犬はかつて番犬としての役割を担っていましたが、最近は愛玩犬として飼われるようになってきました。それに伴い、犬を室内で飼う家庭が増えています。中には室内で飼うのが難しいため、玄関で飼うことを検討する場合もあるでしょう。そこでこの記事では、犬を飼うときに玄関で飼う際のメリットやデメリットについて、解説していきます。ペットである犬も、子供と同じで、大切な家族の一員です。出来る限り、暮らしやすい環境を整えてあげましょう。

犬は玄関でも飼える？

結論からいうと、犬は玄関でも飼うことはできます。ただし、デメリットもあるため、おすすめはしません。ここでは、室内で飼うのがおすすめの理由と、土間で飼うことができるのかについて、見ていきます。

室内で飼うのがおすすめ

犬の飼育は、室内で飼うことが推奨されています。

外で飼う場合、犬が侵入者を吠えて知らせるため、鳴き声が近所とのトラブルに繋がる可能性があるのです。また訪問者の中には、犬が苦手な方もいます。興奮した犬が訪問者に飛び掛かったり、噛んだりする危険もあるのです。犬を外で飼うことでの問題を回避するためにも、室内で飼うのが無難だといえます。

また人間の犬に対する意識の変化によるところも大きいです。愛犬も飼い主さんや家族にとって、一緒に暮らす大切な存在といえます。

人間と同様に、愛犬にも快適な空間を用意してあげることが必要不可欠です。飼い主と愛犬が適度な距離感で生活を共にすることは、お互いの健全な暮らしに繋がります。

土間でも飼える？

一般的な家の構造は、犬を室内で飼うのに適していない場合が多いです。どうしても室内で飼えない場合は、玄関と併用できる土間で飼うこともできます。

室内で犬を飼うことに抵抗がある家庭は、土間で飼う場合もあるでしょう。土間を使うと、散歩で外から帰宅したときも、足を洗う手間はかかりませんし、室内を荒らされる心配もないです。ペットグッズをまとめて収納できる場所や足を洗う洗面があれば、無駄な動きが少なくて済みます。下がタイルになっているので、犬が多少汚しても気にならないのもメリットです。

土間にある程度スペースがあり、犬がくつろげる場所やケージなどを置ける広さがあると良いでしょう。しかし、基本的に土間は犬にとって落ち着く場所ではありません。玄関先で犬を飼う際は、あらかじめデメリットがあることを知っておきましょう。

玄関で犬を飼うデメリット

犬を室内で飼えない方が玄関で飼うことを選ぶケースがあります。玄関で犬を飼う場合、犬にかかるメンタルへの負担や身の危険が及ぶことが少なくありません。では、具体的にどのような問題があるのでしょうか。

ストレスがかかる

犬は玄関で飼われると、飼い主さんが思う以上にストレスがかかります。

これは犬の持つ縄張り意識によるものが大きいからです。玄関は常に人が出入りする場所です。犬は縄張りが荒らされないかと、いつも警戒していなければならず、気が休まりません。

また、家族と過ごす空間とは少し距離があり、分離不安を感じてしまう犬もいるでしょう。そうした不安から、気が立って噛みつくといった問題行動にも繋がってしまいます。

たとえ鎖で繋がっていたとしても、警戒心から吠えることも多いです。ストレスが溜まれば愛犬が凶暴になってしまう場合もあります。玄関での犬の飼育は、愛犬の気持ちも考慮しましょう。

また大型犬にとって、玄関のスペースでは狭く感じ、居心地が悪いことがストレスとなることもあります。

飛び出しの危険

前述したように、玄関は人が出入りする場所です。訪問者がドアを開けた瞬間に犬が外へ飛び出してしまう危険があります。外への興味や好奇心が強い犬なら、脱出できる機会をうかがっている場合もあるのです。

玄関は家の中だからと、飼い主さんも気を抜いてしまうかもしれません。しかし、不意の来客時に犬を外へ逃がしてしまうことになります。愛犬が開放感からそのまま戸外へ脱出してしまうことにもなり得るのです。

その場合、外で事故に遭ったり、迷い犬になってしまったりする心配があり、とても危険です。玄関での飼育は、そのような危険も含めた上で、対策を立てることが必要でしょう。

玄関で犬を飼う際の注意点

基本は玄関で犬を飼うことはおすすめしませんが、家庭の事情によって玄関で飼う場合もあるでしょう。ここでは、玄関で犬を飼う際の注意点について見ていきます。

犬が外に出ない工夫をする

飼い主さんや家族が外出する際は、誤って犬が外へ出てしまわないように、間仕切りや衝立、ケージに入れるなど工夫してみてください。

急な訪問者が来ても、外からはドアを開けないこと。犬の安全を確認してから、出入りするなど、ルールを決めておくと良いです。

たとえ玄関であっても、鎖などで繋いでおけば、安心して出入りできます。

快適な温度を保つ

犬の中には、夏の暑さや冬の寒さに弱い犬種もいます。玄関は屋内ですが、温度管理されていない場合が多いです。愛犬の持つ被毛によって、体感温度が異なりますので、愛犬の様子を見ながら対応しましょう。

夏場は、扇風機などを設置して空気を循環させる、冬場はヒーターやブランケット、湯たんぽなどの暖房器具を活用して、できるだけ快適な温度を保つようにしましょう。

落ち着ける場所を用意する

犬は狭くて薄暗いところを好みます。犬がひとりで落ち着いて過ごせる場所を作りましょう。

愛犬の性格によっては、人好きで誰かの傍にいたい子、ひとりになりたい子など様々です。少しの時間でもひとりになるのを怖がるのなら、飼い主さんの存在を感じられるような位置に移動してみましょう。

常に誰かに監視されている状態が原因でストレスを感じているなら、ハウスに目隠しをしたり、直接周りから見えない位置にハウスを設置したりすると良いです。

室内の放し飼いも非推奨

犬は室内で飼うのが最も良いのですが、室内だからといって放し飼いはおすすめしません。

家中どこへでも行けてしまうと、それだけ犬の縄張りが広くなります。警戒する範囲が広がることで、疲弊したりストレスが溜まったりしやすいです。また、放し飼いを許容すると、犬は自分の縄張りだからと好き勝手な行動をする場合も少なくありません。

室内で飼う場合は、あらかじめ愛犬が行動できる場所を制限し、犬が邪魔されずに休めるようケージを設置しましょう。設置場所は、家族の生活動線に近くない場所で、薄暗い部屋の角や、家族が見える位置が良いです。

またトイレトレーニングなどの基本的なしつけを行っておくと、飼い主さんも愛犬も安心して生活できます。

まとめ

犬を飼う際は、室内で飼うことが推奨されています。

室内で飼えない事情がある場合は、玄関でも飼うことは可能です。ただし、デメリットもあるので、それらを含めた対策を講じることが前提となります。犬を脱出させない工夫をし、温度などに気を配り、快適で落ち着いて過ごせる環境を整えてください。

また室内で飼っているからといって、放し飼いをするのは止めましょう。犬が自由に家の中を動かないよう、行動範囲を制限し、ひとりでゆっくり過ごせるようケージを設置しましょう。

設置場所も、人通りがあまりなく、邪魔にならないリビングの隅が理想です。行動範囲が限られていると、部屋の掃除も楽になります。室内飼いをする際は、基本的なしつけを済ませておきましょう。

愛犬を含めた家族みんなが、快適に生活できる空間づくりをしていきましょう。