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猫は臆病な性格?臆病になる原因や対策方法について紹介します
猫はあまり自分から寄ってくることが少ないため、臆病な性格に見えることがありますよね。できれば愛猫の臆病な性格は直したいところです。
この記事では、猫が臆病になる原因や、猫を臆病な性格にしないための対策方法について、解説していきます。猫の持つ特性や原因を知ることで、臆病な性格を改善していきましょう。
猫は臆病な性格?
猫は元々、警戒心が強い傾向があります。警戒心は野生で暮らしていくためには大切な要素で、この特性が「猫は臆病な性格である」といわれる理由かもしれません。
現代の室内飼いされている猫にも、警戒心の強さが感じられるときがあります。たとえば、見知らぬ人やものに対しての行動です。
初めて会う人の前では、警戒心が強く働き、慌てて物陰にじっと身を潜めることがあります。自分から友好的に近づいていくことはあまりなく、距離をとって、様子を見ていることが多いかもしれません。
また、猫は物音や環境の変化にも弱く、周囲の小さな刺激や変化を敏感に察知して行動しようとします。そのような様子からも猫の臆病な気質が伺えます。
猫が臆病になる原因
猫が臆病になる原因には、先天的なものと後天的なものがあります。具体的に見ていきましょう。
親猫が臆病な性格
猫が臆病な性格になる先天的な原因のひとつとして、父猫による遺伝があります。父猫が臆病な性格だと、臆病な性格の子猫が生まれやすいとされています。特に母猫よりも、父猫の性格を引き継ぐことが多いです。
逆に父猫が社交的で友好的な性格なら、同じように子猫も社交的で友好的な性格になりやすいとされています。
遺伝的な要因があったとしても、臆病な性格のまま育つとは限りません。成長過程の環境や育ち方でも性格は変わります。
色素が薄い毛色
色素が薄い毛色を持つ猫は、臆病な性格の傾向があるという説があります。
その理由は、毛色を決定する遺伝子が、感情に関与する神経伝達物質の生成と関係しているからです。
生まれつき色素が不足している状態(アルビノ)の猫は、日の光に弱いため、暗がりで活動します。そのため人間から見ると、アルビノの猫は臆病な性格に見えるかもしれません。
猫の毛色に関する実験では、白猫はストレス耐性が低く、騒音に恐怖心を抱くというデータもあります。ですが、明確な因果関係が分かっていないため、必ずしも白猫が臆病な性格であるとはいえません。
母親との関係
生後2~7週は、性格や行動パターンが形成される社会化期です。この時期の母猫との過ごし方が性格形成に関与します。
社会化期は一緒に行動する母猫を真似るようになります。母猫がそばで一緒に行動することで、未知のものへの抵抗が減り、好奇心を育むことができるのです。
一方で、この時期に母猫がいない状態で育つと、周囲の人やものへの恐怖心が増してしまいます。捨てられたり、人間に保護されたりした猫の性格は、臆病な場合が多いです。
子猫の頃の栄養状態が悪い
子猫期の栄養不足は、成猫になったときの性格や行動に影響を与えるとされています。
子猫期は、健やかな身体を作るために、十分な栄養を摂ることが必要です。栄養不足に陥ると、発育不全が起こります。
身体や脳の発育が悪く、学習能力が低い傾向があり、精神面では極度の怖がりや激しい攻撃性が見られるなど、不安定で臆病な性格になりやすいです。
臆病な猫の改善方法
愛猫を臆病な性格にしないためには、どのように育てていけば良いのでしょうか。
社会化期に人間に慣れておく
社会化期に適度に人間と触れ合う機会を持つようにしましょう。
人間に撫でられたり、抱っこされたりして成長した子猫は、人間に対する恐怖心も薄く、自ら近づいてくる傾向があるとされています。人間と触れ合いながら過ごすことは、心理的にも安定し、健全な心身作りの基盤になるといえるでしょう。
ですが、成猫まで人間と触れ合っていない野良猫は、保護されても人間に慣れるまでにかなりの時間を要します。心を許してくれることも少ないかもしれません。
他のペットや猫と一緒に暮らす
他のペットや猫と一緒に暮らすことで、社会性が高まることが期待できます。
他の生き物に対して、受け入れる寛容さが養われるため、臆病になりにくいです。臆病な性格の猫であっても、一緒に暮らす仲間がいることで、学習することができます。
ただし、一緒に暮らすペットや猫と相性が良く、臆病な性格ではないことが前提です。
飼い主さんと一緒の時間を過ごす
愛猫が過ごす生活環境も性格形成に影響を与えます。
室内で家族と一緒に過ごすことで、信頼関係が築きやすく、愛猫が安心感を得ることができます。物音や知らない人への恐怖心が和らぎ、怯える仕草が少なくなるでしょう。
できるだけ愛猫との時間を意識的に取ることが大切です。たとえ攻撃的で臆病な性格だったとしても、愛情深く好奇心旺盛な性格に変わることもあります。
気をつけたい心因性皮膚炎
臆病な性格の猫が気をつけたいのが、心因性皮膚炎です。
心因性皮膚炎は、過剰なグルーミングや噛んで毛を抜くことで脱毛し、細菌感染による赤い発疹や膿疱が生じる病気です。
環境の変化などでストレスがかかると、その不安を過剰なグルーミングで緩和しようとします。舐めやすい部位や後ろ足などを舐め続けたり、噛み切ったり、顔を激しく引っ掻いたりして、自分を傷つけてしまうのです。
心因性皮膚炎は、ストレスの原因を取り除くことが最も大切な治療となります。ストレスの原因が分からない、心当たりがあっても取り除けない場合は、普段からエリザベスカラーを装着するようにしましょう。 また、環境が変わる際は、できるだけ愛猫へのストレスを軽減させることも有効です。
- ・引っ越しをしても、慣れ親しんだベッドやトイレ、爪とぎ器はそのまま使う。
- ・新しい猫やペットとの生活空間はケージなどを活用して分ける。
- ・無理にスキンシップを取ろうとしないこと。
できるだけ愛猫にストレスがかからないよう配慮しましょう。
まとめ
本来狩りをして暮らしていた猫は、本能的に警戒心が強く、臆病な子が多いです。
臆病な性格になる原因には、父猫からの遺伝や毛色の種類などの先天的要因と、母猫とのつながりや子猫期の栄養状態などの後天的要因があります。
先天的に臆病な性格を受け継いでいる、既に成猫になっている子の性格を変えることはなかなか難しいものです。臆病な猫は、不安やストレスを抱えている場合が多く、攻撃的になることがあります。普段から安心感を与える接し方をし、生活環境を整えることで少しずつ臆病な性格を改善していくと良いでしょう。
社会化期に人間に慣れさせておく、他のペットや猫と暮らす、飼い主さんができるだけ一緒に過ごす時間を取るなどの対策をして、愛猫の恐怖心を取り除いていくことが大切です。
愛猫との信頼関係をしっかりと築くためにも、ゆっくり距離を縮めていきましょう。


犬の家&猫の里 編集部
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