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牧羊犬とは?犬種ごとの特徴や性格について紹介します
牧羊犬として活躍していた犬種に共通しているのが、賢い知能と優れた運動能力です。牧羊犬といっても、様々な犬種がおり、それぞれ違った個性があります。
この記事では、牧羊犬の特徴や性格について解説していきます。あわせて代表的な牧羊犬10選をご紹介します。飼い方や注意点など、参考にしてみてください。
牧羊犬とは
牧羊犬とは、牧場の羊を誘導し、監視する犬のことです。現在、一般社団法人「ジャパンケネル」が牧羊犬、牧畜犬として登録されているのは31種類です。
もともと牧羊犬は、羊たちの移動管理と外敵からの防御が主な役割でしたが、牧羊経営の拡大に伴い、広大な草原で羊たちをまとめる仕事を担うようになりました。
牧羊犬として大切な要素は、人間との共同作業ができる忠実さと冷静な判断力、高い統率力です。中には向かってくる羊もいるため、立ち向かえる気性の強さも必要になります。
シープドッグと名のつく犬の多くは、牧羊犬として生み出された犬種です。
牧羊犬と牧畜犬の違い
牧羊犬と牧畜犬の違いは、群れをまとめる対象の違いです。牧羊犬が羊であるのに対し、牧畜犬は、馬や牛、その他の家畜が対象です。
牧畜犬は、自動車のない時代に家畜の群れを追いかけ、村から市場へ送っていました。遠距離に耐えられる根強さと自分より大きな動物にひるまない勇敢さを持っているのが、牧畜犬の特徴です。
一方の牧羊犬には、群れをコンパクトにまとめる行動力と判断力が求められ、機敏で活発に動ける瞬発力のある中型や小型の犬種が多いです。
牧羊犬の仕事
牧羊犬の仕事は、放牧されている羊を羊飼いの笛や手の合図に従い、群れを誘導して、統率を取ることです。牧羊犬には、ハーディングドッグとガーディングドッグの2種類がいます。
ハーディングドッグ
ハーディングドッグは、羊や牛がはぐれないように誘導し、群れに戻す役割を担っています。細かい変化に気づける広い視野と群れをまとめる統率力があり、直接攻撃しなくても、無事に誘導できる高い知能を持っています。
ガーディングドッグ
ガーディングドッグは、羊や牛などの見張りや外敵を防ぐ役割を担っています。高い身体能力と強靭な体格、危機察知能力を備えており、大型犬が多いです。
代表的な牧羊犬
代表的な牧羊犬10種をご紹介します。
ジャーマンシェパードドッグ
体高・体重と平均寿命
体高 | オス55~65㎝、メス55~60㎝ |
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体重 | オス22~40㎏、メス22~32㎏ |
平均寿命 | 9~13歳 |
飼い方
ジャーマンシェパードドッグは聡明で、飼い主さんに対して忠誠心が強く甘えん坊です。ただし、警戒心が強い面があるため、攻撃的になることがあります。賢いからと安易な気持ちで飼わずに、他の犬種よりもしっかりしつける必要があります。
注意点
「股関節形成不全」になりやすい犬種です。体重管理することで、予防や症状を軽減することができます。また、「胃拡張」や「胃捻転」を起こしやすいため、食後の急激な運動を避け、一回の食事量を減らして、回数を増やすことで予防しましょう。
ウェルシュコーギーペングローク
体高・体重と平均寿命
体高 | 25~30㎝ |
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体重 | オス10~12㎏、メス9~11㎏ |
平均寿命 | 13歳 |
飼い方
ウェルシュコーギーは運動量が豊富なので、毎日の散歩以外にドッグランで走らせるなどして、定期的にエネルギーを発散させるようにしてください。ドッグスポーツに取り組むのもおすすめです。賢く物覚えが良いので、子犬時代にきちんとしつけておきましょう。
注意点
食欲旺盛なので、太りやすいです。肥満になると足腰に負担がかかり、「椎間板ヘルニア」を発症しやすくなるため、食事コントロールをしましょう。また、噛んで家具を破壊してしまうケースが見られます。しつけが済むまでは、留守番中はサークルなどに入れて、トラブルを防止してください。
換毛期は抜け毛が多いので、こまめなブラッシングが必要です。
ウェルシュコーギーペングロークの子犬を探す
関連記事:ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの特徴や性格について紹介します!
ボーダーコリー
体高・体重と平均寿命
体高 | 53㎝ |
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体重 | 14~22㎏ |
平均寿命 | 10~15歳 |
飼い方
ボーダーコリーは運動欲求や作業意欲が強く、スタミナがあります。ドッグランなどで思い切り走らせたり、知的な遊びを取り入れたりして、欲求を満たしてあげてください。
また、走る子供や自転車に対して、吠えたり追いかけたりすることがあります。飼い主さんが行動をコントロールできるように、子犬の頃からしっかりトレーニングしておきましょう。
注意点
分厚い被毛のため、暑さが苦手です。夏場は室温を管理した部屋で過ごすなど、熱中症対策をしてください。また、豊かな被毛を維持するため、ブラッシングが欠かせません。こまめに抜け毛を取り除いてあげてください。
食欲旺盛で早食いになりがちなので、早食い防止用の食器などを取り入れるのもおすすめです。
ボーダー・コリーの子犬を探す
関連記事:ボーダー・コリーの特徴や性格について紹介します!
オーストラリアンシェパード
体高・体重と平均寿命
体高 | オス51~58㎝、メス46~53㎝ |
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体重 | 18~35㎏ |
平均寿命 | 12~15歳 |
飼い方
オーストラリアンシェパードは、家族に愛情深く、献身的でしつけやすい犬種です。大人しい性格なので、小さな子供がいる家庭でも馴染みやすいでしょう。また、牧羊犬の本能から、人や動物を軽く噛んでその動きをコントロールしようとする癖があります。 噛み癖は幼犬の頃からしつけておきましょう。
運動量も豊富で、運動不足になると問題行動に繋がります。散歩以外にも、ドッグランなどで存分に走らせてあげてください。
注意点
長毛ダブルコートで抜け毛が多いため、皮膚病になりやすいです。毎日のこまめなブラッシングで抜け毛を取り除き、定期的にシャンプーする必要があります。また、「コリーアイ」などの遺伝性の目の疾患や「尿路結石」にかかりやすいです。気になる症状やいつもと違う様子が見られる場合は、動物病院を受診してください。
ラフコリー
体高・体重と平均寿命
体高 | オス51~61㎝、メス51~56㎝ |
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体重 | オス30㎏前後、メス25㎏前後 |
平均寿命 | 14~16歳 |
飼い方
ラフコリーは、飼い主さんに忠実で友好的な性格です。繊細な面があり、飼い主さんの怒りや不安の感情も敏感に感じ取ります。できるだけ飼い主さんも穏やかな気持ちで過ごすように心がけましょう。
牧羊犬の名残から、防衛本能が強く出ることがあります。吠えや攻撃が出ないようにしつけてください。
注意点
被毛が豊かな分、暑さに弱いため、夏場は熱中症対策が必要です。室温を管理して、快適に過ごせるようにしましょう。また、遺伝性の目の疾患である「コリーアイ」や「小脳失調症」になりやすいです。「小脳失調症」は、ふらつきやよろけなどの症状が見られます。異変を感じたら、獣医師さんの診察を受けてください。
ビアデッドコリー
体高・体重と平均寿命
体高 | オス51~56㎝、メス51~53㎝ |
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体重 | 18~27㎏ |
平均寿命 | 14~15歳 |
飼い方
ビアデッドコリーは運動量が多めなので、散歩以外にも十分に運動させてください。そのため体を自由に動かせる広い飼育スペースがあることが理想です。
基本的に飼い主さんに従順ですが、頑固な一面があります。主従関係をハッキリさせて、根気よくしつけてください。
注意点
長毛で量が多いため、被毛のお手入れが大変です。蒸れやすく、皮膚疾患を起こしやすいので、こまめなブラッシングと定期的なトリミングが必要になります。被毛が目に入ることで生じる眼疾患は、顔周りの毛は短めにカットしておくことで予防しましょう。また、暑がりなので、夏場の散歩は日陰を歩いたり、時間帯を変えたりするなどして配慮してください。
オーストラリアンケルビー
体高・体重と平均寿命
体高 | オス46~51㎝、メス43~48㎝ |
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体重 | 11.5~14㎏ |
平均寿命 | 12歳前後 |
飼い方
オーストラリアンケルビーは、運動量が多く、スタミナがあります。運動欲求を満たすための環境や時間があるかどうかも飼育する上でのポイントです。警戒心が強いため、無駄吠えのトラブルが起きないよう、コントロールできるようにしつける必要があります。
注意点
遺伝性の眼疾患である進行性萎縮症になりやすいため、迎え入れる前に遺伝子検査をしておくと良いです。歩行に異常が見られる場合は、小脳変性症かもしれません。早めに獣医師さんに診てもらいましょう。また、股関節形成不全になりやすいので、運動と食事管理に気を配りましょう。その他、拡張型心筋症になりやすい傾向もあるため、失神などの異変が見られたら、すぐに動物病院へ連れて行ってください。
シェットランドシープドッグ
体高・体重と平均寿命
体高 | オス35~39㎝、メス33.5~37.5㎝ |
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体重 | 8~12㎏ |
平均寿命 | 12歳 |
飼い方
シェットランドシープドッグは、体力があるので、毎日しっかり運動させてください。知育おもちゃで頭を使った遊びを取り入れるのもおすすめです。しつけるときは、飼い主さんがリーダーであることを理解させ、毅然とした態度で接しましょう。また、警戒心が強く、人や物音に敏感に反応して吠えることがあるため、子犬の頃から人や音の刺激に慣れさせておくと良いです。
注意点
被毛が豊富なので、夏場はエアコンで温湿度を管理するなどの熱中症対策が必要です。「皮膚病」を予防するためにも、毎日のブラッシングで抜け毛を取り除きましょう。
また、「てんかん」や遺伝性の眼疾患の「コリーアイ」にかかりやすいので、日頃から異変がないか様子を観察するようにしてください。様子がおかしいと感じたら、獣医師さんの診察を受けてください。
シェットランド・シープドッグの子犬を探す
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ウェルシュコーギーカーディガン
体高・体重と平均寿命
体高 | オス26~32㎝、メス26~32㎝ |
---|---|
体重 | オス11~17㎏、メス11~17㎏ |
平均寿命 | 12~14歳 |
飼い方
ウェルシュコーギーカーディガンは、警戒心が強いため、初対面の人には懐きにくい面があります。他の犬に対しても攻撃的になるため、多頭飼いには向きません。しつけも簡単ではなく、曖昧な態度で行うと言うことを聞かなくなってしまいます。毅然とした態度で、一貫したルールを教えるようにしてください。また、運動量が多いので、毎日の散歩や運動は欠かせません。噛み癖は小さいうちにしつけて直しておきましょう。
注意点
短毛のダブルコートで毛並みが厚いため、皮膚疾患になりやすいです。ブラッシングや定期的なシャンプーで、抜け毛を取り除くことで予防できます。
病気の面では「股関節形成不全」や「椎間板ヘルニア」にかかりやすいです。どちらの疾患も、肥満による足腰への負担が原因になります。食事コントロールと運動量を確保するよう心がけてください。
ウェルシュ・コーギー・カーディガンの子犬を探す
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コモンドール
体高・体重と平均寿命
体高 | オス65~80㎝、メス60~70㎝ |
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体重 | オス50~60㎏、メス40~50㎏ |
平均寿命 | 10~12歳 |
飼い方
コモンドールは体が大きいため、十分に動ける広さの飼育スペースが必要です。運動量が豊富なので、広い公園やドッグランで存分に体を動かす機会を作ってください。
また、賢くプライドが高く、自立した一面があるため、けじめのあるしつけでリーダーシップを取ることが大切です。家族に忠実で、優れた防衛本能を兼ね備えているため、家族にとって頼もしい存在になるでしょう。
注意点
縄状の毛には、ゴミや汚れが付きやすく、お手入れが大変です。ブラシやコームを使ったブラッシングはできないため、手で取り除く必要があります。皮膚を清潔に保つためにもシャンプーは有効ですが、かなり手間がかかるため、専門家にお願いした方が良いでしょう。分厚い被毛により、熱中症になりやすいです。散歩は涼しい時間にし、室内は快適な温度に保ちましょう。
まとめ
牧羊犬は、羊の群れをまとめて管理誘導する犬のことです。人間の指示に忠実に従い、俊敏で運動能力に高く、優れた判断力があります。牧羊犬を飼育する際は、特性を理解した上で、運動欲求や作業欲求を満たしてあげることが大切です。
牧羊犬の名残から、警戒心が強く、吠え癖や噛み癖が出やすいため、子犬のうちからきちんとしつけるようにしてください。しつける際は、毅然とした態度で飼い主さんが主導権を握り、リーダーシップを取ることがポイントです。飼い主さんに対しては、愛情深く、強い忠誠心を持っているため、主従関係がきちんとできていれば、良い関係性を築けます。
家族の一員として牧羊犬を迎え入れれば、きっと頼もしい存在になってくれるでしょう。
犬の家&猫の里 編集部
犬の家&猫の里は、ワンちゃんネコちゃん専門のペットショップです。
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