ハチワレ猫をご存じでしょうか。日本ではよく見かける模様の猫で、額に入った模様が特徴です。毛色もさまざまで、それぞれの個性が光ります。

この記事では、ハチワレ猫の持つ特徴や毛色ごとの性格について、解説していきます。あわせて人気のハチワレ猫5選もご紹介しますので、参考にしてみてください。

ハチワレ猫とは？

ハチワレ猫とは、額の毛色が鼻筋を境に八の字の形に分かれている模様の猫のことです。ここで注意したいのが、「ハチワレ」は猫の種類ではなく、模様のひとつであること。猫の模様には100種類以上あり、日本猫の中でも、ハチワレの割合は2番目に高く、よく見かける模様です。毛色もバリエーション豊富で、純血種、MIX種のどちらにも存在します。

ハチワレ猫の由来

ハチワレという名前の由来には諸説あり、時代と共に、名前の意味合いが変わっていったとされています。

かつてハチワレ猫は、漢字で「鉢割れ」と呼ばれていた時代がありました。額が、鉢(兜)が2つに割れたように見えることに由来しています。しかし、武家においては、ハチワレ猫は縁起が悪いとして、飼育を避けられていたこともあったようです。

現代では、額が漢字の「八」の字の形に見えることから、「八割れ」と称されるようになり
ました。「八」の字には、明るい見通しや末広がりなどの意味合いから、縁起が良い猫として扱われることも多いです。

ハチワレ猫の毛色

黒白カラーの印象が強いハチワレ猫ですが、毛色はバリエーション豊富です。

黒白のハチワレ

日本ではキジトラの次にポピュラーな黒白は、心身共にタフで生命力が強く、オスは明るく
無邪気、メスは母性本能が強い子が多いです。他の猫や人とも仲良くできる穏やかな性格の子は黒い毛色が多く、賢く落ち着いた性格の子は、白い毛色が多いとされています。

キジトラのハチワレ

ベースの茶色に黒の縞模様が入ったキジトラ。キジ白ともいわれるキジトラのハチワレ猫は、オスとメスでは少し性格が異なります。

オスは天真爛漫で、細かいことを気にしない性格で、メスは母性本能に溢れた優しい性格をしている子が多いです。

茶トラのハチワレ

明るいオレンジがかった茶色をしている茶トラは、日本に多い毛色で、茶トラの毛色を持つハチワレ(茶トラ白)は、オスの発現率が高いです。比較的大柄な子が多く、性格はおっとりとして甘えん坊な傾向があります。

サバトラのハチワレ

魚のサバのような黒の縞模様が入ったグレーの毛色のサバトラ。サバトラのハチワレ(サバ白)の性格は、明るくて人懐っこいタイプと警戒心が強く神経質なタイプがいます。お腹に白い毛が多い子ほど、賢く優雅に振舞う傾向があるとされています。

三毛のハチワレ

三毛は、日本では古くから親しまれてきた猫で、黒、白、茶色の3色の毛色を持っています。三毛の多くはメスで、オスはとても希少な存在です。オスは明るく人懐っこいですが、メスは自由気ままでマイペースな猫らしい性格をしています。

ハチワレ猫の寿命

では、ハチワレ猫の寿命はどのくらいなのでしょうか。純血種とMIX種、それぞれの寿命
を見ていきます。

純血種

ハチワレ猫の中でも純血種の寿命は10～13歳です。純血種は、近親交配である場合が多いため、生命力が弱い傾向があります。また、長毛種よりも短毛種の方が寿命は長くなる傾向があります。

MIX種

MIX種の寿命は13～15歳で、基本的に純血種よりもMIX種の方が寿命は長い傾向があります。さまざまな遺伝的影響を受けることで、生命力が強くなるためです。ただし個体差も大きく、健康状態や生活環境によっても変わってきます。

ハチワレ猫がいる人気の猫種

ハチワレ猫の人気猫種5選をご紹介します。

スコティッシュフォールド

体高・体重と平均寿命

飼い方

スコティッシュフォールドは、温和でマイペース、人懐っこく犬のような性格をしています。
人見知りしないため、初めて飼う方にもおすすめです。鳴き声が小さく、問題行動も少ない猫種で、集合住宅でも飼いやすいでしょう。飼い主さんと一緒に過ごすことが好きなので、スキンシップを取ってあげると喜びます。運動量はそれほど多くなく、のんびりと寝て過ごすことが多いです。

注意点

食欲旺盛であまり運動しないので、肥満に注意しましょう。被毛が豊かで厚く、絡まりやすいため、毎日のブラッシングは欠かせません。また、垂れ耳で通気性が悪く、「外耳炎」や「耳ダニ症」になりやすいです。定期的に耳掃除をしてあげてください。そのほかにも、「肥大型心筋症」や遺伝性の「軟骨異形成症候群」、「外発性のう胞腎症」にかかりやすいです。
早期発見が大切なので、定期的に健康診断を受けるようにしましょう。

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関連記事:スコティッシュフォールドの性格や特徴について紹介します

マンチカン

体高・体重と平均寿命

飼い方

マンチカンは、好奇心旺盛で社交性が高いため、他の猫やペットとも仲良くできます。甘えん坊でコミュニケーションを取るのが大好きなので、愛猫とたくさん遊びたい方にはピッタリです。活発に動くため、キャットタワーやおもちゃを用意して、十分に運動させてあげましょう。繊細で臆病な面があるので、長時間の外出や大声で叱ることは避けてください。

注意点

シルクのような被毛は、お手入れがやや大変です。毛球症予防のためにも、普段からこまめにブラッシングする必要があります。病気の面では、太りやすいため、糖尿病になるリスクが高いです。適度な運動と食事管理をし、肥満を防ぎましょう。また、短い足で身体を支えているため、腰に負担がかかりやすく、「椎間板ヘルニア」になりやすいです。歩き方がおかしい場合は、動物病院を受診してください。垂れ耳なので、「外耳炎」にもなりやすいです。定期的な耳掃除をして、ケアしましょう。

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ノルウェージャンフォレストキャット

体高・体重と平均寿命

飼い方

ノルウェージャンフォレストキャットは、人懐っこく飼い主さんに忠実で、どんな相手に対しても社交的です。子供や他のペットがいる家庭にも適しています。

大型猫ですが、活発で遊ぶことが好きです。自由に動き回れるスペースと上下運動ができる環境を作ってあげてください。スキンシップが不足すると、ストレスを溜めてしまうので、できるだけ一緒にいる時間を作ってあげましょう。

注意点

ダブルコートのふさふさの被毛を持つので、暑さに弱いです。熱中症対策のためにも、エアコンで室内を適温に保つようにしてください。サマーカットするのもおすすめです。病気の面では、「皮膚炎」や「毛球症」にかかりやすいです。定期的なブラッシングとシャンプーなどのお手入れをし、皮膚の状態をチェックすると良いでしょう。また、肥満により「糖尿病」になりやすいです。適度な運動とバランスの良い食事を心がけてください。そのほかにも、「肥大性心筋症」になりやすいため、定期的に健康診断を受け、病気のサインを見逃さないようにしましょう。

ラグドール

体高・体重と平均寿命

飼い方

ラグドールは、友好的で従順、初対面の人とも打ち解けられる人懐っこさがあります。大きな声で鳴くこともないので、比較的飼いやすいです。大きな体格に合わせた飼育環境を用意する必要があります。のんびり寝て過ごすことを好むので、くつろげる場所をいくつか作ってあげると良いです。高所があまり得意ではないため、重心の低いタワーや上り下りしやすいグッズを選ぶと良いでしょう。

注意点

食欲旺盛なので、食べ過ぎによる肥満に注意が必要です。豊かな被毛を持つため、熱中症のリスクが高いです。エアコンなどで過ごしやすい環境を整えてあげてください。また、被毛
のお手入れも大切です。毎日のコーミングで毛球症を予防しましょう。病気の面では、「肥大型心筋症」になりやすいです。初期の段階では気づきにくいため、健康診断をまめに受けることをおすすめします。

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関連記事:ラグドールの性格や特徴について紹介します

ブリティッシュショートヘア

体高・体重と平均寿命

飼い方

ブリティッシュショートヘアは、大らかで物静かな性格です。やや神経質な面があるので、
構い過ぎに注意しましょう。騒がしい場所が苦手なので、ストレスにならないよう静かで落ち着いて過ごせる場所を用意してあげてください。運動量が豊富なので、キャットタワーを設置するなど、室内でも十分に運動できる環境が必要です。

注意点

毛が厚く密集しているので、抜け毛が多いです。毎日丁寧にブラッシングしてあげてください。病気の面では、「肥大性心筋症」になりやすいです。運動を嫌がる、疲れやすいなどの症状があれば、検査してもらいましょう。また、「尿路結石」になりやすいため、普段から尿の状態をチェックし、異常があれば獣医師さんに診てもらってください。
太りやすく、肥満から糖尿病になりやすいです。十分な運動と食事管理をしましょう。

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まとめ

ハチワレ猫とは、額に八の字のような模様が入った猫のことです。末広がりで縁起が良いとされており、名前の由来にもなっています。

純血種、MIX種問わず、日本でも多く存在し、毛色のバリエーションも豊富です。寿命は、MIX種の方がやや長く、毛色によって、性格に違いがあります。

より個性が色濃く出るのが、毛色と模様の入り方です。さまざまな表情や雰囲気の違いに魅力が出ます。ぜひ個性豊かな一匹を見つけて、家族に迎え入れてみてはいかがでしょうか。