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子犬のしつけはいつから?早めに教えたい基本的なしつけの手順と教え方について
子犬と一緒に暮らし始めたら、基本的なルールを教えるために、飼い主さんがきちんとしつける必要があります。いざしつけようとしても、いつから始めれば良いのか、何から教えれば良いのか戸惑う方もいるでしょう。
この記事では、子犬をしつける際の手順と方法について解説していきます。子犬が家庭で快適に暮らせるように、適切なタイミングでしつけを進めていきましょう。
子犬のしつけはいつから始める?
子犬のしつけは、できるだけ早い段階で始めることをおすすめします。生後2~3か月を目安に始めると良いです。
生後2~3か月頃は、ちょうど犬の社会化期にあたります。色々な物事やルールを教え始めるのに適した時期です。 まずは名前を呼んだり、トイレに誘導したり、簡単で優先順位が高いものから、しつけていきましょう。
子犬の頃にきちんとしつけられれば、成犬になっても、飼い主さんに従順で落ち着いた子に育ちます。
子犬の社会化について
子犬の社会化とは、外界の環境や刺激に慣れさせることです。
環境や刺激に適応しやすい子犬期の成長過程で、社会に対する順応力を養っておく必要があります。 この時期に経験したことが、のちの性格や精神的な落ち着き、ストレス耐性などに影響します。
社会化期を過ぎると、恐怖心が先立つため、初めて見聞きするものや慣れない音に過敏に反応しやすくなってしまいます。
子犬期に、色々なタイプの人に会う、家の中の生活音を聞かせる、外で見聞きする刺激に慣れる、犬同士で会うなど、できるだけ新しいことに触れる機会を作りましょう。
基本的なコミュニケーション「アイコンタクト」
愛犬をしつける上で基本となるのが、「アイコンタクト」です。
愛犬のしつけには、飼い主さんとの信頼関係が最も重要になります。最初のステップとして、愛犬が飼い主さんに意識を向けて、目を合わせられるようにトレーニングしていきましょう。
愛犬の名前を呼んで反応するようになったら、アイコンタクトの練習をしていきます。初めはおやつやおもちゃを使って、飼い主さんと視線を合わせるように誘導してください。
愛犬の名前を呼び、こちらを見る、寄ってくるなどのアクションをしたら、褒めてあげて、 アイコンタクトを良いことだと認識させましょう。
目を合わせることで、愛犬との距離もぐっと縮まります。しつける際も、指示が通りやすく、お互いの気持ちが伝わりやすいです。
「アイコンタクト」は、愛犬にコマンドを出すとき、叱るとき、褒めるときなど、しつけのあらゆる場面で欠かせません。
子犬期に教えておきたいしつけ基礎一覧
子犬期に教えておきたい基本的なしつけは以下の項目です。
- ・名前を覚えさせる
- ・トイレトレーニング
- ・体を触られることに慣れさせる
- ・ハウストレーニング
- ・基本的なコマンド
- ・甘噛み対策 ・散歩の練習
一つずつ詳しく紹介していきます。
名前を覚えさせる
子犬を家に迎えたら、まずは名前を覚えてもらいましょう。
名前を呼ぶときに、家族全員が同じ呼び方に統一することが大切です。人によって呼び方が違うと、愛犬が混乱してしまいます。
名前を呼んでこっちを向いたら、褒めてあげてください。何度か繰り返し練習し、自分の名前を認識したら、今度は名前を呼んで飼い主さんのところへ来るようにしつけます。
気をつけたいのが、名前を呼んで叱ることです。名前に悪いイメージを植え付けてしまう可能性があるため、叱るときは「ダメ!」「いけない!」などの言葉で注意しましょう。
トイレトレーニング
子犬になるべく早く覚えてもらいたいのが、トイレです。 もしもトイレ以外の場所でおしっこをしてしまった場合、臭いが残って、またその場所でおしっこをしてしまう可能性があります。
トイレのペットシーツの上で、排泄することを学習させましょう。家に迎え入れた初日も、用意しておいたトイレに連れて行ってください。その際、トイレをしなかったとしても問題ありません。
しばらくは、子犬がおしっこをしそうなタイミングで、トイレに誘導してください。寝起きやご飯のあと、遊んだあとは、トイレをするタイミングなので、必ず連れていきましょう。
その他にも、次のような仕草が見られたら、トイレに連れて行くようにします。
- ・床の匂いを嗅ぐ
- ・落ち着かずそわそわしている
- ・しゃがんでグルグル回る
これらの行動は、おしっこをしたいサインです。
大切なことは、上手にできたら褒めて、失敗しても叱らないことです。叱りつけてしまうと、おしっこを我慢したり、隠れてするようになるなど、問題行動を起こす原因になります。
体を触られることに慣れさせる
スキンシップを通して、体を触られることに慣れさせていきましょう。
頭や背中など、触られても平気な部位から優しく撫でてあげてください。子犬の様子を見て、声をかけながら行い、嫌がったら止めるようにします。
子犬が触られるのが苦手な部位である、足の先や耳の先端、お腹、鼻先、尻尾などにも少しずつ触れていきましょう。
人に触られることを抵抗なく受け入れられるようにしておくと、日々の健康管理やブラッシングなどのお手入れ、病気で獣医師さんの診察を受ける際も安心です。
ハウストレーニング
子犬に普段過ごす場所を教える、ハウストレーニングも併せて行っていきます。 ハウスが安全な場所であることを認識させることが大切です。
最初は、ハウスとなるクレートのドアを開けた状態で、子犬の生活スペースに置きます。部屋の隅などに置くと良いです。
クレートの存在に慣れてきたら、クレートの中におやつを入れておきます。初めは入り口付近に置き、徐々に奥の方に置いて子犬がクレートの奥の方まで入るように誘導しましょう。
クレートの中に入った際に「ハウス」と声掛けをして、覚えさせます。クレートのおやつを気軽に食べられるようになったら、扉を閉めて様子をみてください。
繰り返し行い、少しずつクレートの中にいる時間を長くしていきましょう。クレートで過ごすことができれば、留守番させるときも、安心です。
基本的なコマンド
コマンドを教えることは、飼い主さんへの服従心や忠誠心を高められます。子犬の身の安全を守り、飼い主さんや家族と暮らす上でも、基本的なコマンドを理解しておくことは必要です。
基本のコマンドは、以下のとおりです。
- ・おすわり
- ・ふせ
- ・まて
- ・おいで
「おすわり」のトレーニング方法は、子犬の鼻の上でおやつを持ち、頭の上の方にゆっくり上げていきます。子犬が目で追えば、自然と座るので、その動作に合わせて「おすわり」の言葉をかけてください。 「おすわり」ができたら、次は「ふせ」です。座らせたあと、おやつを手に持ちながら、前足の間に下げていき、「ふせ」と言葉をかけながら、前方に手を引いていきます。 コマンド通りにできたら、「よし」と合図をして褒めて、ご褒美を与えましょう。
次は、「まて」を教えます。「おすわり」や「ふせ」の状態のまま、「まて」と言葉をかけてください。成功したら、ご褒美を与えます。
呼び戻しの「おいで」は、家の中でリードを付けて、短い距離から練習してみてください。危険な行動や場所へ行くのを制止する際に役立ち、トラブル回避に繋がります。
甘噛み対策
子犬は、周囲の物や人を甘噛みする習性があります。
甘噛みは、子犬のうちにしっかりしつけておくことが必要です。特に歯の生え変わりの時期は、周囲のあるあらゆるものを噛みたがり、遊び心からいたずらしようとします。子犬が甘噛みをしたら、目を見て「ダメ!」と短く叱ってください。
飼い主さんが甘噛みはいけないことだとはっきりと示すことがポイントです。その上で、子犬の遊びたい、かじりたい欲求を満たすために、噛んでも良いおもちゃを与えましょう。
噛んでも良いものといけないものを理解させるようにしてください。
散歩の練習
飼い主さんにとって、犬の散歩は毎日の日課になります。 社会化の面でも、早いうちから外の環境に慣れさせる必要があります。ワクチン接種前なら、抱っこやクレートに入れて、他の犬との接触を避けつつ、積極的に散歩に連れ出しましょう。
散歩ができるようになっても、子犬がまだ慣れない間は、家の周りを散策する程度にすると良いです。散歩のトレーニングは周囲の環境に慣れてから行うようにしてください。
散歩に慣れてきたら、少しずつ行動範囲を広げていきます。
しつけをする際のポイント
しつけをする際は、次のようなポイントに注意して行いましょう。
褒めてしつける
しつけで意識したいことは、愛犬に愛情をもって接することです。決して、厳しくしつける必要はありません。 飼い主さんとの信頼関係が何よりも大切です。愛犬をしつける際は、しっかりとアイコンタクトを取り、意思疎通を図りながら行いましょう。
上手くできたことはたくさん褒めてあげることで、愛犬のモチベーションも上がります。
短時間に留める
長時間のトレーニングはおすすめしません。 しつけに長い時間かけても、愛犬は集中力が保てないだけでなく、ストレスに感じてしまいます。1回のしつけは短時間で切り上げ、毎日少しずつ進めていくようにしてください。
指示語は統一する
愛犬に指示を出す際は、コマンドや言葉を統一することも大切です。 同じ指示であったとしても、使う言葉が違うと、愛犬が混乱します。
たとえば「ケージ」の場合、「ハウス」「おうち」「ケージ」など、呼び方は色々あります。ですが、複数の言葉を使わずに、「ハウス」なら「ハウス」で使う指示語は家族で統一するようにしましょう。
失敗しても叱らない
子犬のしつけでは、失敗したとしても叱らないこともポイントです。
しつけが上手くいかずに、子犬が思うように動いてくれないこともあります。そんなときでも、怒鳴ったり、叩いたりしてはいけません。
良いところを見つけたら、たくさん褒めてください。褒めることと叱ることの割合は、4対1が理想的です。もちろん危険なことやいけないことをしたときは、きちんと叱るようにします。
最低限のしつけは必要ですが、できないことを無理にさせようとせず、別の方法を試すなど、犬の性格に合わせた対応を取るようにしてください。
まとめ
子犬を迎え入れたら、なるべく早いタイミングからできるしつけをしていく必要があります。
しつけは厳しくしすぎず、失敗しても叱らないこと、心に余裕を持って接することを心がけると良いです。
ご紹介したしつけは参考程度にし、愛犬の性格や様子に合わせて行うことが重要です。その際、飼い主さんは焦らず、愛犬のペースで無理なく、少しずつ進めていくことで、スムーズにしつけることができるでしょう。
子犬の期間はあっという間に過ぎてしまいます。簡単なしつけから始めて、焦らずに楽しみながら進めて、じっくり愛犬との信頼関係を深めながら育てていきましょう。
犬の家&猫の里 編集部
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