母乳やミルクを飲んでいた子猫も、成長と共に食事を変えていく必要があります。では、子猫にドライフードを与えられるのはいつからなのでしょうか。この記事では、ドライフードを与える時期と与え方、食べてくれないときの対策について、解説していきます。

愛猫の成長のペースに合わせて、食事の与え方を変えていきましょう。

子猫にドライフードを与えるのはいつから？

子猫の乳歯が生えそろう時期からドライフードを与えることができます。子猫の乳歯は生後2～3週目で生え始め、生後8週頃までに生えそろいます。個体差があるため、子猫の乳歯の状態で判断してください。

生後4週目頃に、ミルクや母乳のみから少しずつ離乳食へと移行します。生後8週頃の卒乳や、乳歯が生えそろったタイミングがフードのみの離乳食になる目安です。まずはウェットフードや完全にふやかしたドライフードを混ぜたものを与えていきましょう。

離乳食から固形のドライフードへと移行する生後1歳までは、大切な成長期です。たんぱく質や脂肪など栄養たっぷりな、高カロリーの子猫用のフードや総合栄養食を与えてください。

初めてドライフードを与える方法は？

初めてドライフードを子猫に与えるときの注意点は、お湯に入れてふやかすか、水に入れて電子レンジで加熱して与えることです。

最初からドライフードを好んで食べる子もいますが、食べ物だと認識しない子もいます。
はじめは子猫用のミルクと併用しながら、子猫用のウェットフードやふやかしたドライフードを少しずつ混ぜていってください。

子猫は消化器官が未発達のため、いきなりカリカリのドライフードを与えると、下痢や嘔吐などの症状を起こしてしまいます。子猫の様子や体調を見ながら、徐々に慣らすようにしていきましょう。

また、子猫は胃が小さく、消化器官に負担がかかるため、一度にたくさんの量を食べられません。1日の食事量を少なめにして、回数を増やして与えるのがポイントです。与えるときは、きちんとドライフードがふやけて、食べやすい状態になっているか確認してください。

ドライフードへの切り替え方

ドライフード＝カリカリに食事をきりかえるときは、子猫の体への負担を考え、段階を踏むことが大切です。フードの切り替えには、1～2週間くらいかけ、ゆっくり慣らしながら、子猫が食べやすい状態にしてから与えます。

完全にふやかした状態のものに食べ慣れてきたら、カリカリのふやかす程度を変えていきます。生後3～4か月頃のふやかしたカリカリに慣れたところで、カリカリをジップロックなどに入れ、綿棒などで細かく砕いたものを与えます。カリカリをかみ砕く練習をさせるためです。あまり細かいと噛む力が育たないので、少し形を残す程度にすることを意識してください。

砕いたカリカリに慣れてきたら、少量をそのままの形で与えてみます。食べるようなら、量を増やしてみましょう。すぐに慣れて、カリカリのまま食べられる子もいますが、消化不良や下痢を起こす子も少なくありません。

焦らずに子猫の状態を見て、時間をかけて切り替えていくと良いです。

ドライフードを食べてくれないときは？

ドライフードを食べてくれないときの対処法は、与え方を工夫してみることです。

猫は匂いや味に敏感です。

• ・フードをぬるま湯でふやかす。
• ・フードを電子レンジで少しだけ温める。

フードの香りが立つため、食欲が沸いて食べてくれることもあります。

数種類のドライフードをローテーションする方法もあります。フードの味に飽きる、好みの味でないと食べなくなることが少なくありません。そのため、フードの選び方も大切です。色々試して、よく食べるフードを見つけてみると良いでしょう。

ドライフードが劣化していると、風味が落ちて食べなくなることもあります。ドライフードは、できるだけ鮮度を保つために、保管方法にも注意が必要です。後述するドライフードの保管方法を参考にしてみてください。

また、市販のウェットフードやふりかけタイプのもの、かつお節をトッピングするのもおすすめです。フードの上に載せただけで食べない場合は、よくかき混ぜてみると、味が馴染んで食べることがあります。

子猫が落ち着いて食事が食べられないことも食べない要因として考えられます。食べているかどうか気になり、飼い主さんがじっと様子を見ていると、子猫にストレスがかかってしまいます。そっと見守るようにしましょう。

ドライフードに関するよくある疑問

ここでは、ドライフードに関するよくある疑問をご紹介します。

いつまでふやかして与える？

離乳食の期間は生後8週目頃までです。生後4か月を目途に、離乳食から固形食に移行していきます。この時期を過ぎたら、食欲がないときや病気の時を除いて、できるだけカリカリのドライフードを与えるようにしてください。

切り替え時は、体重計で体重を測定し、順調に増えているか、また健康状態に問題はないかチェックするようにしてください。子猫用のフードは、生後半年を過ぎた避妊や去勢後には卒業しましょう。

ドライフードのみでも大丈夫？

子猫用のドライフードは、発達に適したビタミン、ミネラル類、たんぱく質がバランス良く豊富に含まれています。そのため、水分とドライフードだけでも、必要な栄養を補うことが可能です。

子猫は成長期だからこそ、栄養のバランスの取れた食事を与える必要があります。子猫に与えるドライフードは、大人用のフードではなく、子猫用フードでかつ、総合栄養食と記載のあるものを選ぶと良いです。

ドライフードの保存方法は？

ドライフードは開封後も風味を損なわないよう、正しく保管することが大切です。開封したフードは酸化によって劣化するため、できるだけ空気に触れさせないようにしてください。高温多湿を避け、温度差が少なく、直射日光の当たらない場所で管理しましょう。

以下のように保存するのが理想的です。

• ・袋を閉じるときは、空気を抜いて保存。
• ・密閉容器や真空容器で保存。
• ・脱酸素剤や乾燥材と一緒に保存。
• ・ジッパー付き密閉袋に小分けして保存。

まとめ

子猫の乳歯が生えそろう生後8週目頃が、カリカリのドライフードを与える目安となります。生後4週目から8週目の間は、ミルク(母乳)から離乳食への移行する時期です。

初めてドライフードを与えるときは、完全にふやかしたものを混ぜて与えます。ふやかす程度を変えたり、カリカリの割合を増やしたりして、段階的にフードを切り替えていきましょう。

もしもドライフードを食べないときは、フードをふやかす、電子レンジで加熱して香りを立たせてみると食べてくれることがあります。また、ウェットフードや猫用ふりかけなどを混ぜてみるなど、フードの与え方を工夫してみてください。

猫は嗅覚や味覚に優れているため、匂いや味にも敏感です。ドライフードは風味や鮮度を保つために、できるだけ酸化を防ぎ、高温多湿を避けて暗所で保存するようにしましょう。

子猫の食事の世話は何かと大変で、試行錯誤しながら育てるのも楽しいものです。子猫をしっかり成長させるために、愛情を持って育てていきましょう。