マルチーズの特徴や性格は？飼い方やしつけ方を紹介します！

マルチーズの特徴

歴史

マルチーズの祖先は、紀元前1500年頃にフェニキア人がマルタ島へ持ち込んだ犬と言われています。もともと小型犬だったこととその美しい気品溢れる見た目から、古くからヨーロッパの貴族の間で愛玩犬とされていました。
初期は純白以外の毛色をしたマルチーズもいたのですが、交配を重ねていくうちに純白な毛色に固定されていったようです。

大きさ・体重

マルチーズは小型犬に分類され、成犬になっても体高25㎝、重さは2.5kg～3.0kgほど。女性が長時間抱っこしていてもあまり苦になりません。
体格はバランスの良いスクエア型をしていて、引き締まった体つきです。足取りも軽く、生き生きと歩き回ります。風に優雅に靡く被毛の美しさといったら、他の犬種では味わえない魅力です。

毛の色

マルチーズの毛色は純白のみとなっています。
初期のマルチーズは白以外の毛色をした子もいたようですが、白い毛色で固定されるようになりました。ドッグショーでは全身が純白の毛色で、瞳や鼻が真っ黒なマルチーズが評価されます。

平均寿命

マルチーズの平均寿命は13歳前後と言われています。
小型犬の寿命は12～15歳とされていますので、マルチーズは小型犬のなかではやや短命な犬種ですね。
しかし近年は医療技術が進歩したり、ペットの健康に配慮したドッグフードが増えたりしていますので、飼い主さんが愛犬の健康管理に気を遣ってあげれば平均寿命以上に長生きしてくれることでしょう。

マルチーズの性格

マルチーズは陽気さと落ち着きを両方持った犬種で、知的な振る舞いをします。意外なことに大型犬の血を引いているわけではないのに、大胆でどしっと構えた性格をしています。
また飼い主のことが大好きで甘えん坊な反面、分離不安症になりやすいですが、しっかりとメリハリをつけて接すれば良きパートナーとして飼い主の傍にいてくれますよ。
陽気で活発という面も持ち合わせているため、飼い主さんとのお散歩や一緒におもちゃで遊ぶことが大好きです。

子犬期の性格は？

穏やかで子どもにも寛容なマルチーズですが、子犬期は社会性を身につけるため、非常に好奇心旺盛です。この時期の経験やしつけで犬の性格が決まるとも言われていますので、飼い主さんは子犬期からきちんとしつけるようにしましょう。

オスメスでの違い

マルチーズは基本的にオスの方が穏やかでおっとりしていると言われています。メスは子犬を生み、育てる必要があるために気が強い傾向があるようです。もちろん、それぞれの個体によって異なるので、しっかり観察して性格を知ってあげることが大切です。

マルチーズの飼い方

食事

食事は基本的にドッグフードのパッケージに記載されている量、回数を与えるようにしてください。子犬期、成犬期、老犬期でドッグフードの種類や与える量、回数が異なりますので、飼い主さんは成長段階に応じて食事を調整するようにしてくださいね。

また、マルチーズのような小型犬は消化器官が小さく、空腹状態が続くと低血糖症になりやすいため注意しましょう。

運動

マルチーズは愛玩犬として室内で飼われ続けてきたので、そこまで運動を必要としない犬種です。運動にかんしては部屋の中で動き回ったり、ゲームをして一緒に遊んであげたりするだけでも十分と言われています。

しかし、日光浴や気分転換、外の世界を知る意味でも軽いお散歩は必要です。
美しい被毛や気温のことも考慮し、天気の悪い日は外に出すのを控え室内で運動させるなど、無理に散歩させる必要はありませんが、定期的にお散歩に連れて行ってあげてくださいね。

マルチーズのしつけ

マルチーズは温厚で落ち着きがあり、賢いのでしつけがしやすいと言われています。アパートやマンションなど集合住宅での飼育を考えている方、また初めて犬を飼育される方には特におすすめです。

基本的にはしつけのしやすい犬種ですので、「優しく教えてあげる」、「褒めてあげる」ことを徹底すればとても良い子に育ってくれます。

しかし溺愛しすぎても飼い主以外に対して排他的になってしまい、神経質な面が出てきてしまうので、毎日節度のあるスキンシップを心掛けることが必要です。
甘えん坊な反面、寂しさから無駄吠えをするようになってしまったり、攻撃的になってしまったりもするため注意しましょう。
甘えん坊だからといって甘やかしすぎないことが、マルチーズをいつまでもかわいがる秘訣です。

マルチーズの気を付けたい病気

膝蓋骨脱臼

マルチーズのような小型犬は膝蓋骨脱臼になりやすいとされています。
膝蓋骨脱臼とは、「膝蓋骨」という膝のお皿の骨が正常な位置から外れてしまうことを言います。足腰に負担をかけないことが膝蓋骨脱臼の予防になりますので、マットを敷いたり高いところから飛び降りないように工夫したりすることが大切です。

流涙症

流涙症は涙点の排泄障害や角膜炎など何らかの原因で目から涙が溢れ出てしまう病気です。マルチーズやプードル、シーズーなどが流涙症になりやすいと言われていますので、飼い主さんは日頃から愛犬の目をケアしてあげる必要があります。

低血糖症

低血糖症は血糖値が低下してしまう病気で、マルチーズがかかりやすいとされています。子犬期に低血糖症になることが多いのですが、成犬になっても発症することがあるため注意が必要です。
低血糖症になるとぐったりしたり、ふらついたり様々な症状がみられます。血糖値を上げられるように、食事管理を徹底しましょう。

僧帽弁閉鎖不全症

老犬期に入ると、マルチーズの多くは僧帽弁閉鎖不全症にかかると言われています。
僧帽弁閉鎖不全症とは心臓の僧帽弁という弁が閉まらなくなり、血液が逆流してしまう病気です。
僧帽弁閉鎖不全症になると呼吸困難になったり咳をしたりしますので、マルチーズにこのような症状がみられたら僧帽弁閉鎖不全症を疑いましょう。

マルチーズを飼う上での注意点

マルチーズは温厚で賢いため飼いやすいと言われる犬種ですが、以下のことには気をつけて飼育しなければなりません。

温度管理に気をつける

純白で長い被毛に覆われているため寒さには強いと思われがちですが、マルチーズはシングルコートのため暑さ、寒さに弱い犬種です。
自分で体温調節するのが苦手なので、飼い主さんが愛犬の過ごしやすい室温に調整してあげるようにしてください。
夏や冬のお散歩は、外に連れ出す時間帯に気を遣ったり、洋服を着せるなどの工夫をしましょう。

関節に負担をかけない

マルチーズのような小型犬は関節が弱くて膝蓋骨脱臼などになりやすいため、関節に負担をかけないような環境を整えてあげることが大切です。
フローリングは滑りやすいので、カーペットやラグを敷いてあげると良いでしょう。また、ソファーや椅子などの高いところから飛び降りないようにしつけましょう。

長時間の留守番は避ける

マルチーズは飼い主さんのことが大好きで甘えん坊な反面、分離不安症になりやすいため、なるべく長時間の留守番は避けるようにしてください。
分離不安症のほか、子犬期は特に低血糖症になりやすいので、愛犬と一緒にいる時間を確保するよう心掛けてください。愛犬に何か異変があったら、すぐに動物病院を受診するようにしましょう。

マルチーズのお手入れ方法

ブラッシング

マルチーズはシングルコートのため抜け毛は少ないのですが、毎日ブラッシングしてあげるのが理想です。
絹のように美しい被毛は絡まりやすく毛玉もできやすい為、美しい被毛を保つためにはブラッシングが欠かせません。
飼い主さんは愛犬とスキンシップをとりながら、優しくブラッシングしてあげてくださいね。

シャンプー

マルチーズの場合、夏は月に2回、冬は月に1回ほどを目安にシャンプーしましょう。
ブラッシングしてからシャンプーして、ドライヤーで乾かしながら再びブラッシングで毛並みを整えれば、マルチーズならではの美しい被毛を保てます。
シャンプーを嫌がる子は多いので、徐々に慣らしていくようにしてくださいね。

トリミング

マルチーズの毛は放置していると伸び続けてしまうため、月に1回を目安にトリミングするようにしてください。

マルチーズは純白の長い被毛をまとっているものがスタンダードで、その他に種類はありません。そのため見た目の個体差はありませんが、豊かな長い被毛はカット次第で自由自在に様々な姿を見せてくれます。

カットの種類としてはこれぞ貴族に愛されたマルチーズ、と言える伝統的なフルコートに、各部位をカットして他の犬種に似せるカット、夏場をしのぐためのサマーカット、その他お好みで個性を出すカットなど、カット次第ではマルチーズと分からないような見た目を楽しむこともできます。

目のケア

純白で美しい被毛のマルチーズは、涙やけになると非常に目立ちます。
飼い主さんは日頃から愛犬の目をケアしてあげましょう。
涙やけができていたら、涙焼け専用のローションを含ませたコットンで優しく拭き取ります。涙やけがとれたら乾いたコットンで拭いてあげれば完了です。

涙やけの原因や対策については以下の記事で詳しくご紹介していますので、ぜひ参考にしてくださいね。

関連記事：マルチーズの涙焼けの原因と対策を紹介します

まとめ

シルクのような被毛が美しいマルチーズは、見た目だけでなく性格も明るく甘えん坊と、とってもキュート。短命な犬種でありながらも人気な犬種なのも納得ですね。
マルチーズならではの性格や特徴を理解して接すれば、良きパートナーとして寄り添ってくれることでしょう。