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ミニチュアピンシャーは断耳したほうがいいの?断耳する理由やリスクについて

2019.06.17 2024.03.15

ミニピンの愛称で親しまれているミニチュアピンシャー。コンパクトで引き締まった体と大きく立った耳が印象的ですが、実はすべての子が最初から耳が立っているわけではありません。中には「断耳」を行うことで人工的に立たせている子もいるのです。

断耳とは?

読んで字のごとく、耳を断つことです。耳の軟骨の一部を手術によって切除します。生後2~3か月頃、さらにワクチン接種2~3週間後に行われることが多いです。耳が軽くなることで立ちやすくなりますが、最初のうちはうまく立たないため、副木などと一緒に包帯で固定します。

なぜ断耳をするのか

ミニチュアピンシャー以外に断耳をする犬種としては、ドーベルマン、ボクサー、ミニチュアシュナウザー、グレートデンなどがいます。断耳を行う犬種の多くは、かつて使役犬や牧羊犬として活躍していました。そのため、作業中に邪魔になったり、敵に噛まれたりすることを防ぐ理由から耳を短く切っていたのです。
ミニチュアピンシャーも以前は農家のネズミ捕りや番犬として活躍していました。

では、ペットとして飼われるようになった現在でも断耳を行うのはなぜなのでしょう?現在の断耳は実用的な目的ではなく、ミニチュアピンシャーはこうあるべき、こうしたほうが美しいという美容的な目的が大きいようです。

断耳のリスク

断耳の行うにあたり、以下のようなリスクも指摘されています。

麻酔の副作用が出る

断耳の手術は全身麻酔をかけてから行われます。生まれてからそこまで期間が経っていない子犬に対して、特に病気やケガをしたわけでもないのに全身麻酔をかけるとなると副作用が心配ですよね。麻酔後もしくは麻酔中に起きる副作用としては、心拍数や血圧の低下、肝臓・腎臓への影響などがあります。また、全身麻酔が原因で死亡に至ってしまったケースは極々まれではありますが、報告されています。

痛みが続く

麻酔が切れてからしばらくは痛みが続くことがあります。担当した獣医の技術などによりますが、数週間ほど痛みが継続することもあり、愛犬にとっては強いストレスになってしまいます。

感染症になる

耳を短く切った後、切断縁を縫合もしくは医療用の接着剤のようなものでふさぎます。まれにこの傷口部分から感染症にかかることがあります。

性格面に影響が出る

先ほど痛みが続くと説明しましたが、それが原因でトラウマが形成されたり、神経質になるなど性格面に影響が出てしまうおそれがあるとも言われています。

国で異なる考え方

日本では、断耳について特に禁止はされていません。そのため、行っても違反になることはありませんが、現在は実用的な目的ではないことから、わざわざ行わない人も増えています。

海外ではどうかというと、ヨーロッパではペット動物の保護に関する欧州協定というものがあり、この協定に同意したイギリス・フランス・オランダ・スイスなど多くの国で禁止されています。

アメリカにおいては、獣医師会は美容目的の断耳は動物虐待にあたるとして否定的な見方をしていますが、純粋犬種の犬籍管理などを行うアメリカンケネルクラブでは容認されています。

断耳ができる獣医はごく一部

動物病院ならどこでも断耳ができるというわけではありません。獣医はあくまで病気やケガを治療したり、健康をサポートするために存在しています。美容目的かつ必須ではない断耳に関しては獣医を養成する学校でも実習などが行われることもありません。そのため、断耳を断る病院も多いです。
また、断耳を依頼する際は技術と経験がある獣医師を選ぶ必要があります。経験が浅かったり、技術不足の獣医師が担当すると、術後の痛みが長引く、左右の耳の形が違うなどの問題が生じます。

まとめ

譲り受ける際にすでに断耳されていることもありますが、そうでない場合は飼い主さんの判断にゆだねられます。どうしてもピンっとたった耳のほうがいいな…ということであれば、もちろん行っても良いと思います。ただ、断耳は愛犬にかかる負担が大きく、リスクがあるということはしっかり理解しておく必要があります。
さらに、動物病院は全国にありますが、断耳を行ってくれる病院、獣医は少ないということもあらかじめ知っておいてください。

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この記事の監修者

犬の家&猫の里 編集部

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