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猫に炭酸水を与えても大丈夫なの?効果とデメリットについて
様々な健康効果が注目されている炭酸水。シュワッとした爽快な飲み心地が魅力ですよね。パチパチと弾ける炭酸水の気泡に、興味を示す愛猫も多いのだとか。人間にとっては健康に良いとされる炭酸水ですが、猫に与えても問題はないのでしょうか。
この記事では、猫が炭酸水を飲むメリットやデメリット、猫に危険な炭酸水について、解説していきます。炭酸水が猫に与える影響をしっかり理解しておきましょう。
猫が炭酸水を飲むのは大丈夫?
猫に炭酸水を与えることは推奨されていませんが、少量であれば与えても大丈夫だとされています。炭酸水を猫に与えたとしても、ペットボトルのキャップ1杯程度にし、大量に飲ませることは危険なので止めましょう。
猫に炭酸水を与えた場合は、体調の様子に注意してあげてください。炭酸ガスがお腹に溜まると、体調を崩してしまうことがあります。
飼い主さんが炭酸水を飲んでいると、愛猫が同じように飲みたがることも少なくありません。炭酸水に興味津々な猫も多く、手足でちょんちょん触ったり、水面に浮かんでくる気泡の動きをじっと観察したり、驚いたり、威嚇したりと様々な反応を見せてくれます。
飼い主さんにとっては、そんな愛猫の様子は微笑ましいものですが、猫の機嫌を取るために、炭酸水を気軽に与えることはおすすめしません。
猫に炭酸水を与えるメリットはある?
結論から言うと、猫に炭酸水を与えるメリットはないといって良いでしょう。
無糖の炭酸水は、人間には健康効果があることが知られており、日常の習慣として飲んでいる方も多いです。無糖の炭酸水は、血流を促進したり、満腹効果でダイエットに繋がったり、胃腸の調子を整えたりするなどの効果が期待できます。
ただし、人間には効果的でも、猫はその恩恵をあまり必要としません。そればかりか、猫にとって、メリットよりもむしろデメリットの方が大きいです。
炭酸水の中には、猫に与えてはいけないものもあるため、できるだけ控えた方が良いでしょう。
猫に炭酸水を与えるデメリット
猫に炭酸水を与えることで起こるデメリットは、どのようなものでしょうか。
炭酸ガスが体内溜まる
猫に炭酸水を与えると、炭酸水に含まれている炭酸ガスが体内に溜まり、体調不良をきたすことがあります。
炭酸水を飲めば、げっぷとして飲み込んだガスを外に排出するのが自然です。しかし、猫はげっぷをすることが苦手です。少量であれば外に出せますが、大量に飲み込むと、上手く外に出すことができません。
すると、胃の中に残ったガスによって、胃が膨れ、胃拡張や鼓腸症、胃捻転などの病気を引き起こすことがあります。場合によっては、命の危険もあるため、要注意です。
ミネラルの過剰摂取
猫に炭酸水を与えることは、ミネラルの過剰摂取になる可能性があります。
無糖の炭酸水は、ミネラルウォーターで作られており、ナトリウムやカルシウム、マグネシウムなどのミネラルが豊富です。
これらのミネラルは、猫の腎臓に負担をかけるため、高血圧や結石の原因となることがあります。
ミネラルの過剰摂取による影響は、炭酸水を飲んですぐに起こることではありません。ですが、習慣的に炭酸水を与えていれば、健康に及ぼす影響は大きくなります。
与えてはいけない炭酸水
ここでは、特に猫に与えてはいけないとされている炭酸水について見ていきます。
炭酸ジュース
糖分を多く含む炭酸ジュースは、猫に与えてはいけません。
そもそも猫は甘みを感じない動物です。甘い炭酸ジュースの味は猫には分かりません。
また、炭酸水に大量に含まれる砂糖を摂取することで、肥満に繋がるだけでなく、様々な病気を引き起こす要因となります。
糖分たっぷりの甘い炭酸ジュースは、猫には有害です。
カフェイン入りの炭酸
カフェイン入りの炭酸水も、猫に与えることは避けてください。
カフェインは、人間でも眠れなくなる人がいるなど、体に影響がある物質です。興奮作用が強いカフェインを猫が摂取すると、体調を崩す可能性があります。
体調に影響を与えるカフェイン量は個体差があります。どの程度のカフェインを摂ると、どのくらい体調に影響が出るのかは明確ではないため、猫に与えない方が安全です。
アルコールやぶどうの炭酸
猫にアルコールの入った炭酸水を与えるのは、絶対に止めてください。猫が飲むと、アルコール中毒を起こしてしまうからです。
猫はアルコールを分解する酵素を持たないため、体内にアルコールが有害な状態で残ってしまいます。酩酊状態になるだけでなく、最悪の場合は死に至ることもあるため、とても危険です。
また、猫にぶどうは有害です。急性腎不全を起こすこともあり、命にも関わるため、ぶどうの炭酸水は与えてはいけません。
手作りの炭酸水
手作りの炭酸水は、ナトリウムの過剰摂取に繋がるため、与えないでください。
炭酸水を手作りする場合は、クエン酸と重曹を使いますが、ナトリウム含有量が多いのが特徴です。
500mlの手作り炭酸水に含まれるナトリウム量は、食塩相当量だと約4gになります。猫が摂取すべき塩分量の上限が1日に3gなので、その上限を超える可能性が高いです。
ナトリウムを過剰に摂取すれば、腎臓疾患にかかりやすくなります。手作りの炭酸水を猫に与えるのは止めましょう。
猫を炭酸風呂に入れるのは大丈夫?
猫を炭酸風呂に入れることは、特に問題ありません。
最近では、猫も人間のように炭酸風呂に入れることがあります。
炭酸風呂の効用は、血行を促進や新陳代謝のアップ、皮膚や被毛の汚れの除去や臭いの軽減などです。さらに、しゅわしゅわとした炭酸風呂にはリラックス効果があり、ストレス解消にも繋がります。
ですが、そもそも猫は体臭がほとんどなく、基本的にお風呂に入れる必要がありません。猫は自分の体を舐めてグルーミングをして、汚れを落としているからです。無理にお風呂に入れることが、かえってストレスになってしまうこともあります。
また、油分が少ない猫の毛は、洗い過ぎると皮膚のバリア機能が低下して、皮膚トラブルを起こしやすくなります。
普段の猫のお手入れはブラッシングをしておけば十分です。頻繁にお風呂に入れるのは避け、年に1~2回程度に留めましょう。
まとめ
猫に炭酸水を与えるメリットはあまりなく、デメリットの方が多いです。
炭酸ガスが胃に溜まることで、胃拡張や鼓腸症、胃捻転などの病気を引き起こしたり、ミネラルの過多になったりする恐れがあります。
特に炭酸ジュースやカフェイン入りの炭酸水、アルコールやぶどうの炭酸水、手作りの炭酸水は、猫にとっては有害なので与えてはいけません。
人間にとっては健康的な炭酸水も、猫の体には悪影響を与える可能性があります。たとえ愛猫が炭酸水に興味を持って欲しがったとしても、与えることはおすすめしません。
愛猫の健康な暮らしのためにも、正しい知識を持って、適切に対応しましょう。
犬の家&猫の里 編集部
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