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子犬のワクチン接種日はいつ?時期や種類、費用を紹介します
子犬を迎え入れたら、最初に確認しておきたいのがワクチン接種です。ワクチンにもさまざまな種類があり、いつどのワクチンを接種するのか分からないという飼い主さんもいるかもしれません。
この記事では、子犬のワクチンの接種時期や種類、費用についてご紹介します。愛犬を感染症から守るためにも、しっかり押さえておきましょう。
子犬にワクチンは必要?
子犬にワクチン接種をすることは、感染症から守るためにも必要です。1歳までの子犬は、母犬から受け継いだ免疫(移行抗体)で守られていますが、成長と共に徐々に減っていきます。体内の移行抗体がなくなる前に、ワクチンを接種して、体内に抗体を作っておく必要があるのです。
感染症にかかりにくくするため
ワクチンは、弱めた病原体の毒素を利用して、感染症に対する免疫(抗体)を体内に作るための免疫源です。ワクチンを摂取すると、免疫力を獲得することができ、感染症の発症や重症化のリスクを防げます。
散歩に行くにはワクチンは必須
外での散歩は感染症のリスクが高いです。散歩デビューをする前に、ワクチン接種を必ず行いましょう。ワクチンは、接種してから抗体ができるまで1週間ほどかかります。散歩のスタートは、3回目のワクチンを接種してから、1週間後が目安です。
ワクチンが必要な感染症
ワクチンは、「義務」、「コアワクチン」、「ノンコアワクチン」の3種類に大別されます。
「義務」とは、法律で定められているもので、狂犬病がこれに当たります。「コアワクチン」は、感染力が強く、致死率が高い感染症に対するワクチンです。感染が拡大する恐れがあるため、接種することが強く推奨されています。ノンコアワクチンは、生活環境や習慣などを考慮し、感染リスクに応じて接種する任意のワクチンです。
ワクチンが必要になる主な感染症を以下の表にまとめました。
病名 | 義務 | コアワクチン | ノンコアワクチン |
|---|---|---|---|
狂犬病 | ● | ● | |
ジステンパー | ● | ||
伝染性肝炎 | ● | ||
伝染性肝炎 | ● | ||
パルボウイルス感染症 | ● | ||
コロナウイルス感染症 | ● | ||
パラインフルエンザ | ● | ||
レスプトピラ感染症 | ● |
狂犬病
狂犬病は、発症すると100%死に至るという感染症で、人を含めた哺乳類全てに感染する恐れのある人畜共通感染症です。
ジステンパー
ジステンバーは死亡率が高い病気で、ワクチン接種が済んでいない子犬の場合、症状が急激に悪化する恐れがあります。感染した犬のよだれや鼻水、唾液や排せつ物などの飛沫により感染します。
伝染性肝炎
伝染性肝炎は、主症状が肝炎である感染症です。ワクチン接種が済んでいない子犬の場合、急に具合が悪くなり、死に至ることも。感染している犬の尿や便、唾液などに接触したり、食器を介したりして、経口感染します。
アデノウイルス2型感染症
アデノウイルス2型感染症は、別名「犬伝染性咽頭気管炎(ケンネルコフ)」とも呼ばれ、乾いた咳が主な症状です。アデノウイルスワクチンを接種することで、伝染性肝炎とアデノウイルス2型感染症のどちらも予防することができます。単体での病原性は弱いですが、他のウイルスの感染を併発した場合、症状が重症化します。
パルボウイルス感染症
パルボウイルスは、子犬や高齢犬が感染すると、死に至る危険のある病気です。嘔吐や激しい下痢、ケチャップのような血便が主な症状です。感染している犬の排泄物や嘔吐物、フードや飲み水の皿を介して、感染します。
コロナウイルス感染症
コロナウイルス感染症は、他のウイルスの感染を併発すると、脱水症状を起こすなど、深刻な事態を招く恐れがある病気です。子犬が発症すると症状が重くなるケースも少なくありません。感染している犬の排泄物に接触することで、感染します。
パラインフルエンザ
パラインフルエンザは、自覚症状がないことが多いですが、他のウイルスとの感染を併発すると、アデノウイルス2型感染症の原因にもなる病気です。重症化する場合もあるため、注意する必要があります。
レプトスピラ感染症
レプトスピラ感染症は、野生動物やねずみなどのげっ歯類、牛、豚などの家畜、ダニやノミなどの寄生虫の「尿」から感染する病気です。症状は軽いものから、腎炎や肝炎など重症化するものもあります。自然が多い地域に限らず、都市部で多数発生しており、人間にも感染する恐れがあるため、注意しなければなりません。
混合ワクチンの種類と費用
混合ワクチンにはいくつか種類があり、費用も様々です。
混合ワクチンの種類
以下の表は、混合ワクチンの種類をまとめたものです。ワクチンの内容や費用は、製薬会社や動物病院によって異なります。
混合2種 | ジステンパーとパルボウイルス感染症(約3,000~5,000円) |
|---|---|
混合3種 | ジステンパーと伝染性肝炎、アデノウイルス2型感染症(約3,000~5,000円) |
混合4種 | 上記3種とパラインフルエンザ(約5,000~6,000円) |
混合5種 | 上記4種とパルボウイルス感染症(約5,000~7,000円) |
混合6種 | 上記5種とコロナウイルス感染症(約5,000~8,000円) |
混合7種 | 上記5種とレスプトピラ2種感染症(約6,000~9,000円) |
混合8種 | 上記6種とレスプトピラ2種感染症(約7,000~10,000円) |
混合9種 | 上記6種とレスプトピラ3種感染症(約8,000~10,000円) |
混合10種 | 上記6種とレスプトピラ4種感染症(約8,000~12,000円) |
混合11種 | 上記6種とレスプトピラ5種感染症(約8,000~12,000円) |
狂犬病ワクチンは必須
厚生労働省が定める法律により、生後3か月以降の全ての犬に対して、年に1度狂犬病ワクチンの接種が義務付けられています。毎年4~6月頃に各自治体から集団接種の案内があるので、そちらを利用しても良いでしょう。集団接種では、登録とワクチン接種を一緒に行うことができます。詳しい時期などについては、各自治体に問い合わせてみてください。
子犬に適しているワクチンを選ぶ
子犬のワクチンは、飼育状況や普段の行動範囲に合わせて選びます。自然が多い環境で生活する犬やアウトドアで遊ぶことが多い犬は、レストピラ対策が必要です。
室内飼いが中心で、あまり自然の多い場所に出かけない場合は、「レストピラなしの混合ワクチン」でも問題ありません。自然の多い場所や野生動物がいる環境に行く機会がある場合は、「レストピラありの混合ワクチン」の接種が望ましいです。
子犬のワクチンの接種時期
子犬が1歳になるまでに、最低でも年に3回のワクチン接種が必要です。ワクチンの予防効果は、摂取してから時間が経過すると低下していきます。一定の間隔を開けてワクチンを打つことで、自分の体内で免疫を作れるようになります。ワクチン接種のタイミングは以下の通りです。
生後8週以降
主に自宅近辺で過ごす犬に5種混合ワクチンを接種します。
生後11週以降
5種または8種の混合ワクチンを接種します。他県に行く場合、山などで遊ばせる犬には、8種を摂取しましょう。
生後14週以降
5種または8週の混合ワクチンを接種します。
生後110日前後
狂犬病ワクチンを接種します。91日齢以上の犬には、接種の義務があります。
成犬から年に1度
狂犬病ワクチンと混合ワクチンを別々に接種します。摂取時期が重なる場合は、身体への負担を考慮し、約2週間の間隔を空けてください。
ワクチン接種時に注意すること
ワクチン接種の前後で、体調を崩してしまう子もいます。接種を受ける際は、愛犬の様子をしっかり観察するようにしてください。
ワクチン接種の前日
ワクチン接種の前日は、普段通り過ごしても問題ありませんが、シャンプーや慣れない場所へのお出かけなど、ストレスを与えることは控えてください。
ワクチン接種当日
血流が良くなると、副反応が出る場合があるため、長時間の散歩や激しい遊びは控えるようにし、食後1~2時間は空けて接種するようにします。摂取後15~30分はアナフィラキシーに注意し、目を離さないようにしてください。万が一、様子に異常があれば、すぐに動物病院を受診しましょう。
ワクチン接種から数日は副反応に注意
接種から数日の間は、副反応が出る可能性があります。元気がない、食欲がないなど、普段と違う様子が見られる場合は、獣医師さんに相談してください。接種前日と同様、ストレスがかからないように配慮し、安静に過ごしましょう。
まとめ
愛犬を感染症から守るためには、ワクチン接種が有効です。特に子犬は感染症にかかるリスクが高く、重症化する恐れがあるので、注意する必要があります。また、犬のワクチンや感染症について、飼い主さんが正しい知識を持っておくことが大切です。ワクチンにもいくつか種類があるので、生活環境などに合ったものを選び、適切なタイミングで接種しましょう。
子犬を迎え入れたら、まずはワクチンについて、接種する時期や種類などを獣医師さんと相談してみてくださいね。


犬の家&猫の里 編集部
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