ボストンテリアは斜視が多い?心配しなくて大丈夫?
ボストンテリアは、白黒の柄と温厚でどっしりとした性格で人気の犬種です。
また、その他の特徴として「斜視」が挙げられます。
ボストンテリアを飼っている方、これから飼おうと思っている方の中にも「斜視」を心配する声が見られます。
ここではボストンテリアの持っている顔の特徴でもある「斜視」についてご紹介していきます。
斜視とは?
一般的にものをみるときには、左右の両方の目が見ようとするものの方向を向いています。
ところが、片方の目が見ようとするものを見ているにも関わらず、もう片方の目が目標と違う方向を向く場合があります。
これを斜視といいます。
斜視と間違いやすい「瞬膜」とは
犬の目頭にもともと備わっているもので「瞬膜」または「第三眼瞼」とも呼ばれます。
犬の瞬膜は、まぶたと同様に物体や刺激などから目を保護する機能のほか、涙の一部を分泌し、それを角膜に行き渡らせる役割があります。
正常な瞬膜は、白~淡いピンク色をしており、角膜の全体を覆うほどの大きさですが、目を開けると目頭部分に収まるためあまり目立ちません。
ボストンテリアの特徴
ボストンテリアは「離れ気味で大きな目」「短い鼻」「ぴんと立った耳」など、愛らしさを感じる顔立ちの持ち主です。
小さいながら、引き締まった筋肉質な身体には、力強さを感じることができます。
毛質はスムースコートでとてもなめらか、光沢があります。
毛色は「ブリンドル&ホワイト」が基本で、「ブラックブリンドル&ホワイト」「シールポイント&ホワイト」「ブラック&ホワイト」「マホガニーブリンドル&ホワイト」などがあります。
特徴的で温和な性格は「タキシードを着た紳士」という異名が付けられるほどです。
人懐っこく愛嬌があり、やさしい性格で、相手を傷つけることを好まず、無駄に喧嘩をすることも好みません。
子供さんのいる家庭でも安心して飼うことができます。
感受性が高く、飼い主の意思や気分、声に敏感に反応する知的な一面も持ち合わせています。
ボストンテリアは斜視が多い?
斜視とは両目または片目がまっすぐむいていても、視線が違う方を向いている状態のことです。
ボストンテリアの半数は片目が内側や外側、上下や斜めを向いているといわれています。
ボストンテリア以外にも先天性による斜視が多い犬種として、ブルドッグ・パグ・チワワがあげられます。
犬の斜視では次の症状が挙げられます。
斜視の症状
- ・歩きにくそうにしている
- ・壁や物によくぶつかっている
- ・物を口でうまく掴むことができない
ちなみに、犬の斜視による視力への影響はないと考えられています。
斜視に関する病気
ボストンテリアの斜視に関して、病気とは違った特徴もありますが、斜視に関する病気も知っておきましょう。
ここでは、斜視に関する病気について紹介していきましょう。
水頭症
犬の斜視があらわれる病気に水頭症があります。
水頭症とは多くの脳背髄液が頭蓋内に異常に溜まり、脳神経を圧迫することで様々な神経症状を引き起こす病気です。
遺伝や奇形で起こる先天性と、腫瘍や外傷などで起こる後天性に分けられます。
障害を受ける部位や進行状況、期間によって様々ですが、主な症状として以下が挙げられます。
水頭症の主な症状
- ・斜視
- ・痙攣
- ・意識障害
先天性では頭蓋骨のつなぎ目部分がしっかり繋がらず隙間が空いています。
この部分を「泉門」といいます。
好発犬種はチワワ、トイプードル、ヨークシャテリアなどの小型犬や、ペキニーズ、ブルドッグ、ボストンテリアなどの短頭種に比較的多くみられるようです。
治療方法としてはステロイド剤や利尿剤を使用して脳内の圧を下げる治療や外科手術をします。
外傷が原因の場合は同時進行で外傷の治療も行われることもあります。
脳腫瘍
犬の眼科疾患、特に斜視や眼振があらわれやすい病気として、脳腫瘍も注意したい病気です。
脳腫瘍は特に7歳以上の高齢犬に多くみられます。
しかし、症状が認知症とよく似ており、見分けが難しいため発見が遅れてしまうこともあるようです。
犬に見られる症状としては、斜視や眼球が左右に揺れ動く「眼振」などがあります。
犬の眼科疾患、特に斜視や眼振があらわれやすいとして脳腫瘍も注意したい病気です。
脳腫瘍の主な症状
- ・嘔吐(嚥下障害を伴う)
- ・てんかん発作
- ・同じところをグルグルと回り続ける
- ・意識障害
腫瘍ができる部分によって症状は多少異なってきます。
ボストンテリア・パグ・ブルドッグなどの短頭種が好発犬種であり、遺伝の他に外傷によるものが原因の場合もあると考えられています。
確定診断をするためには、MRI検査が行われるので設備が整った病院や、大きな病院へ検査しに行く必要があります。
治療方法としては、抗てんかん薬で発作を抑え、放射線治療や抗がん剤の投与などが勧められます。
手術をおこなう場合は、高齢犬に全身麻酔をするリスクと体力を考えて、獣医師との話し合いが大変重要です。
また、ステロイド剤による炎症や痛みの緩和、食事やサプリメントで糖質を抑えるなどのサポートも有効といわれています。
子犬のうちは心配不要
ボストンテリアの幼犬は「斜視」の子が多いという特徴があります。
遠近感がうまくつかめないため、「歩きにくそう」「壁にぶつかる」「ものをうまく掴むことができない」という症状はみられます。
ただし、多くは成犬になる成長過程で眼球の筋力の発達とともに治ることがほとんどです。
子犬のうちは過度に心配しないようにしましょう。
まとめ
ルックスの良さと温厚な性格で人気のボストンテリアは、遺伝的疾患のリスクも少ない犬種です。
斜視と聞くとビックリするかもしれませんが、大半の子は健康上問題なく他の同じように過ごすことができます。
家族同様にたっぷりの愛情で迎えてあげてくださいね。
犬の家&猫の里 編集部
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