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コラム

猫ににんにくを与えてはダメ!NGの理由と食べてしまった時の対処方法

2022.08.16 2024.03.11

独特の香りが食欲をそそるにんにくを料理に使う方も多いのではないでしょうか。ですが、猫にとってにんにくは食べると危険な食材のひとつです。猫を飼っている家庭では、にんにくの取扱いに注意しなければなりません。

この記事では、猫ににんにくを与えてはいけない理由と食べてしまったときの対処方法について、解説していきます。

猫ににんにくを与えてはダメ!

猫ににんにくを与えてはいけません。人間にとっては栄養豊富で、健康効果が高いにんにくですが、猫に有害な成分の「アリルプロピルジスルフィド」を含んでいます。

アリルプロピルジスルフィドは、玉ねぎ中毒を起こす原因となる成分で、生でも加熱しても、粉状にしても成分は変化しません。猫がにんにくを食べると、全身に酸素を運ぶ役割を持つ赤血球のヘモグロビンを酸化させ、溶結性貧血を引き起こすことがあるため、要注意です。

猫はにんにくの匂いが苦手

猫には、にんにく特有の匂いが苦手な子も多いです。もともと狩りをする肉食動物である猫にとって、強い香りは狩りの邪魔になるため、本能的に嫌う傾向があります。

にんにくの匂いの元は「アリシン」と呼ばれる成分で、にんにくを切ったりすり下ろしたりすることで、生じます。

焼き肉やラーメンなどのにんにくを使った料理を食べたあと、飼い主さんの口臭を愛猫が嫌がることも少なくありません。にんにくを食べたあとは、猫の気持ちに配慮し、口臭ケアをしておくと良いでしょう。

この猫の性質を利用して、にんにくを猫避けの忌避剤として使うことがあります。

にんにくに含まれる成分

にんにくには、次のような成分が含まれています。

ジアリルトリスルフィド

ジアリルトリスルフィドは、にんにくの特有の匂い成分です。がん細胞の増殖を抑え、正常な細胞に戻して癌細胞を消滅させる働きがあります。

ジアリルジスルフィド

ジアリルジスルフィドも、にんにくの匂いを有する成分です。肝臓の解毒作用や神経細胞の保護、活性酵素を除去し、がん細胞ができにくい環境を作る作用があります。

ジーサック

ジーサックは、滋養強壮に効果的な成分(アリイン、アリシン)などの基盤となっている成分です。にんにくの細胞に溶け込み、匂い成分の基となっています。にんにくを傷つけてしまう害虫やカビを予防できます。

アリシン

アリシンは、にんにくを傷つけると生じる匂い成分です。動物が嫌う匂いによって、身を守っているとされています。抗ガン作用、血栓防止作用、スタミナ増強作用、解毒作用などの多くの効果があります。

アリイン

アリインは、アリシンの元の成分です。にんにくを無傷のまま加熱調理すると、アリシンが発生しないため、臭いを抑えて食べることが可能です。体を温める、滋養強壮、疲労回復などの効果が期待できます。

アリチアミン

アリチアミンは、アリシンとビタミンB1が結びついた成分です。水に溶けやすく、失われやすいビタミンB1がアリチアミンとなることで、体内に吸収されやすくなります。

メチルアリルトリスルフィド

メチルアリルトリスルフィドは、血小板の固まりを抑える働きがあり、脳卒中や心筋梗塞、動脈硬化などの病気を予防する効果が期待できます。

にんにくには様々な種類の成分が含まれており、どれも体に良い健康効果の高いです。

猫のにんにくの致死量

猫はどの程度の量のにんにくを食べると、命に危険が及ぶのでしょうか。

猫が体重1㎏当たり15~20gのにんにくを食べると、死に至る恐れがあるとされています。スーパーで売られているにんにくは3~7g程度なので、大量に摂取しない限り、重症化することはないでしょう。

ただし、体調によっても中毒症状の現れ方には個体差があります。子猫や老猫、虚弱な猫の場合は、少量のにんにくでも中毒症状が出やすく、重症化しやすい可能性があるため、注意してください。

猫がにんにくを食べたときの対処法

もしも愛猫がにんにくを食べてしまった場合は、少量であっても、中毒を起こす心配があります。すぐに獣医師さんに相談しましょう。その際、いつ頃食べたのか、食べた量、症状とその程度を落ち着いて伝えてください。

にんにくを食べたときの症状

にんにくを食べたあとに見られる中毒症状は、ネギを食べたときと同じものです。症状は玉ねぎよりは軽度で、接触性皮膚炎や偽喘息発作などが見られます。

ネギ中毒の初期症状は、元気がない、下痢や嘔吐、発熱です。重症化すると貧血や血尿が見られ、貧血が進むと稀に呼吸困難が起こります。

猫のノミ・ダニ対策ににんにくはいい?

猫が食べるのは危険なにんにくですが、実はノミやダニ対策に効果的だとされています。にんにくは優れた栄養を持っており、健康な被毛を維持するだけでなく、ノミやダニが付きにくい体質になるのだそうです。

猫に害のあるにんにくの成分を取り除いた状態で加工され、猫用のサプリメントなどに使用されています。与える際は、使用上の用量を守り、目安量を超えて大量に与えてはいけません。また、にんにくが有効だからといっても、そのまま与えないでください。

まとめ

にんにくには猫の体に有毒な成分が含まれているため、与えてはいけません。この成分はどのような形でも成分は残るため、生のものに限らず、調理した料理も与えないでください。

猫がにんにくを食べると、中毒症状を起こす可能性があります。子猫や老猫、虚弱猫は、少量でも中毒症状が出やすく、重症化しやすいため、注意が必要です。

万が一、愛猫がにんにくを食べてしまった場合は、慌てず落ち着いて対処することが大切です。症状や様子などを観察し、すぐに動物病院に連絡しましょう。

猫にとって危険な食べ物はありますが、にんにくもそのひとつです。愛猫の体に危険が及ばないように、日頃から猫の届かない場所に管理し、扱う際は注意を十分に払いましょう。

この記事の監修者

犬の家&猫の里 編集部

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