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猫の噛み癖が治らない?困る前に知っておきたいしつけと治し方について
猫を飼っていると噛み癖に悩まされる方も多いのではないでしょうか。噛み癖が見られたら、早めに適切な対処をしたいところです。この記事では、噛み癖に困る前に知っておきたい、噛み癖を治す方法や噛まれたときの対処法などについて解説していきます。
もくじ
猫が噛む理由は?
猫には、本来備わっている鳥やねずみなどを追いかけてしとめるという狩猟本能があります。飼い猫は狩りをする必要はありませんが、ときに本能がうずくことがあります。動くものを見たり、匂いをかいだり、音を聞くと、反射的に体が反応してしまうのです。
猫は飼い主さんに対して、突然噛むことがあります。噛む行動の裏には、理由があるはずです。猫の本能的な行動を理解した上で、噛んだ理由を探ることは、適切に対処するためにも重要なことです。
ストレス
猫の体を撫でていたら、急に噛みつかれることがあります。飼い主さんにとってはスキンシップでも、猫は長い時間触られることを嫌がるもの。猫にとってはストレスになっており、「もういい」という意思表示なのです。
噛みついてくる前に、尻尾を大きく左右に振っていたり、耳を横にしたイカ耳状態にしたりと、猫は止めてのサインを出しています。あまり構い過ぎずに、愛猫の気持ちを考えて、接してあげましょう。
また体を思うように動かせず、遊びや刺激が足りないときもストレスを溜めてしまい、噛みつく場合があります。日頃から愛猫の行動や環境に気を配り、適度に遊ばせて、上手にストレスを発散させてあげてください。
病気・ケガ
猫が噛む理由として、病気やケガなども考えられます。病気やケガなどで痛みがあると、触られたくないと威嚇するために噛む行動をとるのです。
強い痛みを感じる症状には、骨折や外傷などのケガや、黄色脂肪症(お腹や胸などに固いしこりや炎症を生じる)や膀胱結石などの疾患など、さまざまなものがあります。
猫の様子を観察し、痛みが原因だと思われる場合は、早めに病院で診てもらいましょう。
歯の痒み
猫は歯にむず痒さを感じて噛んでくることがあります。
子猫の乳歯は生後2週間くらいで生え始めて、生後1か月くらいに生えそろいます。さらに、乳歯から永久歯への生え変わりの時期は、生後3か月~6か月頃です。この生え変わりの時期に、歯が痒くなり、噛んでしまう行動が起きやすくなります。
歯の痒みによる噛み癖は、成長過程で見られる行動です。痒みを紛らわせることができるように、噛むおもちゃを与えるのも効果的でしょう。
あまり酷い場合は、獣医師さんに相談してみてください。
じゃれている
子猫たちは互いに忍び寄ったり、飛びついたり、噛みついたりしながら、狩猟本能を発揮します。じゃれつきながら遊び、狩りの仕方や程度を学んでいくのです。
多頭買いの猫たちは、自然と甘噛みをしながら、その加減を身に付けていきますが、単独で飼っていると加減を学ぶのが難しくなります。
ときに遊びの延長でも、激しい攻撃性を見せることがあります。興奮してくると、飼い主さん相手に攻撃をしかけ、本気で噛みつくことがあるのです。
猫にとっては、兄弟猫とじゃれて遊んでいるときと同じ感覚です。飼い主さんとじゃれて遊びたいのだという猫の気持ちを理解し、飼い主さんが加減を学ばせる必要があることを知っておきましょう。
噛み癖を治す方法
猫の噛み癖は、すぐに治すことは難しいものです。飼い主さんが根気強くトレーニングして、猫をしつける必要があります。では、噛まれたときにどのように対応したら良いのでしょうか。
噛んだら無視する
飼い主さんが噛まれたことに反応しすぎると、かえって噛み癖が習慣化してしまうことがあります。愛猫が遊んでいる最中に噛んで来たら、すぐに遊びを止めて他の行動をしましょう。
黙って別の部屋に行くなど、愛猫を完全に無視し、いけないことをしたのだと気づかせましょう。20分くらい経つと、猫はなぜ叱られていたのか忘れてしまいます。そのため、20分くらい経過したらいつも通りに接し、遊びを再開したりご飯を与えたりしてもOKです。
短く注意する
噛まれたときに、「痛い!」「ダメ!」と大きな声で落ち着いて注意しましょう。噛まれる度に繰り返し注意するのがポイントです。注意しても子猫は構わず噛んだり、猫キックをしてきたりしますので、根気よく続けましょう。
注意されるとだんだんと自分から離すようになり、噛んだ後に舐めるようになるなど行動が変わってきます。状況を見ながら冷静に対応することが大切です。
気を付けたいのが、ペットの名前で叱ることです。名前と叱られた状況が結びつき、名前を呼ばれる度にネガティブな感情が沸いてしまいます。名前は出さずに「痛い!」「ダメ!」という短い言葉を使って叱るようにしてください。
おもちゃを与える
噛むことは猫の本能的な行動なので、その行為を禁止することはできません。そこで、「人の手を噛む行動をやめさせる」ことに思考を転換させましょう。
愛猫のお気に入りのおもちゃをいくつか用意しておきます。噛まれたら、噛んだ手をすかさず愛猫のおもちゃとすり替えてください。人の手に代わるものを与えることで、噛む衝動を抑えずに発散することができます。
人の手はおもちゃではないこと、噛むときはおもちゃを噛むことを覚えさせましょう。
柑橘系のローションやスプレー
よく噛んでくる箇所に柑橘系や苦い味のするローションを塗っておくのも有効な方法です。噛み癖防止商品として販売されていますので、ペットサイトなどでチェックしてみてください。
また噛まれたときに、水の入った霧吹きやスプレーなどを吹きかける対処法もあります。愛猫によって効果の有無は分かれますが、試してみても良いでしょう。
逆効果なしつけ方法
噛み癖を治すためのしつけに限らず、愛猫を叩いたり恐怖を与えて行うしつけは、失敗を招いてしまいます。愛猫との信頼関係が崩れて、余計に問題行動が起こりやすくなるのです。痛みや恐怖を植え付けて、コントールしようとすることは止めましょう。
また噛まれたら、その場で叱ることも大切です。時間が経ってしまうと、愛猫はなぜ叱られたのかを理解できないからです。起こったことに対しては、すぐに対応するようにしましょう。
噛まれてしまったら?
愛猫に噛まれると、びっくりして急いで手を引き抜こうとしてしまうかもしれません。ですが、かえって手に傷をつくることになります。
もしも噛まれたら、噛まれている手を猫の喉の方にゆっくり押し込むか、手で猫の顔を覆うようにしてください。このとき、指が喉の奥に入りすぎて傷つけないように注意し、落ち着いて行いましょう。
必要以上に手を傷つけずに済みますし、人を噛んだら苦しい思いをすることを、猫に知ってもらうためでもあります。
噛まれた際に気を付けたい病気
愛猫に噛まれたときに、傷口が腫れてくる、熱っぽくなる、痛みが強いといった場合は、動物から病気に感染していることもあります。噛まれたとしても、必ず感染するものではありませんが、体の免疫力が低下しているときは注意が必要です。
猫ひっかき病
猫ひっかき病は、猫に引っかかれたり、噛みつかれたりしたときに感染する動物由来の感染症です。
バルネトラ・ヘンセレという細菌が体内に入ることで、発熱や頭痛、リンパの腫れなどの症状がみられます。
猫の感染経路は猫同士のケンカやノミによる媒介ですが、猫は感染していても無症状です。
パスツレラ症
バスツレラ症は、全ての猫が口の中に保有しているバスツレラ菌による感染症です。
多くが噛まれることで感染し、腫れや痛みを引き起こします。場合によっては、敗血症に進行することもあるため、用心しなければなりません。
傷を舐められても感染する可能性がありますので、気を付けましょう。
ストレプトバチル感染症
ストレプトバチル感染症は、ストレプトバチル菌が原因の感染症です。発熱や倦怠感、下痢、などの消化器症状などが見られ、まれに敗血症に至ることもあります。
猫に噛まれたら、傷口を流水で丁寧にじっくりと洗い流すことが大切です。万が一血が止まらないときは、圧迫止血する必要があります。
自分の手や尻尾を噛むのは大丈夫?
猫は自分の手や尻尾を噛むときがありますが、ストレスによる自傷行為の場合があります。
積極的に関わったり、遊ばせてあげたりして、ストレスを発散させることを考えましょう。愛猫の生活環境にストレスに起因する問題がないかも再度チェックすることが必要です。
汚れを取るためのグルーミング行為や、怪我や皮膚炎のトラブルが起こっている可能性もあります。手や尻尾に傷や炎症がないかも見てあげてください。
まとめ
猫の本能的な行動である噛み癖を治すことは、なかなか大変なことです。愛猫との暮らしの中で、抱える悩みのひとつでしょう。
個体差があるため、一概にどの方法がおすすめとはいえません。愛猫にあった方法で、根気強く適切な対応していきましょう。習性や愛猫の気持ちを理解することで、対応策が見つけやすくなるかもしれません。
愛猫とのより良い暮らしのためにも、スキンシップをたくさんとって我が家が愛猫にとって安心できる場所にしたいですね。
犬の家&猫の里 編集部
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