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エリザベスカラーとは?使い方と猫が嫌がる場合の対応方法
エリザベスカラーをご存じでしょうか。大きな襟巻きのような形で、見た目はエリマキトカゲのようですよね。手術後や病気の際に、患部を保護するために付けるもので、嫌がる子も少なくありません。
この記事では、エリザベスカラーの使い方と、嫌がる場合の対処方法について解説していきます。愛猫のきもちに配慮し、できるだけストレスや負担を軽減してあげましょう。
エリザベスカラーとは?
エリザベスカラーとは、首周りに装着するラッパのような円錐状の保護具のことです。猫が舐めたり引っ掻いたりしてしまうことで、傷口から細菌が入って化膿したり、外用薬を舐めとってしまうことを防ぎます。
中世イングランドでエリザベス1世が愛用していたレースやフリルの付いた丸襟のドレスに似ていることから、「エリザベスカラー」と呼ばれるようになりました。
エリザベスカラーの使い方
エリザベスカラーは、避妊や去勢手術後、ケガなどの外傷、皮膚炎などの病気療養中に、患部を保護する目的で使います。
傷が気になるときや痒みを感じて舐めてしまうときに、有効なグッズです。
愛猫の首にエリザベスカラーを被せるように装着するだけなので、使い方も簡単です。形状は円錐状のものだけでなく、ドーナツ型のものもあります。
エリザベスカラーを着けることで、足で顔を掻いたり、首から下を舐めたりしにくくなります。慣れるまで、愛猫も飼い主さんも不便に感じるかもしれません。
不便さは感じますが、普段と変わらない生活を送れるようになることがほとんどです。2~3日様子を見ながら、愛猫が生活しやすいようにサポートし、少しずつ慣れさせていきましょう。
猫がエリザベスカラーを嫌がる理由
エリザベスカラーを付けることに、ストレスを感じる子も多いです。では猫はどのような理由で、エリザベスカラーを嫌がるのでしょうか。
思うように動けない
エリザベスカラーを付けていると、首に大きな襟がある状態なので、視界が狭くなり、いつもの感覚で動けません。
周囲の壁や家具にエリザベスカラーがぶつかることも多く、愛猫にとっては大きなストレスになります。いつもなら通れる場所も通れず、高いところに登りたくても登れない、トイレで排泄しづらいなど、生活上で不都合が生じます。
食事がしにくい
エリザベスカラーが邪魔をして、フードが食べにくかったり、水が飲みにくかったりします。
食事の際に、エリザベスカラーのフチが床に当たってしまい、口元までフードや水が届かないからです。食べたいのに食べられないストレスで、食欲を失くしてしまうこともあります。
グルーミングができない
猫には自分の体を舐めるグルーミングの習性があります。エリザベスカラーを装着していると、グルーミングができません。グルーミングには、体をキレイにするためや、体温調節のため、心を落ち着かせるためなど、様々な役割があります。
気になる部位を舐めるグルーミングができないストレスは、愛猫にとっては大きなものです。
首周りに違和感がある
普段遊んでいるときはもちろん、寝ているときにもエリザベスカラーを付けた状態になります。常に首周りに重みを感じることになり、不快感を抱く子も少なくありません。
エリザベスカラーを付けたときの違和感から、無理やりとろうと暴れて、付けたがらない子もいます。
エリザベスカラーを嫌がる場合の対処法
傷を早く治すためには、エリザベスカラーの装着が必要です。では、エリザベスカラーを嫌がる子には、どのような対策をしたら良いのでしょうか。
外す時間を作る
飼い主さんが愛猫の様子をしっかり見てあげられれば、エリザベスカラーを外す時間を作っても良いでしょう。
愛猫は常にエリザベスカラーを付けた状態にストレスを感じてしまうからです。一時的にでも外してあげることで、解放感を味わえます。
もしも隙を見て舐める、引っ掻くようなら、再度装着するようにしてください。
エリザベスカラーを変えてみる
エリザベスカラーは種類が豊富にあり、素材やサイズによって、使用感が異なります。愛猫が嫌がるのであれば、別のものを試してみましょう。
愛猫が好む仕様や体格に合ったものを探してみてください。
ごはん皿を置く台の高さを調整する
エリザベスカラーが邪魔をして、ごはん皿に届きにくくなる場合があります。前かがみの姿勢で食事をしていたら、高さのある台を利用し、その上にごはんを置くようにしましょう。
背骨がまっすぐな状態なら、食事がしやすく、水も飲みやすくなります。愛猫の体格に適した高さに調節してみてください。
動きやすい環境作り
エリザベスカラーは幅があるため、動きが制限されます。そのため、愛猫が部屋の中を動きやすい環境を作ることが大切です。
愛猫が通りやすい導線を作るために、トイレやハウス、くつろぐスペースの付近にはものを置かないようにしてください。通るときに障害物となるものは、安全のために撤去しておきましょう。
術後服を着せる
エリザベスカラーを付けない代わりに、術後服を着せる方法もあります。
エリザベスカラーを嫌がったり、体調を崩したりする子におすすめです。術後服を着せることで、傷口を保護できます。
エリザベスカラーが良いか、術後服を着せるのが良いか、獣医師さんに相談してみてください。
負担の少ないエリザベスカラーの選び方
負担の少ないエリザベスカラーを選ぶときのポイントを紹介します。
選ぶときの注意点
エリザベスカラーといっても、様々なタイプやデザインのものがあります。選ぶときは、次のポイントを押さえて選ぶようにしましょう。
- ・柔らかく、軽い素材もの
- ・適度な大きさのもの
- ・首周りに余裕のあるもの
愛猫の首周りのサイズに合わせて注文するのもおすすめです。
柔らかく、軽い素材のもの
エリザベスカラーは日常的に装着するため、柔らかく軽量な素材で、クッション性の高いものを選びましょう。
体やものに当たっても衝撃が小さく、長い時間付けていてもあまり違和感のないもの。
愛猫が付けているのを忘れるくらい、軽い付け心地のものが理想です。
適度な大きさ
エリザベスカラーの大きさは、愛猫の体格に合った、適度な大きさのものを選んでください。目安としては、装着したときにカラーから鼻が出ないサイズです。
サイズが小さいと、傷口に口元が届いてしまい舐めたり、カラーが患部に当たってしまたったりします。患部を保護できずに悪化させてしまうこともあるため、注意が必要です。
また大きすぎても、動きがさらに制限されてしまいます。サイズ選びも大切なポイントです。
首周りに余裕のあるもの
首周りは、指1~2本分の余裕を持たせるようにします。あまりきつすぎると苦しさを感じてしまうので、購入する際にしっかり確認しておきましょう。
エリザベスカラーを外すタイミング
エリザベスカラーの装着期間は、傷口の状態や症状によって異なります。避妊や去勢手術を受けた場合は、抜糸が終わるまでは付けておくようにしてください。
外すタイミングを間違えると、傷口を舐めて広げてしまったり、引っ掻いて皮膚炎を悪化させてしまったりすることがあります。
「愛猫が嫌がるから」「可愛いそうだから」と早く外してあげたくなるかもしれません。ですが、かえって傷の回復を妨げてしまう可能性があります。
飼い主さんの独断で外さず、獣医師さんの許可が出るまで待ちましょう。
まとめ
エリザベスカラーには、怪我や病気、手術後の患部を保護し、傷の回復を助ける大切な役割があります。
エリザベスカラーを付けると、視界が狭くなり、動きづらくなります。愛猫の生活スペースに余計なものを置かず、食事やトイレなどがスムーズにできるように工夫してあげてください。
素材や大きさなど、種類も豊富なので、愛猫に合ったものを購入してみてください。
愛猫がエリザベスカラーに慣れるまでは、ストレスに感じている問題を解消しつつ、家族みんなでフォローしていきましょう。


犬の家&猫の里 編集部
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