コラム・豆知識
注目のワンちゃん、ネコちゃん
猫のしっぽが下がっている時の感情は?病気の心配はある?
猫のしっぽは、感情に合わせて様々な動きをしています。いつも動きのある愛猫のしっぽが下がって元気がないと、心配になりますよね。では、猫のしっぽが下がっている時には、どのような感情なのでしょうか。
この記事では、猫のしっぽが下がっている時の感情について解説していきます。あわせて心配される病気もお伝えしますので、愛猫の様子と照らし合わせて、チェックしてみてくださいね。
猫は尻尾でキモチが分かる?
猫は気持ちや感情を表情からは判断しにくいものです。猫の気持ちが分からないという方は、尻尾の動きやしぐさに注目してみてください。
猫の尻尾には、暗いところを歩くときにバランスを取るためだけでなく、感情を伝える役割もあるのです。猫同士では尻尾はコミュニケーションを図るツールであり、愛情表現などの手段としても使われます。
愛猫の機嫌の良し悪しは、尻尾の動きを見ると分かりやすいです。
ピンと立てる、左右に振る、毛を逆立てる、先だけピクピクさせるなど、しっぽを使って感情を豊かに表現しています。
尻尾を見るときには、尻尾の高さ、動き、毛の逆立ち具合など、尻尾の先端まで観察してみると、より感情を読み取りやすいです。その際、尻尾だけでなく、瞳孔の開き具合、体の力み具合もあわせてチェックし、総合的に判断してみてください。
猫が尻尾を下げている時の気持ちは?
猫の尻尾の上げ下げには、気分の浮き沈みの意味もあります。尻尾を下げている時は、ネガティブな気持ちや感情を抱えている場合が多いです。愛猫の様子や状況に応じて、適切に対応しましょう。
悲しい
猫の尻尾が力なくだらりと垂れている時は、悲しい感情を表しています。叱られた後、狩りや遊びで失敗してしょげている時によく見られる仕草です。悲しい時以外にも、寂しかったり、不安を感じたりしている時にも尻尾が下がりがちになります。
愛猫がこのような気持ちの時は、尻尾が下がっているだけでなく、歩き方や佇まいも、どことなく弱気でしょんぼりしている様子に見えます。
飼い主さんは静かに見守る、慰めるなどしてあげると良いです。愛猫がリラックスできるように、優しく穏やかに接してみてください。愛猫の様子が落ち着いたら、遊びに誘って、ストレスを発散して気分を変えてあげるなど、フォローしてあげましょう。
脅えている
尻尾に力が入って、先端をお腹に巻き込むしぐさをしている時は、怖さを感じ、脅えている可能性が高いです。猫は恐怖心を感じた時に、尻尾の先端を隠す、耳を寝かせる、うずくまるなどして、体を小さく見せようとします。特に内気な性格の猫によく見られる行動です。
尻尾を丸め込む仕草は、相手から威嚇された時に、身を守って攻撃を受けにくくするための防衛反応です。猫同士のケンカの場合は、自分を襲わないでほしいという相手へのサインでもあります。
恐怖心や警戒心が高く緊張状態にあるため、体だけでなく心も萎縮しています。愛猫の恐怖心の元になっている原因を排除し、むやみに構うのは止めましょう。
注意が必要な場合
常に尻尾がだらんとしている時は、病気などで体調が悪いことも考えられます。尻尾を上げる気力や体力がないのかもしれません。また、強い痛みを感じている可能性もあります。愛猫の様子を観察し、尻尾の動きが悪い、食欲がいつもよりないという場合は、獣医師さんの診察を受けましょう。
椎間板ヘルニア
背骨と尻尾は繋がっているため、椎間板ヘルニアを起こしていると、尻尾の動きにも麻痺や異常が見られることがあります。歩く時に尻尾が上がらなくなったという場合は、椎間板ヘルニアを起こしているかもしれません。
以下のようなことが見られたら、要注意です。
- ・触ると痛そうな声で鳴く。
- ・段差があるところに行かなくなった。
- ・立った姿勢がいつもと違う。
また高齢猫やくる病などの猫はヘルニアになってしまうことがあります。マンチカンのような胴長で足が短い種類は、腰への負担が大きく、ヘルニアになりやすいです。
馬尾症候群
馬尾症候群とは、脊髄の下端から尻尾に向かって伸びている「馬尾」と呼ばれる神経の束に異変が生じた状態をいいます。
主症状は、以下のようなものです。
- ・尻尾の付け根を触ると痛がる。
- ・尻尾が動かない。
- ・自力でおしっこができず、膀胱に尿が溜まる。
- ・排便コントロールができず、垂れ流す。
- ・後ろ足の動きがおかしい。
- ・運動を嫌がる。
馬尾症候群の原因は大きく2つに大別されます。
- ・先天性奇形:脊髄や神経の機能を損なう。
- ・後天性の外傷:尻尾の骨折や脱臼といったケガ。
先天性奇形は少ないですが、後天性外傷の「交通事故」やいたずらによる「尻尾引っ張り外傷」はやや多く見られます。ヘルニア由来の馬尾症候群もありますが、猫の脊柱は柔軟性があるため、稀なケースです。
先天性奇形の治療は、自然治癒することがないため、外科的手術が必要です。
一方、後天的外傷は、神経の機能が自然回復するまで安静にし、できるだけ尻尾や腰への負担を減らすように心がけます。
体の負担の軽減のために、愛猫の飼育環境も整えてあげることも重要です。
また、膀胱の機能が回復するまでは、トイレが自力でできません。溜まった尿を定期的にカテーテルで排出する、浣腸などでお腹を空にするなど、排泄のケアが必要です。
まとめ
猫は尻尾で感情や気持ちを表現します。尻尾が下がっているときは、悲しさや寂しさを感じている場合や、恐怖で脅えている状態であることが考えられます。
愛猫が悲しさを感じているようなら、優しくなだめる、リラックスできる雰囲気を作ってあげるなどしてみてください。落ち着いたら、気分を変えるために遊んであげると良いです。
恐怖で尻尾を丸め込んで脅えている場合は、身を守るための防衛反応を示しています。緊張状態にあるため、できるだけ刺激せずに、落ち着きを取り戻すのを待ってみてください。
また、尻尾を常にだらんと下げている状態の場合は、病気の可能性がありますので、動物病院での診察が必要です。尻尾が下がった症状が見られる病気には、椎間板ヘルニアや馬尾症候群があります。早めに発見して、治療を受けることが大切です。
日頃から愛猫の様子に気を配ることで、身体の異変にも気づきやすくなります。愛猫との暮らしを充実させるためにも、愛猫の気持ちを汲み取り、より良い関係を築いていきましょう。
犬の家&猫の里 編集部
犬の家&猫の里は、ワンちゃんネコちゃん専門のペットショップです。
動物病院やトリミング施設を併設した店舗、ペットホテルの運営など、
飼い主さまと大切なペットを末永くサポートさせて頂きます。
日々ワンちゃんネコちゃんに対する知識レベル向上に励み、みなさまに
お役立ち情報をお届けします。
注目のワンちゃん、ネコちゃん
その他の記事