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猫の耳毛「リンクスティップ」とは?役割や処理について紹介
「リンクスティップ」という猫の耳毛をご存じですか?耳先に長く伸びた毛のことで、猫にとって大切な役割があるとされています。
この記事では、リンクスティップの役割と処理の仕方について、解説していきます。あわせてリンクスティップがある猫種を6種ご紹介しますので、参考にしてみてください。
リンクスティップとは?
リンクスティップとは、猫の耳の先端から上に向かってピンと生えている毛のことです。野生のヤマネコに見られる特徴で、「ヤマネコの耳毛」という意味があります。
リンクスティップはヤマネコの血を色濃く引き継ぐ、大型の猫種に多いですが、他の短毛種の猫種にも見られます。
耳の中から生えている毛と混同しやすいですが、中に生えているのは「タフト」と呼ばれる耳毛で、リンクスティップは耳先に生えた毛を指します。
リンクスティップの役割
リンクスティップは、狩りをするときにアンテナのような役割をします。もともと猫は単独で狩りをし、捕食しながら生き延びてきた動物です。狩りでは五感をフルに活用し、獲物の居場所を正確に見極めなくてはなりません。
耳先にリンクスティップが備わっていたことで、獲物の動きや、ごくわずかな風や音などにも敏感に反応することができます。これにより、小さな獲物も逃さず捕まることができたようです。リンクスティップは、狩りを行うために発達したとされています。
ほかにも、身体を大きく見せるための飾り毛だったという説もあります。リンクスティップを持っていることで、自分を大きく見せることができるのかもしれません。
猫社会では、体の大きさと強さは比例関係にあるといった見解もあるようです。自分が大きい猫だと示すために、オス猫は高い位置にマーキングします。このことからも、縄張り争いには体の大きさが関与しているといえるでしょう。体が大きいほど強いと認められたり、縄張り争いで有利な立場に立てたりします。
耳のトラブルがなければ処理はしない方がいい
猫の耳毛は基本的に処理する必要はなく、耳のトラブルがなければそのままにしておいても問題はありません。ただし、カットした方が良い場合もあります。
耳毛を処理したほうがいいケース
猫カビが増殖している場合や、何かしらの原因で耳周りに外傷がある場合は、耳毛は短くカットした方が良いです。症状を悪化させてしまうため、早めに処理してあげましょう。
長く多量の耳毛が耳を塞いでしまっている場合も、外耳の通気性を妨げてしまうため、耳垢や汚れが溜まりやすいです。外耳炎などの原因にもなるため、処理するのをおすすめします。
耳毛の処理の仕方
ハサミを使う場合は、先の丸い小さめものを用意します。先がとがったものは、猫が動いたときに傷つける心配があるので避けましょう。人間の眉毛カッターなら、簡単にカットできるので、猫用のものを作るのもおすすめです。猫が怖がらなければ、ペット用のバリカンを使っても良いでしょう。
カットする際は、動かないようにしっかり固定して行います。耳の内側は繊細な部分なので、刃先が当たらないように注意してください。根こそぎカットするのではなく、生え際部分を少し残すようにカットします。短い耳毛を残しておくことで、ホコリや異物が侵入するのを防げます。
一度カットしても、再び伸びてくるので、定期的に短くカットしてあげましょう。
猫の耳を清潔に保つ方法
綺麗好きな猫ですが、耳の内側を猫自身でお手入れするのは難しいです。愛猫の耳を清潔に保つためには、飼い主さんが定期的に耳掃除してあげる必要があります。体質的に耳垢が溜まりやすい子もいるので、こまめにチェックしてあげると良いです。
耳掃除のやり方は、市販のイヤークリーナーをコットンに塗布して、耳の内側を綺麗にします。耳の内側はデリケートな部分なので、ごしごしせずに優しく拭き取るようにしましょう。
リンクスティップがある猫種
リンクスティップがある猫種を6種ご紹介します。
メインクーン
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体高・体重と平均寿命
体高 | 27~30㎝ |
|---|---|
体重 | オス6~8㎏、メス4~6㎏ |
平均寿命 | 13~15歳 |
飼い方
メインクーンは、穏やかで人懐っこく、飼育しやすい猫種です。大きな体に合った猫トイレや猫ベッドを用意する必要があります。動きも大きいので、十分な飼育スペースを確保しましょう。ハンター気質で遊ぶことが大好きです。本能を満たす遊びを取り入れつつ、たくさん遊んであげてください。
注意点
豊かな被毛を持っているため、「毛球症」になりやすいです。こまめなブラッシングや、毛球ケアのフードで毛の排出を促し、予防しましょう。また、「肥大型心筋症」になりやすいため、定期的に検査を受けておくと安心です。ほかにも、遺伝性の「脊髄性筋萎縮症」にかかりやすいです。迎え入れる際に遺伝子検査をすることで、早期発見できます。
メインクーンの子猫を探す
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ノルウェージャンフォレストキャット

体高・体重と平均寿命
体高 | 40~60㎝ |
|---|---|
体重 | 3.5~6㎏ |
平均寿命 | 11~14歳 |
飼い方
ノルウェージャンフォレストキャットは、人懐っこく社交的なので、子供のいる家庭や他のペットを飼っている家庭にも迎え入れやすいです。活発で遊ぶことが好きなので、自由に動き回れるスペースや上下運動できる環境を作ってあげてください。おもちゃなどで一緒に遊んであげるのも喜びます。体重があるので、重みに耐えられる転倒しにくいグッズを選びましょう。
注意点
厚い被毛を持つので、暑さに弱いです。熱中症にならないように、エアコンで適温に保つようにしてください。サマーカットするのもおすすめです。病気の面では、「毛球症」や「皮膚炎」になりやすいです。毎日のブラッシングで飲み込む毛の量を減らし、お手入れの際に皮膚に異常がないかチェックすると良いでしょう。また、肥満による「糖尿病」になりやすいです。適度な運動とバランスの取れた食事を心がけてください。ほかにも、「肥大性心筋症」になりやすいため、定期的に検査を受けて、病気のサインを見逃さないことも大切です。
ノルウェージャンフォレストキャットの子猫を探す
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アメリカンボブテイル
体高・体重と平均寿命
体高 | 不明 |
|---|---|
体重 | オス4~7㎏、メス3~5㎏ |
平均寿命 | 12~15歳 |
飼い方
アメリカンボブテイルは、大人しくて優しい性格です。小さな子供がいる家庭や多頭飼いにも向いています。遊び上手で好奇心旺盛なので、猫じゃらしやおもちゃに敏感に反応し、喜んで遊びます。運動不足になりやすいので、キャットタワーや上下運動できる環境を作ってあげましょう。
寂しがり屋な面があるので、留守番が多いとストレスを感じてしまうことも。長時間の留守番は避ける、多頭飼いをするなどして、寂しさを軽減してあげてください。
注意点
食欲旺盛なので、肥満にならないように食事管理と十分な運動をさせる必要があります。病気の面では、「膀胱炎」「尿結石」「腎不全」などの泌尿器系疾患にかかりやすいです。食欲が落ちて、水を大量に飲む様子が見られたら、動物病院を受診してください。
ペルシャ
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体高・体重と平均寿命
体高 | 23~25㎝ |
|---|---|
体重 | 3~5.5㎏ |
平均寿命 | 16~18歳 |
飼い方
ペルシャは、おっとりしていてマイペース、人間との距離を上手に取ります。ゆっくり寝ることを好むので、安眠できる落ち着いた寝床を用意してあげてください。運動量は少ないため、手頃な高さの家具があれば、キャットタワーを設置する必要はありません。臆病で用心深い性格なので、厳しくしつけるのは避けてください。
注意点
長毛の豊かな被毛を持つため、こまめなブラッシングが欠かせません。また、夏の暑さに弱いため、エアコンなどで室温管理をする必要があります。「涙やけ」や「目やに」が出やすいため、皮膚炎にならないように、目の周りを拭くなど、ケアしてあげてください。病気の面では、「多発性のう胞腎症」になりやすいため、日頃から水分を多めに摂らせることが大切です。また、「肥大型心筋症」にかかりやすいため、定期的に検診を受けておきましょう。
ペルシャの子猫を探す
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サイベリアン
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体高・体重と平均寿命
体高 | 23~25㎝ |
|---|---|
体重 | オス7.5~12㎏、メス6.5~10㎏ |
平均寿命 | 14歳前後 |
飼い方
サイベリアンは、従順で甘えん坊な性格で、飼い主さんと一緒に過ごすことを好みます。コミュニケーションを取って、たくさん遊んであげてください。大型猫のため、問題行動を起こさないように、子猫のうちからしっかりしつけておきましょう。
活発で動き回るのが好きです。運動量が豊富なので、十分に遊べる広さを確保する必要があります。長時間の留守番が苦手なので、留守にすることが多い家庭には不向きです。
注意点
毛の密度が高いため、毛玉ができないように念入りにブラッシングをする必要があります。また、暑さに弱いため、夏場は熱中症にならないように、エアコンなどで室温管理をしてください。病気の面では、遺伝性の「ピルビン酸キナーゼ欠損症」になりやすいです。疲れやすいなどの貧血症状が見られたら、獣医師さんの診察を受けましょう。ほかにも、「慢性腎臓病」や「多発性のう胞症」になりやすいです。多飲多尿、食欲不振の症状があれば、動物病院で診てもらってください。
サイベリアンの子猫を探す
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アメリカンカール
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体高・体重と平均寿命
体高 | 40~50㎝ |
|---|---|
体重 | オス3~5.5㎏、メス2.2~4.5㎏ |
平均寿命 | 12~16歳 |
飼い方
アメリカンカールは、穏やかで明るい性格をしており、環境への順応性も高いです。甘えん坊で、飼い主さんと過ごすことを好みます。できるだけ一緒にいる時間を作ってあげてください。活発に遊ぶので、キャットタワーやキャットウォークを設置し、十分に運動できる環境を整えてあげましょう。のんびりお昼寝するのも好きなので、安心してくつろげるスペースを用意してあげると良いです。
注意点
好奇心旺盛なので、室内での思わぬ事故や脱走に注意してください。太りやすいので、運動や遊びに付き合い、肥満にならないように気をつけましょう。抜け毛が多いため、「毛球症」になりやすいです。こまめなブラッシングやコーミング、定期的なシャンプーや毛玉ケアのフードなどで、予防する必要があります。また、後ろに反った耳は通気性が悪く、耳垢が溜まり、「外耳炎」になりやすいです。定期的に耳掃除をして、予防してください。
アメリカンカールの子猫を探す
関連記事:アメリカンカールの性格や特徴について紹介します
まとめ
現代猫の祖先、ヤマネコの名残であるリンクスティップは、狩りをする上で重要な役割を担っていました。ほかにも体を大きく見せる飾り毛として、またホコリや異物から耳を守るためにも役立ちます。
見た目に可愛らしく、存在感のあるリンクスティップですが、その有無や長短には、個体差があります。長毛の猫種に限らず、短毛種にもリンクスティップを持つ猫種はいます。リンクスティップは、見た目だけでなく、機能性も兼ね備えている優れものです。役割を知った上で見ると、猫にとって大切なパーツなのだと認識できるでしょう。


犬の家&猫の里 編集部
犬の家&猫の里は、ワンちゃんネコちゃん専門のペットショップです。
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