柴犬と秋田犬の歴史の違い

柴犬も秋田犬は両者とも東南アジアで分布していた「バリア犬」がルーツとされ、縄文時代に渡来した際に独自の進化を遂げたとされています。

先祖は同一の種であるようですが、柴犬と秋田犬はそのルーツが結構違います。まず柴犬は猟犬でウサギや鳥などの小さい動物を狩るのに使役されたとされ、人間との関係は良好だったようです。

対して東北地方で飼育されていた秋田犬は同じく使役犬でしたが、その用途は「闘犬」つまりは娯楽のために犬同士で殺し合いをさせられていたという、可哀そうなルーツを持っています。

そのような生い立ちの違いから、同一の種を先祖にもちながらも、性格や体形に環境的な要因が加わることで柴犬と秋田犬という2種に分かれるようになりました。

柴犬と秋田犬の外見の違い

外見はとにかくそっくりな、柴犬と秋田犬。パッと見で区別をつけるのは非常に難しいですが、よく見るとそれぞれに特徴があります。

大きさ

• ・柴犬の平均体高…35～41ｃｍ
• ・秋田犬の平均体高…61～71ｃｍ

上記のように柴犬は小型犬に分類される大きさで、秋田犬は大型犬に分類されるので、両者は体の大きさが違います。

犬の体の大きさは個体差があるものですが、数字で比べてみるとかなり平均値にひらきがありますので、一番わかりやすい違いです。

自分より小さな動物の狩りをしていた柴犬と違い、秋田犬は戦いに勝つためより大きくなるように外来種を含む大型犬との交配が重ねられたことにより大型化したようです。

顔つき

柴犬と秋田犬は顔つきで見分けるのはとても難しいですが、実は違いが出やすい部分があります。

その違いは「耳の形です」両者ともに三角の立ち耳ですが秋田犬の方が分厚い傾向にあります。

続いての違いは「顔立ち」です。パーツの一つ一つはそっくりなのですが、柴犬の方が全体に広がって整った印象で、秋田県は中心に寄り気味で少し子供っぽい印象です。

柴犬と秋田犬の性格の違い

柴犬と秋田犬は古来から日本で生活していただけあって、忠義に厚く勇敢な侍のような性格をしています。

また、ゴールデンレトリバーやトイプードルのように社交的なタイプではなく、飼い主に対して特別な愛情を抱く一途さんなところも一緒です。しかし、両者の性格には正反対な面も存在します。

穏やかな相棒タイプの柴犬

柴犬は基本的にはマイペースで穏やかです。吠えやすいとされるスピッツタイプでありながら、比較的無駄吠えの少ない犬種で、知能が高いのでしつけもしやすいです。

警戒心の強さはありますが、人間との関係を築きやすく、社会性を身に着ければとても優等生となります。それでいて寂しがりやでもあるので、コミュニケーションをとりたがるタイプです。

忍耐強く頑固者なので、忠誠を誓った相手には生涯をかけ尽くし、良き相棒となってくれるでしょう。

忠義に厚いボディガードタイプの秋田犬

秋田犬が現在の姿になったのは、江戸時代に闘犬目的で「マタギ犬」という大型種との交配をさせたことがきっかけとされています。

つまりは秋田県の歴史は闘犬の歴史であり、そのためそのときの本能が残っていて気性が荒く、攻撃的なところがあります。そのため、地域によっては飼育を禁止しているところもあるくらいです。

しかし、飼い主を生涯待ち続けたことで有名な「忠犬ハチ公」のハチは秋田犬です。つまりは忠誠心の厚さは折り紙付きということであり、持ち前の勇敢さで飼い主を守るためならどんな相手にも立ち向かってくれるでしょう。

初心者には柴犬がお勧め

柴犬も秋田犬も社交的なタイプではないので、実は飼育が難しい方の犬種です。初心者には両者ともあまり向きませんが、どうしても日本犬を飼いたいというなら柴犬を推奨します。

柴犬も秋田犬も知能は高いですが、秋田犬の本能である攻撃性はしつけを間違えると大変な事態を招いてしまいます。

秋田犬の凶暴化はしつけを怠たった飼い主の責任ではありますが、リスクの高い犬種であることは事実です。

そういった意味では、穏やかな気質をしている柴犬の方が飼いやすく、サイズも室内飼いに丁度良いくらいです。

しかし、だからといってしつけの必要がないというわけではありません。柴犬も元は猟犬なので、警戒心の強さや攻撃性はあるため、凶暴化のリスクは存在します。

まとめ

柴犬と秋田犬、同一の先祖を持つとされているだけあって、そっくりな外見です。本記事で述べたようなことを知らなければ、見分けがつかないでしょう。

柴犬と秋田犬の一番の違いはそのルーツであり、穏やかな柴犬と攻撃的な秋田犬という性格の違いは、それぞれの歴史的な背景によるものです。

どちらも、しつけが重要な犬種であることは変わりなく、柴犬・秋田犬を飼うなら大きな責任が生じることをお忘れなく。

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