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室内犬でも気を付けたい「ノミ」の対策方法と症状について
愛犬のノミ対策をしていますか?室内で飼っていたとしても、ノミが寄生することはあります。ノミが寄生すると、強い痒みや皮膚の炎症などの症状が出るだけでなく、感染症にかかる恐れもあります。
この記事では、ノミが寄生しやすい場所や原因、症状や対策について見ていきます。ノミについて正しく知って、予防や対策をしていきましょう。
寄生するノミの特徴
ノミは、大きさ約1.5~3㎜くらいのゴマ粒のような小さな害虫です。左右に薄い体をしており、羽はありません。高さ30㎝くらいまで飛び跳ねるジャンプ力のあるノミは、犬や猫などにぴょんと飛びついて、寄生して吸血します。
ノミとダニの違い
ノミと混同されやすいのがダニです。マダニはクモの仲間で、約1~5㎜くらいの大きさです。寄生して吸血すると、約1㎝の小豆くらいの大きさに膨らみます。
ダニも寄生して吸血しますが、成虫だけが吸血するノミに対し、ダニは成虫以外の幼ダニや若ダニも吸血します。
ノミは一度寄生したら駆除されない限り離れることはありません。一方、寄生したマダニは、満腹になると宿主から離れ、空腹になると再び宿主に取りつくことを繰り返します。
ノミが寄生しやすい場所
ノミは室内外問わず、生息することが可能です。春や秋にかけて発生しやすく、20~30℃の温度で繁殖が活発になります。冬場でも暖かい室内だと、通年生息できるので油断できません。
愛犬が好んでよく過ごす場所
部屋のすみや家具の下などの暗い場所、カーペットやソファの上などの愛犬が過ごす場所に多く見られます。暖かい室内は、ノミが寄生しやすい場所です。卵や幼虫、さなぎが生息しているかもしれません。
湿気が多くて日陰になっている場所
ノミは、室外だと犬小屋の下や縁の下、草むらなどの日陰でじめっとした場所に潜んでいることが多いです。愛犬が近づいたり、首を突っ込んだりすれば、ノミが体に移るかもしれません。
ノミが寄生する原因
普段の何気ない生活の中でも、ノミに寄生される可能性があります。ノミに寄生される原因となる感染経路について見ていきましょう。
散歩中に寄生される
ノミの感染経路で多いのが、愛犬の散歩です。散歩をする道の地面や草陰には、ノミが潜んでいます。ジャンプ力があるノミは、通りがかった愛犬にパッと飛びついて寄生することがあるため、愛犬が寄生されないためにもしっかり予防しておきましょう。
ノミが寄生した野良猫によるもの
家の玄関や庭先を出入りしている野良猫がいる場合は、要注意です。衛生状態の悪い野良猫の体には、ノミや付着したノミの卵が寄生している可能性が高く、愛犬に移ってしまうことがあります。
飼い主さんが外から持ち込む
飼い主さんが外からノミを持ち込む場合もあります。知らぬ間に、服にノミを付着させた状態で飼い主さんが帰宅することで、愛犬に移り、さらに寄生するという流れになります。
ノミが寄生した場合にみられる症状
ノミが寄生している犬は、強い痒みを感じるようになります。以下のような行動が見られたら、ノミが寄生している可能性が高いため、動物病院で治療が必要です。
- ・何度も足で体を掻いている
- ・体をこする
- ・前歯で体を噛んでいる
- ・皮膚が赤くなるほど舐めている
しきり体を掻いたり、舐めたりすることで、部分的に脱毛する、毛が薄くなって地肌が見えることもあります。ノミによる皮膚炎は、急に症状が悪化してしまうケースもあるので、気になる愛犬の行動が見られたら、速やかに獣医師さんの診察を受けてください。
ノミが引き起こす病気
ノミは、皮膚炎や感染症などの病気を引き起こす可能性があります。場合によっては、貧血や体重減少などの重度の症状が現れることもあるため、注意が必要です。
アレルギー性皮膚炎
ノミに刺されると、皮膚の痒みと共に湿疹や赤みが生じる、アレルギー性皮膚炎を引き起こすことがあります。
ノミの唾液によりアレルギー反応を起こすことが原因でホットスポットと呼ばれる皮膚の炎症が起こるからです。場合によっては、全身に皮膚症状が広がることもあり、注意が必要です。
強い痒みを感じるため、体中掻きむしったり、噛んだりするようになり、傷や脱毛などの症状が見られることもあります。症状を悪化させないためにも、早めに治療することが大切です。
瓜実条虫症(サナダムシ)
サナダムシの幼虫が寄生しているノミを、犬が口にしてしまうことが原因で、発症する病気です。幼虫は体内で50㎝以上に成長し、犬の糞に紛れてサナダムシの体の一部が排泄されます。
症状としては、肛門を気にする、下痢や嘔吐を起こすなどが見られます。
ノミの駆除方法
愛犬の体にノミを見つけたら、できるだけ早めに駆除するようにしてください。たとえ1匹でも、卵を産んでどんどん繁殖してしまいます。
ノミを発見したとしても、潰さないでください。潰してしまうと、メスの体内にある大量の卵が飛び散ってしまうからです。人間の口に入れば、瓜実条虫症に感染する恐れがあります。
荷造りテープを使ってノミを取り除くなどして、周囲への飛散を防ぎましょう。
愛犬に駆除剤を投与したら、部屋に生息しているノミの卵や幼虫を除去するために、徹底的に掃除をしてください。愛犬の寝具はもちろん、部屋のラグなどの洗えるものは全て洗濯し、できれば室内に駆除剤を撒くと良いでしょう。
ノミの予防方法
ノミの寄生から愛犬を守るためには、どうしたら良いのでしょうか。
飼育環境を清潔にする
犬の飼育環境を清潔に保つことは、ノミの予防に繋がります。ノミのエサになる、犬のフケや埃、食べかすなどはキレイに掃除機で吸い取りましょう。
暖かくて湿度の高い場所は、ノミの温床になります。掃除のあとは、部屋の風通しを良くして、ノミが繁殖しにくい環境を心がけましょう。
定期的な予防薬の投与
定期的に愛犬にノミの予防薬を与えることは、最も有効な方法です。
予防薬は量販店などでも購入できますが、効果が弱く、愛犬に薬が合わないと皮膚炎を起こすことがあります。動物病院で処方してもらったものを与えた方が安心です。
ノミの予防薬には、犬の首の辺りに滴下するスポットタイプのものや、ごはんやおやつに混ぜる錠剤タイプ、味がついていてそのまま食べられるチュアブルタイプなどがあります。
ノミだけでなく、フィラリア予防などにも対応しているものもあるので、獣医師さんに相談してみてください。
こまめにお手入れをする
ノミを予防するためには、日々のブラッシングなどのお手入れが大切です。
ノミはシャンプーをして洗い流すことで、除去できます。シャンプーは、ペット専用のものを使いましょう。
シャンプー後はドライヤーで乾かし、ノミ取りブラシでブラッシングしてください。
お手入れの際は、痒がる場所がないか、脱毛部分がないかなど、皮膚のコンディションをチェックしながら行うと良いです。
ノミは人に移る?
ノミが寄生するのは犬だけではありません。愛犬の体にノミがいれば、飼い主さんにも移ってしまう恐れがあります。
皮膚が赤くなる、強い痒みが続くなどの症状が現れます。また、室内に落ちているノミの死骸や糞が、ぜんそくやアレルギーの原因となることも少なくありません。
さらに、飼い主さんが感染症にかかるリスクもあり、危険です。
愛犬の体にノミを寄生させないだけなく、飼い主さんや家族に感染させないことも大切です。
まとめ
ノミは、犬や猫などに寄生して吸血する小さな害虫で、暗くて湿度の高い場所を好むため、地面や草陰に潜んでいます。
ノミは愛犬の散歩中に付着することや、野良猫や飼い主さんが外から持ち込むことも少なくありません。寄生された場合、痒みや皮膚炎を起こすだけでなく、感染症にかかる恐れがあります。
愛犬がしきりに体を痒がる仕草を見せるときは、ノミの寄生が疑われます。気になる症状や仕草が見られたら、獣医師さんに診てもらってください。飼い主さんや家族にも移る可能性があるため、きちんと駆除する必要があります。
愛犬の健康的な暮らしのためにも、正しい知識を持って対応していきましょう。
犬の家&猫の里 編集部
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