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必ず知っておきたい猫の肛門絞りについて解説します
猫を飼っている飼い主さんが知っておきたいケアのひとつが、肛門絞りです。
この記事では、猫の肛門腺絞りの必要性と頻度、やり方について、解説していきます。ぜひ参考にしてみてください。
猫の肛門腺とは?
肛門腺とは、肛門の左右にある一対の袋のことを指し、「肛門嚢」とも呼ばれる部分です。時計でいうと、ちょうど4時と8時の方向にあり、この中に悪臭がする分泌液(液体からペースト状のもの)が入っています。この分泌液は液状や粘土状、色も薄黄色から黒茶色、灰色など、個体により様々です。
この分泌液(肛門腺液や肛門嚢液)は、ウンチをする際に、肛門腺が圧迫されて、排泄物と共に排泄されるのが、通常です。しかし、生まれつき分泌液が出にくい子や、下痢や炎症があって排出する穴が塞がった状態の場合、きちんと排出されないことがあります。上手く排出されずに、分泌液が溜まってしまえば、病気を引き起こすことがあるため、定期的に絞ってあげなければなりません。
肛門腺の役割
肛門腺の分泌液は、マーキングの際のニオイ付けにも利用されます。猫同士が、お尻をくんくんと嗅ぎ合っているのを見たことはありませんか。肛門腺の分泌液には個性があり、形状からニオイまで異なります。お互いの肛門腺のニオイを嗅ぎ合う行為により、相手を認識しようとしているのです。肛門腺には、こうした個体同士の情報交換の役割を担っています。
肛門腺絞りは必要性と頻度
猫は犬よりも肛門腺が溜まることは少ないとされていますが、分泌液が溜まったまま放っておくと、肛門腺が炎症を起こしてしまうことがあります。猫の場合、普段あまりケアをしないと肛門腺破裂など、重大なトラブルになることも多いです。そうなる前に人の手で、分泌液を排泄してあげる必要があります。
肛門腺絞りは、1か月に1回程度の頻度で行うのが良いとされています。
肛門腺絞りをする目安として、次のような仕草があります。
- ・お尻歩きをする
- ・お尻を気にして定期的に舐める
- ・お尻を痒がる
- ・お尻を触ると嫌がる
- ・お尻からくさいニオイがする
- ・お座りしたがらない
これらの様子が見られた場合は、肛門腺に分泌液が溜まっているサインです。分泌液が溜まっていれば、絞って排出してあげてください。
肛門腺に関する病気
肛門腺に分泌液が溜まった状態のままだと、病気になってしまう場合があるので、注意が必要です。肛門腺に関する病気には次のようなものがあります。
肛門嚢炎
肛門腺が詰まったり、細菌感染を起こしたりして、肛門嚢が炎症を起こすのが肛門嚢炎です。肛門嚢炎になると、肛門腺の部分が赤くなっている、分泌液に血が混じる、ドロッとした膿が出るなどの症状が見られます。また、ニオイが強くなることや、頻繁にお尻を気にする仕草が見られる場合が多いです。
肛門腺破裂
肛門腺が詰まって分泌液が溜まり過ぎると、肛門腺破裂を起こします。肛門の脇から膿が出てきたり、お尻周りの毛が湿ってきたりすることで気づくケースが多いです。肛門腺破裂の場合は、まず破裂している箇所を確認し、皮膚の切除や洗浄を行います。一般的な外傷処置で改善することが多いですが、再発する場合もあります。
どちらの病気の治療も、肛門腺を優しく圧迫し、溜まった分泌液を出し切る処置がされます。肛門腺が詰まっている場合も、カテーテルを入れて洗浄し、抗生物質の投与で回復する子が多いです。異変が見られる場合は、早めに獣医師さんを受診してください。
肛門絞りのやり方
肛門腺の分泌液は独特のニオイがします。分泌液が勢いよく出ることや、飛び散ることがあるので、お風呂でやるか、ティッシュで押さえながら行うようにしてください。絞る前に、使い捨ての手袋や市販の消臭スプレー、ティッシュ、袋などを用意しておくと良いです。
まず肛門の下の4時と8時の位置に人差し指と親指をあてて、肛門腺を確認します。やや下側から肛門に向かって肛門嚢の分泌液を、上にキュッと押し上げるように絞ります。
1回で絞り切るのは難しいので、何度か絞り出すようにしましょう。肛門腺絞りをすると、お尻が臭くなるので、ティッシュに消臭スプレーなどを吹きかけて、お尻を拭いてあげてください。
ネコが嫌がる場合は?
猫によっては、肛門腺が固くて絞りづらい子や、触られるのを嫌がって暴れてしまうことがあります。無理に絞ろうとすると、肛門腺を傷つけてしまうことがあるので、獣医師さんやトリマーさんにきちんとやり方やコツを教えてもらうか、動物病院に依頼した方が良いでしょう。
まとめ
肛門腺には、強いニオイのする分泌液(肛門腺液や肛門嚢液)などが溜まっています。肛門腺にはニオイ付けなどのマーキングの役割があり、分泌液はウンチをするときに一緒に排泄されるものです。
中には、自力で分泌液を排泄できない子や肛門腺が塞がり、分泌液が溜まってしまう場合があります。お尻歩きをしたり、お尻を気にして舐めたりする仕草が見られる場合は、肛門腺絞りをするタイミングです。病気の原因にもなるため、定期的に絞ってケアしてあげましょう。
普段から愛猫の様子や肛門腺の状態をチェックし、清潔に保ってあげてくださいね。
犬の家&猫の里 編集部
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