猫の毛色や模様には個性があり、さまざまですよね。猫は毛色によって、どのような違いがあるのでしょうか。 この記事では、猫の毛色や柄ごとに特徴や性格などをご紹介していきます。ぜひ参考にしてみてくださいね。

猫の柄（模様）は何種類？

猫の柄は、8種類のベースとなる毛色と4種類の模様の組み合わせにより、24種類あります。 基本となるのは、白、黒、グレーなどの単色や、キジトラ、サバトラ、茶トラといった縞模様、毛色が3色以上の三毛やサビなどです。 柄は、白が混ざったタイプ、全身に模様があるタイプ、トビ柄タイプ、模様が薄く入ったタイプです。 猫の模様は、父猫と母猫から受け継ぐ遺伝子が複雑に関与しており、遺伝子の組み合わせは個体ごとに異なります。親猫にはない柄や毛色が発現することもあり、同じ親から同時に生まれた子猫同士でも柄が違うことも多いです。 毛色が限定されている猫種では、そのまま親の毛色が遺伝することが多いです。両親が同じ猫種である場合は、親猫と同じような毛柄になる傾向があります。 生まれたときは色素が薄くて柄がぼんやりしていても、成長と共にはっきりして、毛色や柄が変わることも少なくありません。

ソリッド（単色）

ソリッドは、全身の毛色が1つの色(単色)で構成されています。

白

ソリッドの中でも、真っ白な毛色を持つ猫です。

白い被毛を持つ猫は、景色になじみにくく目立つため、野生では敵から狙われやすいです。常に警戒する必要があったため、警戒心が強く、神経質な性格だとされています。 また、独占欲が強く、気が強い個体も多いです。甘えん坊気質ですがクールに装い、信頼関係を築けている飼い主さんには、自ら甘えてきます。 白色の猫種：カオマニー・エキゾチックショートヘア・ペルシャ猫・ターキッシュアンゴなど。

黒

いわゆる黒猫と呼ばれる、毛色が黒一色の猫です。

見た目の印象とは異なり、人懐っこさがあります。 黒色の毛色は目立ちにくい色なので、野生時代でも白猫ほど警戒する必要がありませんでした。そのため、黒猫は警戒心があまりなく、甘えん坊で穏やかな性格の子が多いです。 黒色の猫種：アメリカンショートヘア・ジャパニーズボブテイル・マンチカン・スコティッシュフォールドなど。

グレー

ブルーキャットと呼ばれるグレーの毛色を持つ猫です。

落ち着いたおっとりした性格ですが、信頼していない相手には寄っていかない、繊細で神経質な一面もあります。 グレー色の猫種：ロシアンブル―、シャルトリュー・ブリティッシュショートヘアなど。

タビー（縞模様）

ストライプのようなはっきりした縞模様だけでなく、ブチやスポット、トラ柄などもタビーに含まれます。

キジトラ

最も馴染みのある模様のキジトラ。

茶色を基調とした毛色に、黒い縞模様です。色合いや縞の濃淡には個体差があります。 猫本来の気質である、強い警戒心を持っていますが、一度懐くと甘えてくる子が多いです。活発な性格のため、元気に動き回ります。長時間の抱っこは好みません。 キジトラの猫種：雑種。

サバトラ

サバトラは、基本のシルバーの毛色に、黒い縞模様です。 見た目が、魚のサバに似た色合いをしていることが名前の由来。 サバトラの中でも、お腹に白地が入る「白サバ」と縞模様が広い「サバ白」、おでこが八の字模様の「ハチワレ」がいます。 サバトラの性格は、警戒心が強くて慎重なタイプと大人しくてよく懐くタイプの2タイプです。

サバトラの猫種：雑種

茶トラ

赤っぽい縞模様が入ったうっすらオレンジ色をした毛色が、茶トラです。

キジトラよりも赤みが強く、茶トラのほとんどがオスです。 甘えん坊で、明るく社交的な性格です。茶トラは食欲が旺盛なので、肥満や生活習慣病にならないために、食事管理をする必要があります。 デリケートな一面もあるため、遊びや食べ物の好みを把握しておくことが大切です。 茶トラの猫種：アメリカンショートヘア・マンチカン・メインクーンなど。

バイカラー

単色に白色が入った2色の毛色の猫をバイカラーと呼びます。バイカラーは、猫の毛柄を多彩にしている要因のひとつといえるでしょう。

黒白

黒と白の2色の毛色を持った猫種です。

• ・黒が多い「黒白」：温厚でマイペース、人懐っこい
• ・白が多い「白黒」：基本は大人しいが気が強い

黒白の猫種：ジャパニーズボブテイル・ノルウェージャンフォレストなど。

三毛(キャリコ)

その名の通り3色の毛色(白、茶、黒)が、三毛猫です。 遺伝的な理由で三毛の大半はメスで、オスの発現は少ないです。好き嫌いがはっきりしており、マイペースで気分屋の傾向があります。

サビ

黒や茶、赤の毛色が混合した模様が、サビです。 三毛と同じようにあまりオスは生まれません。友好的でフレンドリーな性格で、甘えん坊です。 体が丈夫で、長生きする猫種とされています。 サビの猫種：エキゾチックショートヘア・ラガマフィンなど。

キジ白

キジトラと同じ模様が入ったキジ白ですが、顔の下側やお腹、足先などは白いです。 キジの部分の量で、性格に違いが見られます。キジの部分が多ければ、キジトラの気質を受け継ぎ、警戒心が強めの性格になるでしょう。 白地が多い場合は、物怖じせず、おおらかな性格の子が多いです。

サバ白

灰色の毛色に黒の縞模様が入ったサバ白は、足先やお腹などの部位が白地です。

サバトラに似た性格の人に懐きやすい穏やかなタイプと、慎重で繊細なタイプに分かれます。 白地が多いサバ白は、わがままでプライドが高い場合が多いです。

茶白

茶白は茶トラの柄がベースになっており、顔やお腹、足先などは白色をしています。 茶白は茶トラに似て、社交的で甘えてくる性格です。他の猫とも仲良くできるので、多頭飼いにも適しています。

その他

単色やタビー、バイカラーに属さない特徴的な柄や模様の猫もいます。

ハチワレ

ハチワレは、おでこから漢字の「八」の字のようになった模様です。

毛色は問わず、おでこが八の字に割れていれば、ハチワレになります。日本でポピュラーな模様のひとつです。 ハチワレの猫種：マンチカン・ノルウェージャンフォレスト・スコティッシュフォールドなど。

ポインテッド

体の一部分(鼻先や足先だけなど)に色が入っているのが、ポインテッドです。 猫が持つ「サイアミーズ遺伝子」が温度による毛色の発色に関与しており、温度が低いと色がつき、温度が高いと白地になります。 体の温度が低い末端の部位だけ、ポイント的に色がつくのが特徴です。 ポインテッドの猫種：トンキニーズ・シャム・ヒマラヤン・ペルシャなど。

ヒョウ柄

不規則で濃淡のある斑点模様がヒョウ柄です。 たくさんいる猫種の中でも、ヒョウ柄はベンガルしかいません。

靴下

靴下は、両足の部分だけ色が変わっている模様です。 雪靴を履いているような模様が特徴です。

国によっては、幸運の象徴として親しまれています。

靴下の猫種：スノーシュー・ノルウェージャンフォレスト・マンチカンなど。

模様で猫の性格は異なる？

猫の毛色や模様と性格に関連性があるかどうかは、はっきりとしたことは分かっていません。 個体差があり、育った環境によって、性格も変わってくるからです。 ただし、祖先であるヤマネコの血を受け継いでいるキジトラに近いほど、野生本能が強い傾向があります。警戒心が強く、すぐには心を開かない子が多いです。

一方で、人に保護されてから増えていった模様や柄の猫種は、人懐っこく、協調性があるとされています。

まとめ

猫の毛色や柄は、両親の遺伝子の掛け合わせで決まります。 8種類の毛色と4種類の柄を組み合わせた28種類の柄があり、個体により発現する柄が異なるところが、興味深いです。 全く同じ個体は存在しません。*それぞれの個性や持ち味のある猫たちです。毛色や柄ごとに異なる性格の傾向を参考にしてみると良いでしょう。 ぜひ気に入った柄の猫を見つけてみてくださいね。