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猫に紅茶を与えてはダメ!飲んでしまった時の対処方法と飲んでも大丈夫なお茶を紹介
ティータイムのおやつと共に紅茶を楽しんでいたら、愛猫が飲んでしまった…。そんなときはどのように対処したら良いのでしょうか。
この記事では、猫には危険な紅茶の成分や摂取量、飲んでしまったときの症状や対処方法について解説します。あわせて猫が飲んでも大丈夫なお茶をご紹介しますので、参考にしてみてください。
猫に紅茶はダメ!
猫は紅茶を飲んではいけません。その理由は、紅茶には猫にとって有害な成分が含まれているからです。
紅茶には、カフェインが多く含まれています。猫がカフェインを摂取すると、心筋と中枢神経が刺激されて、カフェイン中毒を起こします。
また、シュウ酸も含まれており、過剰に摂取すると、尿結石などの泌尿器系の疾患を引き起こす可能性があります。尿結石は放っておくと重症化し、場合によっては手術が必要になるケースもあるため、注意が必要です。
ほかにも、カリウムやマグネシウムなどのミネラル分も豊富です。シュウ酸と同じく、過剰摂取により尿結石などの原因になります。
紅茶に含まれる成分
以下の表は、紅茶100g当たりに含まれる成分です。
栄養素 | 紅茶100g中に含まれる量 |
|---|---|
エネルギー | 1kcal |
タンパク質 | 0.1g |
脂質 | 0g |
炭水化物 | 0.1g |
カリウム | 8mg |
リン | 2mg |
マグネシウム | 1mg |
ビタミンK | 6μg |
葉酸 | 3μg |
※食品データベースより
紅茶には、カリウムやリンなどのミネラルも含まれています。ミネラルは猫にとっても必要な栄養素ですが、過剰摂取に注意が必要です。
カフェインが含まれる飲み物一覧とカフェイン含有量
以下の表は、カフェインが含まれる飲み物とカフェイン濃度をまとめたものです。
食品名 | カフェイン濃度(100ml中) |
|---|---|
カフェインを添加した清涼飲料水 | 32~300mg/ |
インスタントコーヒー(顆粒製品) | 112mg |
コーヒー(浸出液) | 60mg |
紅茶(浸出液) | 30mg |
煎茶(浸出液) | 20mg |
ほうじ茶(浸出液) | 20mg |
ウーロン茶(浸出液) | 20mg |
玄米茶(浸出液) | 10mg |
※厚生労働省 食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A
カフェインの量が最も多いのが、インスタントコーヒーです。紅茶はコーヒーほど含まれていませんが、カフェインの影響があります。
猫に危険が及ぶカフェインの摂取量
猫が摂取して体に危険が及ぶカフェインの量は、体重1㎏あたり150mgです。平均的な成猫で紅茶2~3Lを摂取すると、命の危険があります。少し舐めた程度では、死に至りません。
カフェイン中毒の致死量は、猫の体重に関与します。体の小さい子猫や体重の軽い猫は要注意です。ここで、子猫、成猫、老猫のそれぞれのカフェイン致死量について、見ていきます。
子猫
生後12か月未満で、体重1㎏未満の子猫の場合、体が小さく、消化器官が未発達なので、
特に注意しなければなりません。紅茶100mlあたりカフェインの含有量は30mgです。上記の数字から体重1㎏の子猫の紅茶の致死量は、500mlと計算できます。
成猫
次に生後12か月~7歳で、体重3~5㎏の成猫の場合です。カフェインの摂取が450~750mg、つまり紅茶1.5~2.5Lほど飲むと命に危険が及ぶ状態になります。
また、紅茶の茶葉を食べてしまった場合も危険です。茶葉は紅茶よりもカフェイン含有量が高く、少量であっても中毒を起こす恐れがあります。茶葉が入った加工品も危険なので、絶対に猫に与えてはいけません。
老猫
続いて、7歳以上の老猫の場合です。老猫は加齢と共に消化器官が弱っているため、注意する必要があります。老猫は少量の紅茶でも中毒を起こす恐れがあり、重症化するリスクも高いです。絶対に与えないでください。
猫が紅茶を飲んだときの対処法
万が一、愛猫が誤って紅茶を飲んでしまっても、少し舐めた程度ですぐに命に危険は及びません。飼い主さんは慌てず、落ち着いて対処しましょう。
まずは呼吸が速くないか、異様な興奮状態やけいれんなどの、カフェイン中毒を起こしていないかをしっかり様子を確認してください。
中毒症状はすぐに現れるとは限りません。時間が経って出てくる場合や、容体が急に悪化することもあります。また、自己判断で応急処置をするのは危険です。様子を見過ぎずに、速やかに動物病院へ連絡しましょう。
その際、飲んだ紅茶の量、飲んでからの時間、愛猫の状態などを伝えて、獣医師さんの指示を仰いでください。
紅茶を飲んだときの症状
紅茶を飲んだときに見られるカフェイン中毒の主な症状です。
- ・頻脈
- ・不整脈
- ・呼吸が速くなる
- ・興奮状態
- ・体の震え
- ・けいれん
- ・全身性のうっ血や出血
- ・ふらつき
これらの症状は、紅茶を摂取した1~2時間後に起こる場合が多いです。
猫が飲んでも大丈夫なお茶
猫に与えるならカフェインが含まれていないお茶がおすすめです。大麦が原料の麦茶やとうもろこしが原料のコーン茶であれば、健康な猫であれば与えても問題ありません。
ですが、中にはアレルギーを起こす場合もあり、必ずしも全ての猫に問題がないわけではありません。
以下は、猫に与えても問題ないお茶です。
- ・麦茶
- ・コーン茶
- ・黒豆茶
- ・カモミールティー
- ・ミントティー
- ・ローズティー
- ・たんぽぽ茶
- ・はとむぎ茶
猫は必ずしもお茶を必要としないため、積極的に飲ませなくても大丈夫です。少量の薄めたものを時々与える程度にしましょう。
まとめ
紅茶は、猫に有害な成分を含むため、飲ませてはいけません。猫が紅茶を飲んでしまうと、カフェイン中毒を起こしたり、シュウ酸やミネラルの過剰摂取により、尿結石などの疾患の原因になることがあります。特に体の小さな子猫や消化器官が弱っている老猫は、少量であっても重症化するリスクも高いです。
もしも愛猫が紅茶を誤飲してしまったら、まず呼吸の異常やけいれんなどの中毒症状が見られないかチェックし、動物病院へ連絡しましょう。すぐに死に至るわけではないため、落ち着いて対処することが大切です。
同じお茶でもカフェインが入っていない、麦茶やコーン茶であれば問題ありませんので、少量の薄めたものを与えても良いでしょう。愛猫が健康で安全に生活できるように、飼い主さんは紅茶の取扱いに十分注意してくださいね。


犬の家&猫の里 編集部
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