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愛犬が背中を向けるのはなぜ?知っておきたい犬の気持ちについて
愛犬に背中を向けられて、「もしや嫌われている?」と不安になる飼い主さんもいるかもしれません。背中を向ける愛犬の気持ちを知ることは、信頼関係を再確認するきっかけになります。
この記事では、愛犬が背中を向ける理由や、信頼されているサインとなる行動について、解説していきます。愛犬が示すサインを見逃さず、良い関係を保っていきましょう。
背中を向けるのは信頼されているサイン
愛犬が背中を向ける行動は、飼い主さんへの揺るぎない信頼の気持ちを表しています。
元々野生で狩りをして暮らしていた犬にとって、後ろ足は走るために欠かせない部位です。急所である後ろ足を敵の攻撃から守るために、仲間同士で背中をくっつけ合って休息を取っていました。
犬が背中を見せる行動は、野生で育った習性の名残です。背中を向けた相手に対して、仲間のように信頼を寄せている証でもあります。
背中を見せるということは、弱みを見せていると同じことです。信頼しているからこそ見せる行動であり、飼い主さんにとっては、むしろ喜ばしいことです。愛犬との間にしっかり信頼関係が築けているサインだといえるでしょう。
背中を向ける理由
背中を向ける行動は、信頼感を示すものですが、具体的にどのような理由があるか見ていきましょう。
相手に落ち着いて欲しいとき
犬は相手に落ち着いて欲しいと思っているときに、背中を向けることがあります。
犬同士で、無用なケンカや争いごとを避けるために見せる行動で、相手に敵意がないことを示し、相手の興奮を沈めようとしているのです。
また、飼い主さんが愛犬に怒っているときにも、同様の行動が見られることがあります。飼い主さんに対して「気持ちを落ち着かせて欲しい」、「そんなに興奮しないで」という気持ちのアピールや、「まだ怒っているの?」という不安の感情が強いときに見られる行動です。
くつろいでいる
愛犬は飼い主さんに背中を向けることでリラックスして、くつろいでいるのかもしれません。
背中を向けた姿勢は、犬にとってはとても無防備な状態です。無防備になっても大丈夫だという安心感があるからこそ、信頼している飼い主さんに身を預けて、ゆっくり過ごすことができるのだといえます。
甘えたい・撫でて欲しい
飼い主さんに甘えているときに、背中を向けてくる場合があります。犬によって、甘え方は違うものです。
犬は元々群れで暮らしていたため、リーダーに従う習性があります。愛犬との関係が良く、主従関係がしっかりできているため、甘えたい気持ちを行動に表すことができるのです。
愛犬が背中を向けてきたときは、そっと優しく撫でて、安心感を与えてあげてください。
構わないで欲しい
犬同士で遊んでいるときに、しつこくされることを嫌がり、背中を向けることがあります。
もしも愛犬が相手の犬に背中を向けたら、少し距離を取るようにし、様子を見てください。
また、子供がいる家庭では、愛犬に構い過ぎてしまうことがあります。はじめは喜んで遊んでいたとしても、あまり構われると嫌気がさしてしまうかもしれません。背中を向けたときは、「これ以上相手にしないで」というサインになります。
愛犬の気持ちや様子に配慮して、接することも大切です。
その他の信頼されているサイン
背中を向ける他にも、信頼のサインとなる行動がありますので、チェックしてみてください。
お腹を見せる
愛犬がお腹を見せる仕草をする場合も、信頼されているしるしです。
犬にとっての急所であるお腹を見せる行為は、信頼している相手にしかしません。安心してリラックスしている状態だからこそ、寝転がってお腹を見せることができるのです。
また、お腹を見せる仕草には、相手への服従や降参の意味もあります。愛犬がお腹を見せるということは、飼い主さんとの主従関係がはっきりしており、安心感や信頼感を持って接しているのだといえるでしょう。
愛犬が寝転んでお腹を見せてきたら、撫でてあげてください。
顔を舐める
愛犬がペロペロと顔を舐めてくるのも、飼い主さんを信頼しているからこその行動です。
犬は子犬の頃、母犬をペロペロ舐めて甘えていました。その名残で、大好きな飼い主さんの顔を舐めることで、甘えたいという気持ちを表現しているのです。
顔でなくても、撫でている手を舐める場合も、同じ意味があります。愛犬が顔を舐めてきたら、遊んであげたり、抱っこしたりして、思いっきり甘えさせてあげてください。
ただし舐められた部分は不衛生ですので、きちんと洗浄しておきましょう。
お尻をくっつける
愛犬がお尻をくっつけた状態でいることも、飼い主さんを信頼している証拠です。
群れで生活していた犬は、背中をくっつけ合い、敵に警戒して過ごしていました。背中を預けるということは、飼い主さんをリーダーとして認め、信頼していることを示しています。
お尻をくっつけながらそっぽを向いていることも多いですが、視線だけでは図れないものです。体にお尻をくっつけているようなら、愛犬の信頼をしっかり勝ち得ており、愛犬との関係も良好だといえます。
そばで寝る
愛犬が飼い主さんのそばで落ち着いた様子で眠っているなら、愛犬に信頼されていると捉えて良いです。
かつて狩りをして生活していた犬は、敵に襲われたときや危険なときにもすぐ逃げ出せなくてはなりませんでした。そのため、犬は物音に敏感に反応し、眠りが浅い傾向があります。
そのような習性を持っている愛犬が、飼い主さんのそばでぐっすり眠っているようなら、かなり信頼しており、安心しきっている状態です。
愛犬が飼い主さんのそばで寝たがるのは、安心感から飼い主さんから離れたくないという気持ちを表しています。
また寝る場所によっても、信頼度が分かります。足元で寝ている場合は、飼い主さんを守る位置であり、信頼度が最も高いです。
離れても落ち着いている
飼い主さんが愛犬のそばを離れても落ち着いていられるなら、信頼されているサインだといえます。
元々群れで生活していた犬は、群れ(家族や飼い主さん)から離されると不安を感じやすいものです。それでも、愛犬に「必ず飼い主さんは戻ってくる」という信頼感があれば、落ち着いて待つことができるのです。
信頼関係が成り立っていると、お出かけや帰宅後の愛犬の反応も、それほど興奮せず、あっさりした対応であることもあります。
しつけにも活用できるカーミング
犬が背中を向ける行為は、カーミングシグナルのひとつです。カーミングは、しつけにも活用することができ、愛犬の気持ちを察する手段になります。
しつけ中に愛犬が背中を向けている場合は、ストレスに感じていたり、難しいことを要求したりしているのかもしれません。
きつく叱り過ぎていないか、要求が厳しくないか、飼い主さんもしつけの仕方を見直すきっかけになります。
カーミングは犬自身が落ち着きを取り戻すために有効です。愛犬が上手にカーミングを使えるようになれば、しつけもしやすくなります。
また犬が背中を見せることは、信頼と服従の気持ちを表します。犬をしつける上で、大切なのが信頼関係です。
厳しくしつけをする飼い主さんに、愛犬が敵意や不信感を抱いてしまうこともあります。飼い主さんの方が、愛犬の自分の背中を見せることで、「仲良くしたい」「敵意は持っていないよ」という気持ちを伝えることができます。
まとめ
犬が飼い主さんに背中を見せる行為は、最大級の信頼を示すサインです。
背中を向ける行為には、相手に落ち着いて欲しいときやくつろいでいるとき、甘えたいとき、構わないで欲しいときなど、様々な理由があります。状況や愛犬の気持ちを察して、対応することが大切です。
背中を向ける以外にも信頼を示す行動として、お腹を見せる、顔を舐める、お尻をくっつける、そばで寝る、離れていても落ち着いているなどがあります。
犬の行動や心理を知っておくと、犬の気持ちを理解できるだけでなく、人間の気持ちも伝えやすくなります。無意識に敵意を示す行動をして、誤解を生んでしまうことも少なくなるはずです。
愛犬が示す信頼感や愛情表現に気づき、受け入れていくことで、より絆を深めていきましょう。


犬の家&猫の里 編集部
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