性別による違い

一般的に雄よりも雌の方が飼いやすい、という意見が多いようです。雄の方が体格も大きく、力も強く、攻撃的だからでしょう。雄はなわばり意識が強く、家の外を歩く人や犬に対して攻撃的になることがあります。雌は穏やかで、なわばり意識はそれほどありません。番犬にするなら雄犬の方が向いているでしょう。また雄は成長するとマーキングのために足を上げて排尿することが増えます。尿が壁などにつかないように、室内で飼う場合は雄犬専用トイレもあります。でも雄の無駄吠えや攻撃的になるのは、単に運動不足が原因だったり、しつけをすれば解決できることもあります。一方、雌は穏やかで落ち着くのも早いのですが、性格はちょっと繊細で複雑です。ですので雌の問題行動が起こった時には解決しづらいケースもあります。健康面ではどちらが丈夫ということもなく、寿命は同じくらいです。

雌の発情期

雌にはだいたい年に２回妊娠可能な発情期があります。ヒートと呼ばれる生理が来ると妊娠の準備が始まり、排卵の影響で陰部が腫れてきます。この時期の雌はとても不安定で、そわそわと落ち着きがなくなったり、警戒するようになったりします。出血があるので、室内飼いの場合は掃除が大変になり、工夫が必要です。だいたい1～2週間くらい出血が続き、出血が減ってきたら、その前後５日間が妊娠可能な時期です。雌は雄の近くに行こうとしますし、雄は雌に刺激されて興奮し生殖行為を行おうとします。外で飼われている雌がいつのまにか妊娠していたとか、散歩中飼い主同士が話に興じていたら、お互いの雄雌が生殖行為に及んでいた、なんてことも聞きます。望まない妊娠をしないように、この時期雌は雄に近づけないようにしましょう。繁殖しないのであれば、避妊・去勢することも考えてみてくださいね。雄には特に発情期はありません。

飼い主との相性

飼い主がゆったりとマイペースに散歩したいと場合には、雌の方がいいかもしれませんね。雄の方がパワフルな分、ありあまったエネルギーを発散するためには運動量が必要になります。また雄はいつも散歩する範囲を自分のテリトリーだと思っているので、パトロールを兼ねた散歩意欲が強いのです。特に活動的で遊び好きの犬の場合は運動や遊びで発散することが大切なのですが、雌が比較的早く落ち着くのに比べると、雄はいつまでもやんちゃで遊びたがる犬が多いようです。ですので、犬と積極的にパワフルに遊びたい、長い散歩も運動量も苦にならないという飼い主なら、長く一緒に遊べる雄の方がいいかもしれませんね。逆にあまり遊びたがらない落ち着いた雌には物足りなさを感じてしまうかもしれません。雄か雌かどちらがいいのかは、自分の好みとライフスタイルをよく考えて決めてくださいね。

まとめ

雄はパワフルでダイナミック、でも単純でいつまでもやんちゃ坊主。比べて雌は大人しく優しい。確かにそんな面もありますが、性の差よりも個体差の方が大きい気がします。そして飼い主との相性は、雄雌関係なくその犬の個性と飼い主の好みの問題ではないでしょうか。雄と雌の特性を知り、自分の選んだ犬との暮らしに生かしてくださいね。