ノルウェージャンフォレストキャットの歴史

その名の通り、ノルウェーが原産のノルウェージャンフォレストキャットは、一説によると北欧神話に登場する女神フレイヤの乗るソリをひいていたとされています。4000年以上も前から存在していたと言われていますが、はっきりしたことはいまだわかっていません。
ノルウェージャンフォレストキャットがキャットショーに登場したのは1930年代で、第二次世界大戦によって一度は絶滅寸前のところまで陥りましたが、ノルウェーのブリーダーたちの努力によってなんとか絶滅は逃れ、1970年代にはCFAなどの登録団体に認定されました。

特徴

体型、体の大きさ、見た目

ノルウェージャンフォレストキャットは猫の中でも大型で、メスの平均体重は3.5～5.5kg、オスの平均体重は4.5～7.0kgほどです。メスに関してはそこまで大きい印象はないかもしれませんが、オスの場合は10kg近くになる子もいるので、かなり大きいです。
体格もかなりがっしりしており、丈夫な骨格とたくましい筋肉がより迫力を感じさせます。

毛色、毛質

原産国ノルウェーの厳しい冬にも耐えられるよう、毛はダブルコートになっています。ダブルコートというのは、皮膚を外部刺激から守るオーバーコートと体温を保持するアンダーコートの2種類の毛が生えています。ノルウェージャンフォレストキャットは1本1本の毛の長さも長いので、非常にボリューミーです。お手入れはやはり大変ですが、そのふさふさとした柔らかな触り心地に魅了される飼い主さんは多いようです。

毛色はバラエティー豊富で、ブルー、ブラック、ホワイトと言った単色はもちろん、ブラウン、シルバー、ブルー、レッドのタビー（縞模様）と、それらにホワイトが入ったバイカラーやキャリコ（三毛）なども存在します。

目の色

目の色にはブルー、ヘーゼル、イエロー、ゴールドなどがあります。

性格

とても温厚で、優しい性格をしているので、小さな子どもがいる家庭でも飼うことができます。大きくたくましい体つきをしていますが、意外にも甘えん坊で、飼い主さんに頭や頬をなでてもらえると喜びます。ただし、過剰なスキンシップはあまり好まないので、猫の方からかまってほしいと近づいてきたときにスキンシップを取ってあげるくらいがちょうどよいでしょう。
基本的にはフレンドリーで順応性も高いことから、初心者でも飼いやすい猫種だとされています。

ノルウェージャンフォレストキャットの飼い方

飼育環境

運動神経が抜群で、走ったり、木に登ったりすることが好きなアクティブさも持っていますので、飼育する際は十分な運動スペースの確保が必須です。大型の猫が乗っても問題ないようなキャットタワーを設置してあげたり、家具や棚の上を片付けて、登れるようにしておいてあげましょう。
また、好奇心旺盛でイタズラ好きな面があるので、電化製品のコードなど触ったり、かじったりしたら危険なものは必ず片づけておくようにしましょう。

食事

ノルウェージャンフォレストキャットは体が大きいぶん、他の猫に比べて成長がゆっくりです。一般的な猫は成猫になるまで1年ほどですが、ノルウェージャンフォレストキャットに関しては成猫になるまで3～4年かかるとされています。1歳を過ぎてもなお成長は続いていますので、生後1歳すぎまでは高タンパク・高カロリーな食事でしっかりとした体を作れるよう、サポートしてあげましょう。

お手入れ

長毛かつ、毛が密に生えているので、毎日のブラッシングが欠かせません。ブラッシングを怠ると毛玉やもつれができるだけでなく、抜け毛がそのままになってしまうので、皮膚への通気も悪くなり、皮膚疾患を引き起こす原因となってしまいますよ。
ブラッシングの際は、まずスリッカーブラシなどを使ってもつれや毛玉を取り、次にピンブラシやコームで全体の毛並みを整えてあげてください。
また、ノルウェージャンフォレストキャットの毛は、防寒防水のために皮脂に覆われています。そのため、定期的にシャンプーを行わないと、皮脂汚れが蓄積してしまいますので、月に1回を目安にシャンプーも行いましょう。

しつけ

賢い猫種なので比較的しつけはしやすいです。トイレの場所を教えるときは最初が肝心なので、子猫から目を離さず、ソワソワしたり、床のニオイをかいだりしたら即座にトイレに連れて行ってあげましょう。
いたずら好きなところも、しっかりとしつければある程度は改善することができます。入ってはいけない場所に侵入したり、危険なものに触ったりしたときは、その瞬間「ダメ」と指示しましょう。感情的に叱ってしまうと怖がってしまうので、毅然とした態度で接することを意識しましょう。

気をつけたい病気

ノルウェージャンフォレストキャットは丈夫で、遺伝性疾患なども少ない猫種です。とはいえ、好発する病気が一つもないわけではありません。たとえば、猫全般がかかりやすいとされている「肥大型心筋症」や長毛種に多い「毛球症」には注意が必要です。
他にも、肥満になると糖尿病のリスクも高くなりますので、体重管理はしっかり行いましょう。