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犬に手作りご飯を与えるメリットは?確認しておきたい注意点について
愛犬に健康で長生きして欲しいという想いから、手作りご飯を与える飼い主さんも少なくありません。手作りご飯を作る際は、材料選びや調理方法を工夫したいところです。
この記事では、手作りご飯のメリットや、与える際の注意点について解説します。愛犬のために正しい知識をつけて、おいしい食事を作ってあげましょう。
手作りご飯とドッグフードの違い
手作りご飯とドッグフードでは、栄養バランスが違います。
ドッグフードは、成長に必要な栄養バランスが計算された「総合栄養食」です。乾燥させて常温保存可能なドライフードと、レトルト加工されたウェットフードがあります。
一方、手作りご飯は、食材が本来持っている栄養や食感、香り等を余すことなく取り入れることが出来ますが、ドッグフードと比較すると全体的な栄養バランスが偏りやすくなります。
どちらもメリット・デメリットがありますので、それぞれの違いについて紹介します。
犬の手作りご飯のメリット
手作りご飯には、市販のドッグフードでは得られない様々なメリットがあります。
水分補給もできる
手作りご飯は、ドライフードとは異なり生の食材を使ったりと、水分を多く含んでいます。乾燥したドライフードの場合は、食事に合わせて水分摂取が必要ですが、手作りご飯の場合は、自然に水分を補えます。
体質や年齢に合った食事を与えられる
手作りご飯は、愛犬に合わせたオーダーメイドの食事です。愛犬の好み、体調や様子に合わせて作れるので、臨機応変に対応できます。色々な食材を取り入れて作れば、飽きずに食べてくれるでしょう。病気や加齢による衰えが心配な場合も、愛犬の状態に合わせたメニューを作れます。食事内容について不明な点は、獣医師さんに相談してみると良いでしょう。
食材に含まれている酵素を補える
野菜や果物などの食材には酵素が含まれているものがあります。酵素には、腸内環境を整える作用があるため、便秘気味の子におすすめです。市販の加工されているドッグフードには、この酵素は含まれていません。酵素は加熱処理されると失活してしまいますが、手作りご飯で生の状態の食材を与えれば、酵素を補えます。
無添加で栄養価が高い
手作りご飯は、添加物を使わずに作ることも出来るので愛犬に安心して与えられます。旬の食材を使ったり、新鮮で栄養価が高い食事が作れるのもメリットです。使う食材にもこだわるなら国産のオーガニック食材を選んでも良いかもしれませんね。
市販のドッグフードには、保存料や酸化防止剤などの添加物が含まれています。アレルギーや肌の弱い子は、市販のドッグフードを手作りご飯にすると、症状が改善することも少なくありません。
犬の手作りご飯の注意点
手作りご飯を作る際、自由に食材を選べますが、食材によって、調理方法に気を配ることも大切です。愛犬にとって、安全なご飯を作るポイントを食材ごとに紹介します。
野菜
固い野菜は、咀嚼力が弱い子だと食べられなかったり、飲み込めなかったりするため、加熱して柔らかくしてから与えます。茹でたり、炒めたりする際も、栄養を失わないように最低限の調理に留めてください。生で与えられる野菜も、食べやすい大きさにカットしましょう。
肉
犬は生肉を好むイメージがありますが、生のまま与えるのは危険な場合があります。豚肉や鶏肉は、食中毒の原因となるサルモネラ菌がついているため、必ずしっかり加熱したものを与えてください。生で与えて良い肉は、鮮度の高い牛肉と馬肉のみです。
魚
注意したいのが、サバやイワシ、鮭などに寄生していることが多いアニサキスです。生で食べると嘔吐や激しい腹痛を起こす恐れがあります。魚は加熱調理するようにしてください。また、骨が少なく柔らかいものを選び、できるだけ骨を取り除いた上で与えましょう。
炭水化物
炭水化物の米や小麦は、水を加えて加熱することで糊化し、ふっくらして消化吸収しやすい状態になります。
そのまま放置すると、水分が抜けて固くぼそぼそとした口当たりになるため、再度加熱するようにしましょう。
犬の手作りご飯の量
ご飯の量は、年齢や運動量、体質によって異なります。ウンチや毛ヅヤ、体重の増減などを観察して、適量与えるようにしてください。
ご飯の量は、体重の2~3%を目安に与えましょう。肉や魚の動物性食品は、体重5㎏の場合は70~100g程度にし、ご飯全体の60%が動物性食品、30~40%が野菜、穀類は10%以下のバランスが理想的です。
トッピングとして与える場合は、肉の量は体重5㎏当たり1日30g程度、野菜はキャベツなら、手の平の大きさ1枚程度を目安にしてください。
ドッグフードとの併用はカロリーの摂りすぎに注意が必要です。手作りご飯を与える場合は、その分ドッグフードの量を減らしましょう。
犬の手作りご飯におすすめの食材
手作りご飯におすすめの食材を、子犬期、成犬期、シニア期に分けて見ていきます。
子犬(パピー)におすすめの食材
子犬(パピー)期は、消化機能が未発達です。消化しやすく、栄養がしっかり摂れる食材を選んで与えましょう。
鶏ささみ
鶏肉は、他の肉よりも低脂肪で、消化にやさしい食材です。アミノ酸のバランスが良く、リノール酸やリノレン酸などの、血中コレステロールを下げる不飽和脂肪酸も含んでいます。
小魚
小魚は、成長に欠かせない質の良い動物性タンパク質を多く含みます。DHAやEPAなどの成分が豊富で、カルシウムと合わせて摂取可能です。小骨が入っていることもあるため、ミキサーで細かく刻むなど下処理しましょう。
成犬におすすめの食材
健康な成犬には、タンパク質源となる食材を積極的に摂り入れ、良質な油も摂取していくようにしてください。
マグロなどの赤身魚
犬に生で与えられるマグロなどの赤身魚には、豊富なタンパク質やカルシウム、オメガ3系
多価不飽和脂肪酸が含まれています。魚のタンパク質は肉に比べて、アレルギーを起こしにくいのもポイントです。
牛・豚・鶏肉
鶏肉や豚肉は、高タンパクで低カロリーなので、手作りご飯に使いやすい食材です。牛肉は 脂肪分が多いバラ肉は、カロリーが高めなので、与える量に注意してください。
肉類は品種や部位によって、タンパク質や脂肪の量が異なるため、使用する際は確認しましょう。
大豆や植物油
タンパク質源となる大豆を食べると、リノール酸も摂取できます。リノール酸には、動脈硬化を防ぎ、血圧を下げるほか、LDL-コレステロールを減らす作用があります。ひまわり油やベニバナ油はなどの植物油は、少量で必須脂肪酸をまかなえるので、取り入れてみてください。
レバー
レバーは、ビタミンとミネラルを調整する脂溶性ビタミンが多く含んでいます。摂りすぎに注意し、上手に活用しましょう。
老犬(シニア犬)におすすめの食材
年齢を重ねた老犬(シニア犬)は、消化機能が衰えてきます。できるだけ消化に負担がかからない食材を選ぶようにしてみてください。
白身魚
白身魚は、高タンパク質で低脂肪、身がやわらかくて消化に良いので、老犬のご飯に最適です。
脂肪分の少ない豚のヒレや牛もも肉
老犬に脂身の多い肉を与えると、下痢や嘔吐を起こすことがあります。脂肪分の少ない豚ヒレや牛もも肉を与えると良いでしょう。
抗酸化物質を含む食材
かぼちゃやブロッコリー、人参などの食材は、ビタミンAやCなどの抗酸化物質が豊富です。抗酸化物質を摂ることで、老化防止やアンチエイジング効果が期待できます。
犬に危険な食材
犬が食べると体調に異変をきたす危険な食材があるため、しっかり押さえておきましょう。
玉ねぎ・ネギ・ニラ
犬が玉ねぎやネギ、ニラなどを食べると、「溶結性貧血」や「血色素尿」を引き起こします。尿に血が混じるなどの症状が見られ、命に関わる可能性があるので絶対に犬に与えてはいけません。
チョコレート
チョコレートのカカオに含まれているテオブロミンという成分が中毒症状を起こすことがあります。下痢や嘔吐などが起こるだけでなく、命に関わる恐れもあるため、扱いに注意してください。
キシリトール
ガムに含まれているキシリトールですが、犬が口にすると低血糖を起こし、脱力感や痙攣などの症状が見られることがあります。肝障害を起こすこともあるため、気をつけたい成分です。
アルコール
犬はアルコールを分解する酵素を持たないため、アルコールを口にすると中毒を起こします。お惣菜や調味料にアルコールが含まれていることがあるため、食べさせる際は内容表示をチェックしましょう。
じゃがいもの芽
じゃがいもの芽に含まれているソラニンは人間と同様に犬にとっても、有害な成分です。芽の出たじゃがいもを使用しないようにしてください。
まとめ
日々の積み重ねである食事によって、健康な体が作られていきます。手作りご飯を与えるときは、栄養や安全面を考慮して作ることが基本です。新鮮な旬の食材を選んで取り入れれば、栄養価の高い食事を与えることができます。体質や年齢など、愛犬の状態に合わせたものを作れるのも、手作りご飯の利点です。
愛犬が手作りご飯を喜んで食べてくれれば、飼い主さんも嬉しいもの。ぜひ愛情込めた手作りご飯を作って、愛犬に元気で健やかな毎日を過ごしてもらいましょう。


犬の家&猫の里 編集部
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