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犬がくしゃみをする原因は?止まらないときに考えられる病気や対応方法
犬もくしゃみをするときがありますが、回数が多くて止まらないと心配になりますよね。犬はどのようなときにくしゃみをするのでしょうか。
この記事では、犬がくしゃみをする原因と、考えられる病気や対応方法について、解説していきます。愛犬が示すサインを見逃さず、適切にケアしていきましょう。
犬のくしゃみの原因は?
くしゃみとは、鼻腔に何らかの刺激が加わり、体内に侵入させないために起こる反射的な行動です。犬がくしゃみをするときは、次のような理由が考えられます。
風邪
犬も人間と同じように風邪を引きます。犬の風邪はケンネルコフ(犬伝染性気管支炎)と呼ばれており、ウイルスや細菌に感染することで起こります。
症状は人間の風邪とよく似ています。ですが、犬と人間では引き起こす病原体が異なるため、犬の風邪が人間に移ったり、人間の風邪が犬に移ったりすることはありません。
花粉やほこりなどによるアレルギー
犬のくしゃみの原因は、花粉やハウスダストへのアレルギー反応によるものかもしれません。アレルギーによりくしゃみが出るときは、同時に鼻水の症状も見られます。
花粉がアレルゲン(アレルギーの原因となる物質)であれば、特定の季節にくしゃみが増え、ハウスダストが原因であれば、通年症状が出ます。
アレルギーが疑われる場合は、動物病院で行う血液検査で、アレルゲンを特定しましょう。散歩中や食べ物などのアレルゲンを避けることで、症状を緩和できます。
異物の排出
鼻に異物が入り込むことによる生理的な反射でも、犬はくしゃみをします。異物が除去されれば、自然にくしゃみも治まることがほとんどです。
場合によっては、なかなか異物が排出されずにくしゃみが止まらないケースもあります。異物が入ったままで長時間いると、鼻の粘膜が炎症することもあるため、獣医師さんに除去してもらってください。
異物によるくしゃみは、愛犬が過ごす環境をきれいな状態に保つように心がけることで予防できます。
においや気温の変化
犬が香辛料やタバコ、殺虫剤などの刺激の強いにおいを嗅ぐと、くしゃみが出ることがあります。鼻の神経が刺激されることが原因で起こり、急激な気温の低下や強い光にさらされることでも、くしゃみが誘発されます。
子犬(パピー)のくしゃみ
子犬がくしゃみを頻繁にしている場合、ケンネルコフである可能性が高いです。子犬は、まだ免疫機能が低く、体力もあまりないため、注意する必要があります。
ケンネルコフの可能性が高い?
犬が引く風邪はケンネルコフ(犬伝染性気管支炎)と呼ばれており、生後6週~6か月齢のワクチン未接種の子犬が発症しやすいです。
ケンネルコフは、ウイルスや細菌、マイコプラズマ属菌などにより発症し、感染力がとても強いのが特徴です。多頭飼いの環境下では、他の犬にも感染しやすいため、注意してください。
治療法は、吸入治療や咳止めの投与といった対処療法をし、細菌感染がある場合は、抗生物質が投与されます。
症状が出てすぐに治療を開始すれば、1週間ほどで完治しますが、重症化すると気管支炎や肺炎を引き起こし、命に関わる危険があります。ただの風邪だと安易にとらえずに、獣医師さんの診察を受け、早期に治療を開始しましょう。重症化を防ぐためには、ワクチンの接種が有効です。
成犬や老犬(シニア犬)のくしゃみ
成犬や老犬がくしゃみをするときについて、見ていきます。
犬がくしゃみをしても病気ではない可能性もある
犬のくしゃみは、鼻腔粘膜への刺激による生理現象である場合も多いです。ほこりを吸い込んだとき、散歩でにおいを嗅ぐとき、鼻が水についたときにも、くしゃみをします。この場合のくしゃみは一過性のもので、多くの場合で心配はないでしょう。
体調に変化がない、数回のくしゃみをしただけで元気、刺激臭を嗅いだあとのくしゃみであれば、心配いりません。
逆くしゃみとは
逆くしゃみとは、鼻をグーグーと鳴らし、鼻水をすするように強く息を吸い込む動作のことです。鼻から勢いよく空気を吐き出すくしゃみと逆の動作なので、逆くしゃみと呼ばれています。
小型犬の短頭種である、チワワ・フレンチブルドッグ、シーズーなどに多く見られますが、呼吸器への刺激による反射であり、心配いらないケースがほとんどです。
動物病院に受診したほうが良いくしゃみの症状
くしゃみ以外にも症状が見られる場合は、病気のサインである可能性が高いです。早めに動物病院を受診するようにしてください。
- ・くしゃみが長く続く
- ・呼吸が苦しそう
- ・普段とは違うくしゃみ
- ・血や膿が混じった鼻水が出る
- ・発熱・下痢・嘔吐などの症状を伴う
- ・食欲や元気がない
犬のくしゃみから考えられる病気とは?
上記のような症状がみられるくしゃみは、注意が必要です。くしゃみ以外の症状が見られるときは、次のような病気が疑われます。
鼻炎・副鼻腔炎
くしゃみと共に鼻水が出る場合は、鼻炎かもしれません。はじめはサラサラとした鼻水ですが、悪化すると黄色や緑色のドロッとした粘り気のある鼻汁に変わります。
発症の原因となるのは、ウイルス、細菌や真菌(カビ)などによる感染や、異物の吸い込みによる粘膜の炎症などです。慢性化すると、副鼻腔に膿が溜まる副鼻腔炎を発症する場合もあります。
>副鼻腔炎になると、嗅覚にも影響が及ぶことがあるため、できるだけ早く対処すること大切です。
鼻腔内腫瘍
鼻腔内腫瘍は、鼻の中に腫瘍ができる病気で、高齢犬や鼻の長い犬種に多く、くしゃみや鼻水、鼻血が出るなどの症状が見られます。鼻腔内の腫瘍の多くは悪性であるため、早期発見と早期治療が重要です。
歯周病
歯周病は、歯石が付着し、細菌によって炎症を起こす病気です。歯周病を発症すると、鼻腔まで感染が広がり、くしゃみや膿っぽい鼻水、鼻血などが出ることがあります。
歯周病は、内服薬や抜歯などの治療が必要です。歯周病が疑われるときは、動物病院に連れて行ってください。
まとめ
犬のくしゃみは、鼻腔粘膜への何らかの刺激が加わることで起こります。花粉やほこりによるアレルギー反応や、異物やにおい、気温の変化などによる、生理的な反射である場合も少なくありません。
アレルゲンや異物を排除すること、刺激となる環境やものを避けることで予防できます。また、小型犬の短頭種によく見られる逆くしゃみは、発作性の呼吸で治療の必要がないことがほとんどです。
ただし、くしゃみが病気のサインである場合もあります。くしゃみ以外の症状がないか、体調に異変がないか、よく観察することが大切です。子犬に多いケンネルコフは、重症化すると命に関わる恐れがあるため、特に注意してください。
日頃から愛犬の体調や様子を気にかけ、生活環境や習慣を整えるなど、飼い主さんができることを実践していきましょう。病気が疑われる場合は、早期発見と治療がポイントです。症状が進行する前に、動物病院で治療を受けましょう。


犬の家&猫の里 編集部
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