ワンちゃんの五感（視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚）について知ろう！

2015.03.25 2024.03.01

五感（視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚）が外界からの情報を得る重要な手段なのは、人もワンちゃんも同じです。
人が情報の約8割を視覚から得ているのに対し、ワンちゃんは嗅覚から4割、聴覚から3割を、視覚からは2割だといわれています。

ワンちゃんたちは、どの様に匂いや音、光などを感じ、事象を切り取り、必要な情報を取り込んでいるのでしょうか。ワンちゃんの世界を覗いてみましょう。

1.味覚

ワンちゃんも人と同様に、甘味、塩味、苦味、酸味、旨味を感知できるといわれています。しかし、味を感知する味蕾（みらい）の数が人には9,000あるのに対し、ワンちゃんには1,700しかなく、ワンちゃんは、味覚にはあまり敏感ではありません。雑食性のワンちゃんの舌には甘みを感知する味蕾がよく発達しているため、甘い物を好みます。ワンちゃんの食欲を刺激するのに重要なのは、まず嗅覚だともいわれています。

2.触覚

五感の中で最も早く成熟するのが触覚です。全身に散らばる皮膚感覚は、「触圧（触れる）」、「痛み・痒み」、「温度（熱い・冷たい）」に分けられます。

(1)触圧（触れる）

身体の先端ほど敏感で、尻尾、足先、鼻先、口周りなどの部位は触られることを嫌がる傾向にあります。

(2)痛み・痒み

痛みに関しては受容体が少ないため鈍感だといわれていますが、一方痒みに対しては人よりも敏感だといわれています。

(3)温度（熱い・冷たい）

個体差はあるものの、鈍感だといわれています。低温火傷には十分注意をしましょう。汗をかくことによる熱放散は苦手です。
※ヒゲには平衡感覚やセンサーとしての機能はありますがワンちゃんの場合ほとんど機能していないため、カットしても問題は無いようです。

3.嗅覚

嗅覚は鼻腔内の嗅細胞によって感受されます。ニオイを感じ取る嗅細胞が集まっている嗅上皮の面積が、人では3～4㎠であるのに対し、ワンちゃんでは18～150㎠と格段に広く、人の嗅覚の約数千～数万倍の嗅覚を持ち、酢酸などの匂いに対しては特に敏感だといわれています。
ワンちゃんの濡れた鼻は、ニオイの分子を取り込みやすくして嗅覚を高めるとともに、風の流れを感知して、ニオイの方向の判別にも役立っているようです。
また、ワンちゃんには、副嗅覚器として鋤鼻器（ヤコブソン器官）があり、ワンちゃん同士が発するフェロモンを感知します。

4.視覚

(1)色覚

人は赤、青、緑の３色の受容体を持っていますが、ワンちゃんは赤に対する受容体は未発達であり、青と緑の2色の組み合わせで色を知覚していると考えられています。

(2)視力

動き回る獲物を捕え生きていたワンちゃんは、動くものに対する視力は発達しましたが、動かないものに対する視力は人間ほど発達していません。近くにあるものに焦点を合わせることも苦手だといわれています。また、わずかな光を反射して視神経に伝えるという役割を持つタペタム層が網膜の裏にあるので、暗闇の中でも対象の輪郭を見分けることができます。