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毛のない犬種7選!ヘアレスドッグの特徴や性格について紹介します
犬にはたくさんの種類がいますが、毛のない犬「ヘアレスドッグ」と呼ばれる犬もいます。ヘアレスドッグレスは、印象的な見た目の珍しい犬種です。
この記事では、ヘアレスドッグの特徴や性格についてご紹介します。ヘアレスドッグの歴史やなぜ毛が生えないのかについても、解説します。ぜひ参考にしてみてくださいね。
世界で7種類!毛のない犬(ヘアレスドッグ)とは?
ヘアレスドッグとは、被毛が全くない無毛、もしくは頭部や尻尾など部分的にしか毛が生えていない犬種のことをいいます。世界でも被毛のない犬種は少なく、現在確認されているのは、社団法人ジャパンケネルクラブに登録されている7種類です。
ヘアレスドッグの歴史
ヘアレスドッグは、紀元前300年に遡るほど古くから存在していたとされており、食用や保温の用途として、大切に扱われていた時代があったようです。前インカ文明時代の陶器に描写されていることからも、推察できます。
古代エジプトでは、ヘアレスドッグは「毛のない犬=穢れがない」ということから、人々にとって特別な存在でした。痛みを和らげるため温湿布として、また暖をとるための湯たんぽのような役割として、重宝されていたとされています。
ヘアレスドッグは、かつての王族や貴族をはじめ、広く人々に珍重されていた犬種です。
なぜヘアレスドッグは毛が生えないのか
ヘアレスドッグに毛が生えていないのは、「FOXI13」という遺伝子の突然変異により、皮膚が分化する外肺葉に異常が生じるからです。両親のどちらかの優性遺伝子を引き継ぐことで、無毛の子犬が生まれます。
両親ともヘアレスの場合は、正常な胎児が産まれません。そのため、ヘアレスドッグを交配するためには、有毛と無毛を掛け合わせる必要があります。
毛のない犬(ヘアレスドッグ)の特徴
被毛がないヘアレスドッグは、皮膚がむき出しの状態なので、体のラインがハッキリとした細身の体つきで、クールな印象があります。体を覆う被毛がないため、体温はもともと高めです。
サイズは小型犬から大型犬まで、様々なヘアレスドッグがいます。警戒心が強くて神経な面があり、細い体に似合わず番犬向きの性格です。遊び好きで好奇心が旺盛なので、子犬の頃からきちんとしつけることで、子供の良い遊び相手にもなるでしょう。
7種類のヘアレスドッグの特徴や性格
チャイニーズ・クレステッドドッグ
全身が無毛ではなく、頭頂部と耳に長い毛が、尻尾に短めの毛が生えています。感受性が強く、内向的な一面があります。飼い主さんに献身的で、ご機嫌を取るのが上手です。
ルーツ
中国原産の犬種であるチャイニーズ・クレステッドドッグ。13世紀頃にスペイン人が中南米に上陸したことに伴い、中国にも被毛のない犬が広まったという説があります。
体高・体重と平均寿命
体高 | 23~33㎝ |
---|---|
体重 | 5.5㎏以下 |
平均寿命 | 13~15歳 |
飼育のしやすさ
飼い主さんに従順で大人しく、無駄吠えも少ないです。他の犬とも仲良くできるので、多頭飼いにも向いています。皮膚が弱いので、日頃からこまめなお手入れが必要です。
ショロイツクインツレ(メキシカン・ヘアレス・ドッグ)
ルーツ
メキシコ原産のショロイツクインツレは、3500年前には存在していたとされており、歴史の長いヘアレスドッグです。古代アステカ人の中では、神の使いとして扱われ、特別な儀式で食されていました。
体高・体重と平均寿命
スタンダード・バラエティー | インターミディエイト・バラティー | ミニチュア・バラエティ | |
---|---|---|---|
体高 | 40~60㎝ | 36~45㎝ | 25~35㎝ |
体重 | 9~14㎏ | 4.5~9㎏ | 5㎏ |
平均寿命 | 13~18歳 |
飼育のしやすさ
朗らかで明るい性格で、比較的飼いやすい犬種です。皮膚トラブルを起こしやすいので、ケアが必要です。
アメリカン・ヘアレス・テリア
産まれた直後は毛が生えているが、数週間で全て抜け落ちます。なめらかな皮膚で、薄いピングや白地に黒い半班模様が特徴です。
ルーツ
アメリカ原産の無毛のテリア種のとても珍しい犬種です。アメリカンラットテリアの突然変異により生まれました。
体高・体重と平均寿命
体高 | 18~46㎝ |
---|---|
体重 | 2.5~12㎏ |
平均寿命 | 14~16歳 |
飼育のしやすさ
テリア気質の気の荒さはあまりなく、フレンドリ―で子供や他の動物とも上手く付き合えます。運動量もあまり多くないので、比較的飼いやすいです。
ペルービアン・ヘアレス・ドッグ
頭や尻尾にわずかに生えている程度で、被毛は基本的にありません。ブラック、ブロンド、グレー、ダークブラウンなど毛色は様々で、皮膚のどこかにピンク色の斑点が見られる個体もいます。
ルーツ
インカ帝国時代に既に存在していたとされていたペルー原産の犬種。古代ヴァンカ族が飼育し、食していました。
体高・体重と平均寿命
大型 | 中型 | 小型 | |
---|---|---|---|
体高 | 50~65㎝ | 40~50㎝ | 25~40㎝ |
体重 | 12~25㎏ | 8~12㎏ | 4~8㎏ |
平均寿命 | 11~12歳 |
飼育のしやすさ
知性的で愛情深いですが、警戒心の強い面を持ち合わせています。日本国内での飼育頭数が少なく、情報が得にくいため、初心者が飼うにはあまり適さないでしょう。
ヘアレス・カーラ(ボリビアン・ヘアレス・ドッグ)
全身無毛ですが、頭に長く白い毛が生えた個体もいます。足と首が長く、スラリとした細身な体つきをしており、立ち耳です。
ルーツ
ボリビア原産で、国犬に指定されているほど希少な犬種です。ボリビア産の犬とペルービアン・ヘアレス・ドッグとの交配により生まれました。かつてのヴァンカ族が飼育し、食していました。
体高・体重と平均寿命
メディオとグランデの2種類のタイプに分けられます。
メディオ(ポッタリータイプ) | グランデ(サイトハウンドタイプ) | |
---|---|---|
体高 | 36~41㎝ | 43~51㎝ |
体重 | 6.8~13.9㎏ | 8~13.5㎏ |
平均寿命 | 10~14歳 |
飼育のしやすさ
温厚な性格で、飼い主さんに従順なので、家庭で飼いやすい犬種です。警戒心が強いため、しつける際は、信頼関係を構築することが鍵になります。
アルゼンティニアン・ヘアレス・ドッグ
全身黒色で、引き締まったスリムな体型です。頭にはトサカのような毛が少し生えています。
ルーツ
アルゼンチン原産で、ヘアレスドッグの原点になった犬種です。インカ帝国からアルゼンチンへの贈り物だったという説も。現在は、個体数が減少傾向で、絶滅の危機にあります。
体高・体重と平均寿命
体高・体重と平均寿命
体高 | 25~45㎝ |
---|---|
体重 | 詳細なデータ無し |
平均寿命 | 詳細なデータ無し |
※平均寿命は不明ですが、飼い方次第で20歳まで生きるとされています。
飼育のしやすさ
皮膚疾患を起こしやすいため、初心者が飼育するのは難しいかもしれません。愛情深く忠実な反面、警戒心が強いです。
ペルービアン・インカ・オーキッド
全身が薄茶色で、ピンクの斑点やまれに頭頂部に白い毛が生えている個体もいます。小動物を獲物として捉えてしまうハウンド気質を持っているため、一緒に飼育するのは難しいです。
ルーツ
ペルー原産ですが、元々のルーツは中国やアフリカという説もあります。インカ帝国に持ち込まれてから、貴族用のペットとして飼われるようになりました。
体高・体重と平均寿命
大型 | 中型 | 小型 | |
---|---|---|---|
体高 | 50~65㎝ | 40~50㎝ | 25~40㎝ |
体重 | 12~25㎏ | 8~12㎏ | 4~8㎏ |
平均寿命 | 11~12歳 |
飼育のしやすさ
少々神経質で警戒心が強い性格ですが、家族には高い忠誠心を見せます。日本国内での飼育頭数が少ないため、関連情報が得にくいかもしれません。
毛のない犬(ヘアレスドッグ)の飼育上の注意点
ヘアレスドッグを飼育する際の注意点について見ていきましょう。
暑さや寒さに弱い
ヘアレスドッグは被毛がないため、暑さや寒さに弱い犬種です。エアコンなどで、こまめに室温を管理する必要があります。
冬場は、防寒のために服を着せて暖かくして過ごしましょう。夏場は紫外線が強く、肌を傷めやすいため、できるだけ日中の外出は避けるようにしてください。
肌のお手入れ
ヘアレスドッグの飼育で最も注意したいのが、肌のお手入れです。肌荒れを起こしやすいため、シャンプーの頻度は控えめにし、定期的に体を拭いて清潔に保ちましょう。
冬場は乾燥対策として、保湿クリームやローションを塗って、肌に潤いを与えるようにします。夏場は強い紫外線による影響を防ぐために日焼け止めを塗ってあげると良いです。肌荒れをする場合は、獣医師さんに日頃のケア方法を相談してみてください。
性格に配慮したしつけ
ヘアレスドッグは、警戒心が強く、少し神経質です。家族に対しては心を開いても、他の人に対しては距離を置く傾向があります。お出かけや散歩の際に人や犬に会ったときは、無理に交流させずに、愛犬のペースを守るようにしてあげてください。
飼い主さんには従順なので、正しくしつければ覚えてくれるでしょう。繊細な気質があるため、愛犬の気持ちに寄り添ってしつけることが大切です。
ヘアレスドッグは動物アレルギーでも飼える?
ヘアレスドッグは、動物アレルギーでも飼育可能だとされています。
犬アレルギーの方は、犬の抜け毛やフケによりアレルギー反応が起こります。ヘアレスドッグは、抜け毛が少なく、適切なケアによりフケを抑えることが可能です。室内で飼育する際も、掃除がしやすいため、被毛のある犬よりはアレルギーは起こしにくいといえるでしょう。
ただし、ヘアレスドッグだからといっても、アレルギー症状が出ないとは限りません。ヘアレスドッグであっても、犬や人間の体質によっては、アレルギーの原因となり得ます。飼育する場合は、慎重に検討してください。
まとめ
毛がないヘアレスドッグは世界でも珍しく、現存しているのは7種類しかいません。スタイリッシュな体型で、気品と魅力あふれる見た目が特徴的です。
有毛の犬種よりもお手入れや環境に気を遣う必要がありますが、適切な対策をすれば問題ありません。大人しくて従順なので、比較的飼いやすい犬種です。繊細な性格も持ち合わせているため、しつける際は、愛犬の気持ちに配慮しながら、ゆっくり進めていきましょう。
同じヘアレスドッグでも、犬種によって、それぞれ特徴や性格が異なる部分があります。家族に迎え入れる際は、ご家庭に合った犬種を検討されてみてくださいね。
犬の家&猫の里 編集部
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