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猫にアロマは危険?飼い主が知っておきたい気を付けること

アロマの香りは、人間にとっては癒しやリラクゼーション効果があるとされていますが、猫にとっては有害な成分が含まれています。
この記事では、猫に対するアロマオイルの危険性について、理由や危険なオイルについて解説していきます。
もくじ
猫にアロマオイルが危険な理由
猫にとってアロマオイルが危険な理由は、猫が肉食動物だからです。それゆえ、猫は体内に植物を消化分解する酵素を持っておらず、アロマに含まれるアルコール類も代謝分解する能力がありません。そのため、アロマオイルの香り成分である「フェノール類」や「ケトン類」、「モノテルペン炭化水素類」に過剰に反応します。
万が一、猫がアロマオイルに含まれる植物由来の成分を口にすると、中毒を引き起こす場合があり、大変危険です。猫を飼う飼い主さんはアロマオイルに対して、十分注意を払う必要があるのです。
アロマオイルとは?エッセンシャルオイルの違い
アロマオイルは、エッセンシャルオイルを無水エタノール、キャリアオイルなどで希釈したものや、香料などを加えた合成オイルです。一方、エッセンシャルオイルは、植物由来の天然100%のオイルで、植物の花や葉、果皮、樹皮、根、種子、樹脂などから抽出された芳香成分が高濃度に濃縮されたものです。アロマテラピーで使用する際は、各植物の持つ特有の香りの成分により、機能が異なります。抗菌や鎮静、消臭など、多様な効果が科学的に認められています。特に植物由来のエッセンシャルオイルは希釈されていない原液のため、刺激がより強く、猫にとっては有害です。
猫に特に危険なオイル
エッセンシャルオイルの元になっている植物には、たくさんの種類がありますが、猫への影響について、すべてのオイルで確認されているわけではありません。以下は、猫に特に危険なアロマオイルです。
- ・ベルガモット
- ・シナモン
- ・クローブ
- ・ユーカリ
- ・ヨーロピアンペニーロイヤル
- ・ゼラニウム
- ・ラベンダー
- ・レモン、ライム、オレンジ
- ・レモングラス
- ・ローズ
- ・ローズマリー
- ・サンダルウッド
- ・ティーツリー
- ・タイム
- ・ウィンターグリーン、ペパーミント、スペアミント、ミント
- ・イランイラン
ティーツリーやペパーミントは、特に危険なので要注意です。猫にはこれらに含まれる成分を代謝するための酵素を十分作る機能がないため、うまく代謝できずに、肝障害を起こしてしまう場合があります。
猫がアロマを摂取したときの症状
猫がアロマを直接舐めたり、皮膚に直接触れたりすると、次のような中毒症状を起こします。
- ・涙を流す
- ・嘔吐や下痢
- ・元気がなくなる
- ・食欲の低下
- ・神経症状
- ・運動失調
- ・筋肉の震え
- ・抑うつ状態
- ・異常行動
- ・めまい
- ・失禁
- ・活力がなくなる
もしも猫が誤ってアロマオイルを摂取してしまったり、中毒症状が見られたりする場合は、必ず動物病院で診てもらってください。
アロマの危険性は、直接摂取せずとも、室内の空気中に拡散させる芳香浴だけでも、猫の体に中~長期にわたり影響する可能性も示唆されています。猫は頻繁に毛づくろいするため、毛に付いた成分を体内に取り込んでしまうからです。現時点では、はっきりとした根拠はないものの、数年後に症状が現れる場合もあるとされているため、注意が必要です。
もともと代謝障害や神経障害を持つ子や、肝臓の機能が未発達な子には、影響が強く出る可能性があります。
猫が誤ってアロマを摂取したときの対処法
猫が誤ってアロマを摂取した場合、自宅でできる対処法はないため、猫をアロマのある場所から離し、すぐに動物病院に連れて行ってください。
受診する際は、いつからどのような症状があり、どの程度の頻度で発現しているか、伝えましょう。使用していたアロマオイルやエッセンシャルオイル、直近の嘔吐物やうんちを持参すると、診断の助けになります。また、筋肉の震え、運動失調といった神経症状がでているときは、愛猫の様子をスマートフォンなどで撮影しておくと役立ちます。
猫がいても大丈夫なアロマある?
猫にとって絶対に問題のないアロマはありません。
猫へのエッセンシャルオイルの影響に関する研究報告やデータはあまりありませんが、ネコ科の動物は遺伝的にエッセンシャルオイルの成分の代謝が上手くできないことが分かってきています。
エッセンシャルオイルには、濃縮された植物の有機化合物が含まれており、少量であっても中毒をおこしやすいとされています。
さらに、エッセンシャルオイルの体内への蓄積性も懸念されています。猫はエッセンシャルオイルに含まれる成分の代謝に必要な酵素を体内で十分に作ることができません。そのため、解毒できずに体内に溜め込んでしまうのです。
数年にわたるアロマテラピーの影響が、突如症状として愛猫に現れるケースもあるため、猫のいる家庭ではエッセンシャルオイルの使用は避けた方が良いでしょう。
アロマオイルのなかには、ノミやダニの駆除や消臭効果のあるものがあるため、駆除スプレーやシャンプーなどに使われていることがあります。
猫専用ではない商品の成分表示にアロマオイルを添加しているものがあれば、避けた方が良いでしょう。
猫と暮らしている家庭では、飼い主さんはアロママッサージや芳香浴はせず、エッセンシャルオイルを持ち込まない、近づかせないのが、最も確実で安全な対策です。
関連記事:犬もアロマは活用できる?用途や注意したい香りについて解説
まとめ
アロマオイルは猫にとっては、有毒で危険なものです。特にエッセンシャルオイルは、濃縮された植物エキスが含まれており、体内で代謝、消化する酵素を作れない猫は、中毒症状を起こす場合があります。また、室内でアロマを炊いた場合、猫の毛に成分が付着し、毛づくろいの際に体内に取り込んでしまう可能性がありますので、芳香浴も避けた方が良いでしょう。
万が一、愛猫に中毒症状が見られたら、個人で出来る対処法はないため、すぐに動物病院を受診しましょう。
アロマが猫に与える影響に、明確な研究結果や根拠はありませんが、現時点では猫に対するアロマの安全性は確立されていません。愛猫のためにも、アロマに対する毒性や危険性を理解した上で、日常生活での使用や持ち込みはしないようにしましょう。
犬の家&猫の里 編集部
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