、遊び好きで明るく活発な子がよく見られます。

感情表現が素直でわかりやすく、初めて犬を飼う方でもなつきやすいと感じることが多いです。ただし、テンションが上がるとやんちゃになることもあるため、遊ぶ時間や落ち着かせるタイミングをしっかりとるようにすると良いでしょう。

メス

メスのマルプーは、オスに比べて落ち着いた印象の子が多く、どちらかといえばマイペースな傾向があります。

人に甘えることは好きでも、ベタベタしすぎず適度な距離感を大切にする子も多く見られます。観察力や理解力にすぐれた子が多いため、しつけも比較的スムーズに進みやすいのが特徴です。

体格の違い

オス

マルプーのオスは、筋肉質でしっかりした体つきになりやすい傾向があります。

成犬時の体重はだいたい3kg〜5kg程度の子が多く、個体によってはトイプードル寄りで脚がすらっとしている子もいれば、マルチーズ寄りでやわらかいフォルムの子もいます。

毛量が多めの子は、カットスタイルによって印象が大きく変わります。

メス

メスのマルプーは、ややコンパクトで骨格が細めの子が多く、成犬時の体重は2.5kg〜4kgくらいが目安です。

お顔立ちやシルエットもやさしい印象の子が多く、ぬいぐるみのような見た目が人気です。成長後のサイズ感は親犬に似ることが多いですが、ミックス犬のため個体差が出やすい点には注意が必要です。

育てやすさの違い

オス

オスのマルプーは、甘えん坊なぶん、飼い主さんとの信頼関係を築きやすいタイプです。

しつけも「遊び感覚」で取り組めば、楽しみながら覚えてくれることが多いでしょう。ただし、思春期以降にはマーキングなどの行動が見られる場合もあるため、必要に応じて去勢手術を検討することも大切です。

メス

メスのマルプーは、もともとの落ち着きと学習の早さをあわせ持ち、しつけに悩みにくい子が多いです。

一方で、発情期になると気分が変わりやすかったり、体調に変化が出ることもあります。避妊手術を行うことで、そうした不安定さをおさえやすくなる場合もあるため、獣医さんと相談しながら検討すると安心です。

オスとメス、どちらが飼いやすい？

マルプーは、オス・メスどちらも人とのつながりを大切にする、愛情深い性格の子が多い犬種です。

元気で遊び好きなタイプを希望するならオスを、落ち着いた性格やしつけのしやすさを重視するならメスを選ぶと、ご家庭に合った子を見つけやすくなります。

どちらを選んでも、大切なのは日々の関わり方です。たっぷりの愛情を注ぎながら過ごすことで、かけがえのない家族の一員としてすてきな関係を築いていくことができます。

マルプーは多頭飼いに向いている？

すでに1頭飼っている家庭でも、「もう一頭お迎えしたい」と考える方は多いのではないでしょうか。
ここでは、マルプーが多頭飼いに向いているかどうかや、気をつけたいポイントについてご紹介します。

マルプーは他の犬と仲良くできる？

マルプーは、基本的に人にも犬にも友好的な子が多く、多頭飼いしやすい犬種のひとつといえます。好奇心が強く遊び好きな子が多いため、一緒にいる他の犬とおもちゃを取り合ったり、じゃれ合ったりする時間を楽しむ様子がよく見られます。

ただし、マルチーズの気質を強く受け継いだ子は、飼い主さんを独占したがる傾向が見られることもあります。

甘えん坊な性格が裏目に出て、後から来た犬にヤキモチを焼いたり、ちょっとした行動でピリピリしてしまう場合もあるため、新しい犬を迎えるときは無理をせず、時間をかけて慣らしていくことが大切です。

相性の良い犬種のタイプ

マルプーは小柄で穏やかな性格を持っていることが多いため、同じように小型で温厚な性格の犬との相性が良いです。

• ・ミックス犬同士（チワプー、マルチーズ系ミックスなど）
• ・シーズー
• ・ヨークシャーテリア
• ・ビションフリーゼ
• ・ポメラニアン

  
  
  これらの犬種は、遊び方や生活リズムがマルプーと似ているため、一緒に暮らしやすい傾向があります。

ただし、大型犬との同居では体格差によるケガのリスクがあるため、注意が必要です。
特にテンションが上がったときにぶつかってしまうこともあるため、遊ばせ方やスペースの分け方に配慮しましょう。

多頭飼いをうまく進めるコツ

多頭飼いをはじめる際は、以下のポイントを意識するとトラブルを防ぎやすくなります。

• ・寝る場所や食事スペースを分ける：それぞれが安心できる空間を用意しましょう。
• ・初対面は距離をとってゆっくり：急に近づけず、においをかがせるなど段階的に慣らします。
• ・平等に声をかけて接する：先住犬ばかり、あるいは新入り犬ばかりを構いすぎると、お互いに不安を感じやすくなります。
• ・性格や年齢にあわせた対応：おとなしい子には無理をさせず、活発な子には落ち着く時間を作ってあげるなど、バランスを取ることが大切です。
  

マルプーは、環境の変化に敏感な面も持ち合わせています。焦らず、ゆっくりと信頼関係を築きながら多頭飼いを進めることが、仲良く暮らすコツになります。

猫や小さな子どもと仲良く暮らすためには？

猫や小さな子どもと一緒に暮らす際には、少しずつ慣らしていくことが大切です。

猫と仲良くなるための工夫

マルプーは好奇心が旺盛で、猫の存在にもすぐに興味を持ちやすい傾向があります。

ですが、猫のほうは静かで落ち着いた環境を好むため、いきなり距離を縮めようとすると警戒されてしまうこともあります。

最初はお互いの生活スペースを分けて、無理に顔を合わせずに、においや物音を通じて存在に慣れてもらいましょう。

猫には高いところに逃げられる棚や、安心できる隠れ場所を用意すると落ち着きやすくなります。

マルプーがはしゃぎすぎないよう、初めのうちは短時間だけ対面させて、慣れてきたら少しずつ時間を延ばしていく方法が効果的です。猫のペースを尊重しながら、静かで安心できる雰囲気をつくることが仲良くなるコツです。

小さな子どもと仲良く過ごすためのポイント

マルプーは愛情深くやさしい子が多いですが、突然の大きな声や急な動きには驚いてしまうことがあります。

とくに小さな子どもは力加減がわからないことがあり、思わず強く触ったり、追いかけたりしてしまうこともあるため、大人のサポートが欠かせません。

まずは子どもに「やさしくなでること」や「無理に抱っこしないこと」といったルールを丁寧に教えましょう。

一緒に遊ぶ時間は短めに設定し、必ず大人がそばで見守ってください。また、マルプーが落ち着けるスペースを用意して、自由に休める環境を整えておくことも大切です。

信頼関係を大切にするマルプーは、きちんとルールを守って接すれば、子どもにとってもやさしい遊び相手になってくれます。

お互いのペースでゆっくり慣れていこう

マルプーは基本的にフレンドリーですが、新しい環境や相手に対しては慎重になる子もいます。急いで仲良くさせようとせず、少しずつ距離を縮めていくことがポイントです。

飼い主さんがどちらにも公平に接し、猫や子どもが安心できる時間と空間を確保することで、自然と信頼関係が深まります。ゆっくりと無理のないペースで関係を築いていきましょう

マルプーによく見られる行動のクセとその対処法

ここでは、マルプーに多く見られる4つの行動と、その対応方法をご紹介します。

夜に吠えることがある

夜の静かな時間帯に、マルプーが急に吠えることがあります。暗闇の中で不安になったり、外の音に反応して警戒したりすることが原因になるケースが多いです。

対処のポイント
まずは生活リズムを整え、寝る前にトイレや運動をしっかり済ませておくことが大切です。

寝る場所を安心できる空間にして、照明を薄暗くしたり、静かな音楽を流したりして落ち着かせましょう。吠えたときにすぐに構うと「吠える＝かまってもらえる」と覚えてしまうため、落ち着いたときに声をかけるように意識しましょう。

留守番中に落ち着かず不安になる

マルプーは家族とのつながりをとても大切にする犬種なので、長時間ひとりになることが苦手な子も少なくありません。

留守番中に鳴き続けたり、部屋を歩き回ったり、家具をかじるといった行動が見られることもあります。

対処のポイント
留守番に慣れるには「安心できる空間」をつくることが第一歩です。クレートやベッドを使って、ひとりでも落ち着ける場所を用意しましょう。

また、外出の際にはあえて静かに出かけるようにして、過剰な別れのあいさつを避けると、不安を感じにくくなります。おやつ入りのおもちゃや知育おもちゃを使って、気を紛らわせるのも効果的です。

わがままな行動が目立つことがある

小型犬に多い傾向ですが、マルプーも甘やかされることで「吠えれば要求が通る」「抱っこをねだれば応えてもらえる」と覚えてしまい、わがままな行動をすることがあります。いわゆる「小型犬症候群」と呼ばれる状態です。

対処のポイント
可愛いからといって甘やかしすぎないようにしましょう。遊びやごほうびは「飼い主の指示を聞いた後に与える」といったルールを決め、行動にメリハリをつけていくことが大切です。

毎日のしつけの中で、飼い主がリーダーであることをしっかり伝えると、自然と落ち着いた行動が増えていきます。

甘噛みがなかなか直らない

成長期のマルプーは、歯の生え変わり時期にかゆみを感じたり、遊びの延長で手や足を甘噛みすることがあります。

小さいうちは可愛らしく感じられることもありますが、そのまま放っておくと大人になっても噛むクセが残ってしまうことがあります。

対処のポイント
「噛んでよいおもちゃ」と「噛んではいけないもの」の区別をしっかり教えてあげましょう。

噛まれたときは「痛い！」とはっきり声に出し、すぐに遊びを中断することで、「噛むと楽しい時間が終わってしまう」と学ばせることができます。ガムや知育おもちゃなど、噛んでもよいものを常にそばに用意しておくと安心です。

マルプーのしつけ教室やドッグトレーナーの料金と選び方

甘えん坊で飼い主さんへの愛情が強い反面、興奮しやすかったり、環境の変化に敏感だったりする一面もあり、しつけに悩むこともあるかもしれません。

そんなときは、しつけ教室やプロのドッグトレーナーの力を借りることで、マルプーの性格や生活環境に合わせた効果的なトレーニングができるようになります。
ここでは、しつけにかかる費用の相場や、教室・トレーナーを選ぶときのポイントについてご紹介します。

しつけ教室の内容と料金の相場

マルプーは人とのコミュニケーションが得意な子が多いため、ほかの犬と一緒に学ぶグループレッスンに向いていることが多いです。
教室では、アイコンタクトや呼び戻し、落ち着いて過ごすための基本マナーなどを身につけることができます。週に1回のレッスンを数か月続けることで、落ち着いた行動が習慣化しやすくなります。

グループレッスンの料金は、1回あたり3,000〜5,000円程度が一般的です。

もしほかの犬が苦手な子や、特定の問題行動に悩んでいる場合は、マンツーマンでの個別指導がおすすめです。

個別レッスンでは、自宅での暮らし方や飼い主さんとの関係性に合わせて、よりきめ細やかな指導が受けられます。費用は1回あたり5,000〜10,000円ほどが目安です。

出張トレーニングや合宿型の料金

マルプーは家庭内の雰囲気や飼い主さんの対応にとても敏感な子が多いため、生活環境に合わせてトレーニングしたい場合には、自宅にトレーナーが訪問してくれる「出張型レッスン」も有効です。

料金は1回あたり8,000〜15,000円程度で、実際の困りごとが起きている場所で具体的にアドバイスが受けられるのが魅力です。

また、短期間で集中して学ばせたい場合は、数週間〜1か月ほどの「合宿型トレーニング（預かり型）」を選ぶこともできます。こちらは施設の内容や期間によって異なりますが、1か月あたり100,000〜300,000円前後が相場です。

しつけ教室・トレーナー選びのポイント

マルプーは頭が良く、人との関係を大切にする犬種なので、しつけのやり方によって性格や行動が大きく変わることもあります。だからこそ、やさしくてわかりやすいトレーニングをしてくれる教室やトレーナーを選ぶことがとても大切です。

まず、レッスンの雰囲気を事前に見学できるかどうかを確認しましょう。実際に見てみることで、その教室が自分とマルプーに合っているかどうか判断しやすくなります。

また、トレーナーが飼い主さんにもわかりやすく説明してくれるか、質問しやすい雰囲気かどうかも重要なポイントです。しつけは犬だけでなく、飼い主さんも一緒に学んでいくものだからです。

ごほうびや声かけを使った「褒めて伸ばすトレーニング」を取り入れているかどうかも確認しておくと安心です。マルプーのように繊細な子には、厳しすぎる指導は逆効果になることもあるため、無理に叱るような方法は避けたほうがよいでしょう。

しつけを通して信頼関係が深まれば、マルプーとの暮らしはもっと楽しく、安心できるものになります。自分たちに合った方法を見つけて、一歩ずつ進めていくことが大切です。

マルプーの毛色

マルプーはマルチーズとトイプードルを親に持つミックス犬です。そのため、毛色や毛質は個体によって大きく異なり、どの子も違った魅力を持っています。

ここでは、マルプーの毛色にまつわる特徴や傾向について、いくつかのポイントに分けてご紹介します。

毛色のバリエーション

マルプーには、アプリコットやレッド、フォーン、クリーム、ホワイト、ブラック、ブラウンなど、さまざまな毛色があります。単色の子もいれば、顔や胸、足先など部分的に白が入っている子もいます。

たとえば、体全体はアプリコットで足先だけ白かったり、ホワイトをベースに耳や背中にうすくカラーが入っているような子もいます。

毛色の組み合わせは無限に近く、まったく同じ見た目の子がほとんどいないのも、マルプーならではの魅力です。

毛色によって見た目の印象が変わる

同じマルプーでも、毛色によって顔つきや雰囲気の印象が変わります。

明るい毛色の子はやわらかく可愛らしい雰囲気になりやすく、濃い色の子は少しキリッとした表情に見えることもあります。

さらに、顔のつくりがマルチーズ寄りかプードル寄りかでも印象が変わるため、毛色とあわせて個性の出方に幅があります。

毛色の変化が起こることもある

子犬のころは濃い色だったのに、成長とともに色がうすくなったり、逆にしっかり色が出てくる子もいます。

これはマルチーズやトイプードルの血筋による影響で、特にトイプードルに由来する毛色は成長にともなって変化しやすい傾向があります。

そのため、子犬のときと成犬のときで見た目が変わることもあり、「お迎えしたときよりやさしい色合いになった」などの声もよく聞かれます。

毛色と毛質の組み合わせも多彩

マルプーは毛色だけでなく、毛質も個体によってさまざまです。マルチーズのように直毛に近い子もいれば、トイプードルに似たクルクルとした巻き毛になる子もいます。

なかには、ゆるやかなウェーブがかかった中間タイプの毛質になる子もおり、手ざわりやカットスタイルにもバリエーションがあります。

毛色と毛質の組み合わせによって、その子の印象は大きく変わります。

マルプーにトリミングは必要？お手入れのポイントと費用の目安

マルプーは毛が抜けにくいシングルコートの子が多く、おうちの中でも過ごしやすいと人気があります。
ただし、毛は伸び続けるため、放っておくと絡まりや毛玉になりやすく、皮膚トラブルの原因になることもあります。定期的なトリミングと日常のお手入れが欠かせません。

ここでは、マルプーの毛の特徴やお手入れ頻度、サロン利用時の費用目安についてご紹介します。

マルプーの毛はこまめにカットした方がいい？

マルプーの毛は、マルチーズの直毛寄りの子もいれば、トイプードルのようにクルクルとした巻き毛を持つ子もいます。

どちらの場合も、毛が伸び続けるため、定期的なカットをしないと毛玉ができやすく、皮膚が蒸れてしまうことがあります。

とくに目のまわりの毛が伸びすぎると、涙やけや視界のさまたげになりやすく、足元の毛は滑りやすさの原因にもなるため、全身のカットとあわせて部分的なお手入れも必要です。

見た目のおしゃれを楽しむこともできますが、まずは清潔さと快適さを重視したケアが大切です。

お手入れの頻度はどれくらいが理想？

マルプーの毛の伸び方や毛質によって多少の個体差はありますが、一般的には以下の頻度が目安です。

• 全身のトリミング：1か月〜1.5か月に1回
• 部分カット（目のまわり・足裏・肛門まわりなど）：3〜4週間ごと
• ブラッシング：毎日〜1日おき（毛玉ができやすい子は毎日がおすすめ）

特に耳のうしろやわき、内ももなどは毛玉ができやすい部分です。ブラッシングを怠ると、毛玉が皮膚を引っ張って赤みやかゆみの原因になることもあります。

トリミングにかかる費用の目安

マルプーのトリミング費用は、体のサイズや毛量、地域によって異なりますが、おおよその目安は以下のとおりです。

毛玉が多い場合や、デザインカットを希望する場合は、追加料金がかかることもあるため、あらかじめサロンに確認しておくと安心です。

トリミングやお手入れで気をつけたいこと

マルプーは人が好きな子が多い反面、知らない場所や長時間じっとしていることが苦手な子もいます。

サロンを初めて利用する際は、短時間のコースから慣らすようにすると、ストレスを減らせます。事前にサロンを見学して、環境やトリマーさんの雰囲気を確認しておくのもおすすめです。

また、毛玉ができた状態でトリミングに連れていくと、時間がかかるだけでなく、カット中に引っ張られて痛みを感じることがあります。おうちでのブラッシングを日々の習慣にし、負担の少ないケアを心がけましょう。

マルプーの美しい被毛を健康に保つには、飼い主さんのこまめなケアとサロンでのプロのサポートの両方が必要です。毛の伸び方や性格に合わせて、無理のないペースでトリミングを取り入れていきましょう。

マルプーのシャンプー頻度と快適に洗うためのコツ

マルチーズのやわらかい毛とトイプードルの巻き毛、どちらの特徴を持つかによって毛質は異なりますが、どのタイプも定期的なシャンプーが必要です。ただし、皮膚がデリケートな子も多いため、洗う頻度や使うシャンプーには注意が必要です。

ここでは、マルプーに合ったシャンプーのタイミングや洗い方のポイントをご紹介します。

シャンプーはどのくらいの頻度がベスト？

マルプーは毛が伸び続けるタイプが多く、ホコリや汚れがつきやすい一方で、皮膚は乾燥しやすい傾向があります。そのため、シャンプーは3〜4週間に1回を目安に行うのが一般的です。

泥はねやにおいが気になるときでも、毎回全身を洗う必要はありません。濡れたタオルやペット用のウェットシートで汚れた部分を軽くふき取るだけでも十分きれいになります。無理に頻度を増やすより、肌の調子を見ながらやさしくケアしてあげることが大切です。

肌にやさしいシャンプーを選ぶコツ

マルプーの中には、皮膚の弱い子や、乾燥しやすい子もいます。どちらにしても、刺激の少ない低刺激タイプの犬用シャンプーを選びましょう。

とくに、香料が強いシャンプーや人間用のものは避けるのが安心です。保湿成分が含まれたものや、コンディショナーとセットで使えるタイプを選ぶと、洗い上がりもふんわりしやすくなります。

乾燥が気になる季節には、保湿スプレーを併用するのもおすすめです。

マルプーを洗うときの手順と注意点

1. ブラッシング（事前ケア）
   　シャンプーの前に毛をとかして、毛玉や抜け毛を取り除きます。ブラッシングしておくことで、洗うときに毛がからまるのを防げます。
   
   
2. ぬるま湯で予洗い
   　お湯の温度は約37℃が理想です。シャワーで体全体をまんべんなく湿らせ、顔まわりは濡れタオルでやさしく拭くと安心です。
   
   
3. 泡立ててから洗う
   　シャンプーを手のひらでよく泡立ててから、背中から順にやさしく洗っていきます。直接原液をかけるのは避けましょう。
   
   
4. しっかりすすぐ
   　洗い残しは皮膚トラブルの原因になります。とくに耳のまわりや足先など泡が残りやすい部分は念入りにすすぎましょう。
   
   

乾かし方のコツ

シャンプーのあとはタオルでしっかり水分を拭き取り、ドライヤーで根元から乾かします。ドライヤーは低温〜中温に設定し、毛をかき分けながら風を当てるのがポイントです。

生乾きのままだと、においやかゆみの原因になることがあります。しっかり乾かし、毛の流れに沿ってブローすると、ふんわりときれいな仕上がりになります。

マルプーに見られる体のトラブルと気をつけたいポイント

比較的健康で長生きする子が多い一方で、親犬から受け継ぐ遺伝的なリスクに注意が必要です。

これからマルプーを迎える方も、すでに一緒に暮らしている方も、体のトラブルについて知っておくことで、早期の気づきや予防につながります。

進行性網膜萎縮症（PRA）

進行性網膜萎縮症は、目の奥にある網膜が少しずつ働かなくなり、最終的に視力が失われてしまうおそれのある病気です。

マルプーのようなミックス犬でも、親犬のどちらかがこの遺伝子を持っていると、発症することがあります。

暗い場所で物にぶつかるようになった、ものに驚くことが増えた、といった様子があれば注意が必要です。現在のところ完治する治療法はないため、早期発見と進行を遅らせるケアが重要です。年に1回は眼の健康チェックを受けておくと安心です。

膝蓋骨脱臼（パテラ）

小型犬によく見られる関節トラブルのひとつが膝蓋骨脱臼です。マルプーも例外ではなく、特に骨格が細くやわらかい子や、ジャンプが好きな活発な子はリスクが高くなります。

片足を浮かせて歩いたり、スキップのような動きが出てきたときは、膝に違和感を抱えている可能性があります。

予防のためには、フローリングに滑り止めマットを敷いたり、ソファにステップを設置するなど、日常の環境を整えることが大切です。

心臓のトラブル（僧帽弁閉鎖不全症など）

マルチーズやトイプードルに多い「僧帽弁閉鎖不全症」は、マルプーでも気をつけたい病気のひとつです。

加齢とともに心臓の弁がきちんと閉じなくなり、血液が逆流してしまう状態です。まれに先天的に発症する場合もあります。

初期は無症状ですが、疲れやすくなったり、咳をするようになるといったサインが現れることがあります。定期的に聴診や心エコー検査を受けることで、早めに対応できる可能性があります。

てんかんや代謝の異常

一部のマルプーでは、てんかん発作や代謝に関わる病気が見られることがあります。グリコーゲン代謝に異常があると、運動中にふらついたり、意識を失ったりすることがあります。

これらはまれな症例ではありますが、突然のけいれんや意識の変化が見られた場合はすぐに動物病院で診てもらう必要があります。

明確な予防方法はありませんが、信頼できるブリーダーやペットショップで親犬の健康状態や遺伝子検査の有無を確認しておくことが、リスクを減らす第一歩になります。

マルプーの緊急医療費と手術費用の目安

体が小さく骨や関節が繊細な面もあるため、思わぬケガや体調不良が起こることもあります。

いざというときに慌てないよう、あらかじめ医療費の目安を知っておくと安心です。

緊急医療費の目安

マルプーは基本的に室内で過ごすことが多いですが、段差で足をくじいたり、おもちゃや異物をうっかり飲み込んでしまったりと、予想外のトラブルはどんな子にも起こり得ます。

急な体調不良やケガで動物病院を受診した場合、以下のような費用がかかることがあります。

• ・初診料・再診料：1,000〜3,500円前後
• ・レントゲン検査：5,000〜10,000円程度
• ・血液検査：4,000〜12,000円程度
• ・点滴治療：5,000〜15,000円程度

これらの処置が重なると、1回の通院で数万円になることもめずらしくありません。
症状が重ければ、そのまま入院や手術が必要になるケースもあります。

マルプーに多い手術と費用の目安

マルプーは体が小さいため、特に関節や目の病気、誤飲などに気をつけたい犬種です。手術が必要になるケースとおおよその費用の目安は以下の通りです。

※上記の金額は術前検査や麻酔、術後の入院・お薬代などを含んだ目安であり、実際には病院によって異なります。費用は事前にしっかり確認しておくことが大切です。

緊急時に備えてできること

突然の医療費に備えるには、日ごろからの準備がポイントになります。以下のような対策をしておくと、いざというときにも落ち着いて対応しやすくなります。

• ペット保険に加入する
  マルプーを迎えたら早めにペット保険の加入を検討しましょう。若いうちから加入しておくと、保険料もおさえやすく、通院・入院・手術の補償も受けられます。
  
• 緊急用の積み立てをしておく
  保険ではカバーしきれない費用のために、少しずつでも積み立てておくと安心です。突発的な大きな出費にも備えられます。
  
• かかりつけの動物病院を決めておく
  ふだんから様子を知ってくれている獣医さんがいると、緊急時の対応が早くスムーズになります。マルプーも見慣れた場所であれば、緊張しすぎずに受診できます。

マルプーにペット保険は必要？加入のメリットと選び方のポイント

「病気やケガに備えて保険に入った方がいいのかな？」と迷う方もいるかもしれません。

ここでは、マルプーと暮らすうえでペット保険に入るメリットや、保険を選ぶときのポイントをご紹介します。

ペット保険に入るとどんなメリットがある？

マルプーは基本的に健康で明るい性格の子が多いですが、小型犬ゆえに関節や目のトラブルが起こりやすい傾向もあります。

とくに注意したいのが、膝蓋骨脱臼（パテラ）、白内障、外耳炎、アレルギーによる皮膚トラブル、そして誤飲などによる緊急処置です。

さきほど解説した通り、これらの治療には思った以上に費用がかかることが多く、ペット保険に加入していれば急な医療費の負担を軽くすることができます。

また、最近は通院や検査、予防ケアまでカバーできる保険プランもあり、日常の健康管理をサポートしてくれる心強い存在になります。

保険料の目安は？

マルプーの保険料は、選ぶプランの内容や補償範囲、年齢によって異なります。月額の目安は以下のとおりです。

• ・入院や手術を中心に補償するシンプルなプラン：およそ1,500円から
• ・通院・検査・手術など幅広くカバーする総合プラン：およそ3,000〜5,000円程度
  

年齢が上がると保険料も上昇するため、できるだけ若いうちに加入しておくことで、トータルの負担をおさえやすくなります。

保険を選ぶときにチェックしたいポイント

マルプーに合ったペット保険を選ぶ際は、以下の点を意識して比較すると安心です。

• ・関節・目・皮膚・歯など、小型犬に多いトラブルが補償対象かどうか
• ・年齢が上がっても継続して契約できるか（更新の条件や年齢制限）
• ・請求手続きが簡単かつ、通院費も補償の対象になっているか

  
  また、持病がある場合や既往歴によって補償対象外になることもあるため、事前に補償内容を細かく確認することが大切です。

マルプーのワクチン接種はなぜ必要？費用の目安と健康管理のポイント

重大な感染症を防ぐためにも、混合ワクチンを含む定期的な予防接種はとても大切です。

ここでは、接種スケジュールや費用の目安、あわせて健康維持のために行いたいケアについてもわかりやすくまとめています。

ワクチン接種のスケジュールと費用の目安

ワクチン接種は年齢や健康状態に応じて、以下のようなスケジュールで進めるのが一般的です。

• 子犬期（生後6〜16週頃）
  子犬のころは2〜3回に分けて混合ワクチンを接種します。
  1回あたりの費用は、5,000〜10,000円程度が目安です。
  
  
• 成犬期（年1回）
  免疫を維持するためには、成犬になってからも毎年の追加接種が推奨されます。
  年1回で、5,000〜12,000円程度の費用がかかります。
  
  
• 狂犬病ワクチン（年1回・法定）
  狂犬病の予防接種は法律で義務づけられており、年1回の接種が必要です。
  自治体によって異なりますが、おおよそ3,000〜5,000円ほどで受けられます。

予防接種のスケジュールを守ることで、マルプーが集団生活やお出かけ先でも安心して過ごせるようになります。

フィラリア予防と費用の目安

フィラリアは蚊を通じて感染する寄生虫の一種で、心臓や肺に重大な影響を及ぼすことがあります。室内犬であっても、蚊の侵入を完全に防ぐことは難しく、マルプーにもフィラリア予防は欠かせません。

予防期間は地域によって異なりますが、4月〜11月の間、月1回の投薬を継続するのが基本です。春のはじめに動物病院で検査を受け、必要に応じたお薬をもらっておくと安心です。

健康診断の重要性と費用

マルプーは比較的健康な犬種とされていますが、親犬であるマルチーズやトイプードルに見られる病気（膝蓋骨脱臼、目の病気、皮膚トラブル、歯周病など）には注意が必要です。

これらを早く見つけるためにも、定期的な健康診断を受けることをおすすめします。

特に7歳を過ぎたあたりからはシニア期に入るため、年2回の健診を受けておくと安心です。体調の変化に早く気づけるだけでなく、予防のためのアドバイスをもらえる貴重な機会にもなります。

マルプーの散歩はどのくらい必要？

ここでは、マルプーにとっての散歩の役割や、適切な頻度と時間、そしてお散歩中に気をつけたいポイントについてまとめています。

マルプーに散歩は必要？

マルプーは活発で好奇心旺盛な子が多く、外に出ることが大好きです。お部屋の中だけでもある程度の運動はできますが、それだけではストレスがたまりやすく、エネルギーが余ってしまうこともあります。

外の風や音、においにふれることは、運動だけでなく、脳への刺激にもなり、落ち着いた性格づくりにもつながります。ほかの犬や人とすれ違う経験も、社会性を育てるために大切な時間です。

ただし、激しい運動をする必要はありません。無理のないペースで、楽しみながら歩くことが大切です。

散歩の頻度や時間の目安

マルプーのお散歩は、1日1回〜2回を目安に、1回あたり15〜30分程度がちょうどよい運動量です。子犬期やシニア期には体力に差があるため、その日の様子を見ながら時間を調整しましょう。

朝と夕方にわけて短めに散歩するのもおすすめです。特に夏場は、暑さを避けて早朝や日が沈んだあとの涼しい時間帯に出かけるようにしてください。

雨の日や外出が難しい日は、おうちの中での軽い運動やおもちゃ遊びで代用できます。知育トイや簡単なトレーニングを取り入れることで、心と体の両方を満たしてあげましょう。

散歩中に気をつけたいこと

マルプーは被毛の長さや足のつくりによって、散歩中に足先やお腹まわりが汚れやすいことがあります。とくに雨の日やぬかるんだ道では、帰宅後にきれいに拭いてあげる習慣をつけましょう。

また、小型犬であるマルプーは暑さや寒さの影響を受けやすいため、気温や天気にも注意が必要です。

夏はアスファルトの熱で肉球を傷めるおそれがあり、冬は冷たい風で体が冷えやすくなります。必要に応じて、犬用の靴や洋服を用意してあげると安心です。

人や自転車、ほかの犬とのトラブルを防ぐためにも、静かな道を選び、リードは短めに持ってコントロールできるようにしておきましょう。特に興奮しやすい子は、落ち着ける声かけやルート選びが役立ちます。

マルプーが安心して過ごせるおうちづくり

小柄で運動能力もあるため、室内でも活発に動き回る子が多いです。一方で、関節や皮膚が繊細な面もあるため、日々の暮らしの中で安心して過ごせる環境づくりがとても大切です。

ここでは、家具の配置、安全対策、温湿度の管理など、おうちでできる工夫をポイントごとにご紹介します。

ケガを防ぐお部屋のレイアウトの工夫

マルプーは体が軽くジャンプが得意ですが、関節への負担には気をつけたい犬種です。特に膝蓋骨脱臼（パテラ）のリスクがあるため、ソファやベッドへの飛び乗り・飛び降りには注意が必要です。

段差を減らすためにペット用のステップやスロープを設置すると、昇り降りの負担を軽減できます。さらに、家具の下など狭いすき間に入り込んでしまうと事故やケガにつながるおそれがあるため、クッションや柵でふさいでおくと安心です。

マルプーは好奇心が強く、すき間や棚の下にも入りたがる傾向があるため、あらかじめ入れないような工夫をしておくとトラブルを防げます。

滑りにくい床で足腰を守る

マルプーの足腰を守るには、床材選びも重要なポイントです。フローリングは見た目はきれいですが、すべりやすく、ジャンプや急な動きで足をすべらせると関節に大きな負担がかかってしまいます。

すべり止め効果のあるラグやカーペット、ペット専用の滑り止めマットなどを使うことで、踏ん張りがききやすくなり、転倒の予防にもつながります。特に、耳の聞こえづらい子やシニア犬には滑らない床が重要です。

また、階段の上り下りも負担が大きいため、必要に応じてペットゲートを設置して行動範囲を制限するのもよいでしょう。子犬や高齢犬の場合は、なるべく段差の少ない環境で生活させるようにしましょう。

快適な温湿度を保つ工夫

マルプーは毛量が多く、体が小さいため、暑さにも寒さにも影響を受けやすい犬種です。
特に子犬やシニア犬は体温調整がうまくできないことがあるため、室温と湿度の管理は日々意識したいポイントです。

• 冬の過ごし方
  • ・室温はおおよそ20〜25℃を目安に設定します。
  • ・暖房器具の風が直接あたる場所は避け、ふわふわのブランケットやクッションを置いて保温性のある寝床をつくりましょう。
  • ・加湿器を使って湿度を50〜60％に保つと、皮膚の乾燥や静電気による不快感を防ぎやすくなります。
    
    
• 夏の過ごし方
  • ・室温が25℃を超えるようになったら、エアコンで涼しい空間をつくるのが基本です。
  • ・ひんやりマットや冷感ベッドなどを使って、熱がこもらないように工夫します。
  • ・複数の場所に水飲み場を用意しておくと、どこにいても水分補給ができるので安心です。マルプーは遊びに夢中になると水を飲み忘れることもあるため、目の届くところに水皿を置いておくとより安全です。

    
    

まとめ

マルプーは、マルチーズとトイプードルの良さを受け継いだミックス犬です。見た目や性格には個体差がありますが、明るく愛情深い性格の子が多く、初めて犬を飼う方にも向いています。

しつけや健康管理、お手入れをしっかり行えば、長く穏やかに暮らせる家族の一員になってくれるでしょう。毛色や体格にもバリエーションがあり、自分だけの個性を楽しめるのも魅力のひとつです。

毎日の生活の中で、愛犬との信頼関係を深めながら、健やかな日々を送っていきましょう。